7日のNYダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反落した。前日比396ドル85セント(1.5%)安の2万5890ドル18セントで終えた。
新型コロナウイルスの感染拡大で経済活動の再開の動きが緩やかになるとの警戒が根強く、景気敏感株を中心に売りが優勢になった。ダウ平均は前日に3週間ぶりの高値で終えており、利益確定売りも出やすかった。
米南部や西部を中心に新型コロナの新規感染者が増え続けていることから、経済活動再開の動きが停滞し、景気回復に遅れが出ることへの懸念が広がった。米メディアによると、5日時点の入院患者数は南部テキサス州など23州で5%以上増加した。米ジョンズ・ホプキンス大の集計によると、全米の累計感染者は293万人超、死者は約13万人。
ダウは前日までの2営業日で550ドル余り上昇していたため、当面の利益を確保する売りも出やすく、終盤にかけて下げ足を速めた。
ニューヨーク近郊のニューアーク空港を発着する便で夏場の予約が急に減り始めたと伝わり、空運株が急落した。連動して航空機のボーイングも大幅安となり、ダウ平均の重荷となった。金融株や石油株など景気敏感株が総じて売られた。
このところ相場上昇をけん引してきたハイテク株にも利益確定売りが広がった。ソフトウエアのマイクロソフト、スマートフォンのアップル、ネット通販のアマゾン・ドット・コムは午前中に上場来高値を更新した後は売りに押され、下げて終えた。
セクター別では、銀行やエネルギーが大きく売られた一方で、食・生活必需品小売が買われた。
ナスダック総合株価指数は6営業日ぶりに反落した。前日比89.76ポイント(0.9%)安の1万0343.89で終えた。
売り優勢の中で、小売り大手のウォルマートが7%高と気を吐いた。今月下旬にも有料会員サービス制度導入し、アマゾンの同様のサービス「プライム」に対抗すると伝わった。
NYダウ工業株30種(ドル)
25,890.18-396.85
S&P500種
3,145.32-34.40
ナスダック
10,343.889-89.761
NY金(ドル/トロイオンス)
1,809.90+16.40
NY原油(ドル/バレル)
40.42-0.20
円・ドル
107.53 – 107.55-0.10
【シカゴ日本株先物概況】
7日のシカゴ日経平均先物は反落した。
9月物は前日比225円安の2万2415円で引け、7日の大取終値を125円下回った。
新型ウイルス拡大への懸念が強まり、下落で寄り付いた。その後ハイテク株を中心に上昇する場面もあったが、利益確定の売りで下落に転じ、引けにかけて下落幅を拡大した
テキサス州やフロリダ州で経済再開が滞っているうえ、複数の州で集中治療室(ICU)の病床不足が懸念された。前日に景気回復期待から買われ、利益確定売りも出た。
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
22415 ( -125 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
22455 ( -85 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6189.90(-96.04)
7日のFTSE100種総合株価指数は反落した。前日の終値に比べ96.04ポイント(1.5%)安い6189.90で引けた。指数は前日に2%上昇してほぼ2週間ぶりの高値を付けており、利益を確定する売りが優勢となった。指数構成銘柄の約8割が値下がりした。
新型コロナによる打撃を受けた欧州連合(EU)経済の回復をめぐる不透明感が強まり、欧州株価が下落。英株価もこれに追随した。英通貨ポンド高も圧迫要因となった。
個別銘柄では、HSBCホールディングスやスタンダードチャータード銀行、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランドなど、前日に大きく値上がりした金融株への売りが目立った。
外食・ホテル大手ウィットブレッドが5.5%安。アイルランド段ボール大手スマーフィット・カッパは4.2%安、英ビジネス情報会社インフォーマは4.1%安だった。
一方、賭け屋大手GVCホールディングスは3.6%高、ロシア鉄鋼大手エブラズは1.9%高。スイス飲料大手コカ・コーラ・ヘレニック・ボトリング・カンパニーと産銅大手アントファガスタはともに1.7%高と買われた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12616.80(-116.65)
7日のドイツ株式指数(DAX)は反落した。終値は前日と比べて116.65ポイント(0.9%)安の1万2616.80だった。欧州連合(EU)の欧州委員会は7日に発表した経済見通しで、2020年のユーロ圏の実質成長率を8.7%減と予測した。
また、5月の鉱工業生産が前月比+7.8%と前月(同-17.9%)から大幅に回復した。しかし市場予想(同+11.1%)を下回ったことが嫌気されているもよう。
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて各国が導入した規制措置を緩めるペースが想定より遅いとして、5月時点から下方修正した。景気回復の遅れが意識され、幅広い銘柄に売りが出た。
個別銘柄では、医薬・農薬大手のバイエルやスポーツ用品大手のアディダス、航空エンジン大手のMTUエアロ・エンジンズの下げが目立った。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5043.73(-37.78)
