NYダウ反落38ドル安、根強いインフレ警戒

12日のNYダウ工業株30種平均は5営業日ぶりに反落し、前日比38ドル29セント(0.1%)安の3万3646ドル50セントで終えた。

朝方発表された3月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比5.0%上昇。伸びは前月実績から減速したほか、9カ月連続で鈍化し、市場予想を下回った。米連邦準備制度理事会(FRB)による積極的な利上げに対する懸念が後退し、ダウは買い優勢で推移した。

ただ、変動の激しい食品とエネルギーを除いたコア指数は5.6%上昇と、前月から小幅に加速。市場では次回5月の連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%利上げを予想する見方は強く、CPIの内容が見直されると、徐々に売りに押された。

FOMCの議事要旨では、参加者が金融システム不安による経済下振れリスクに重きを置いて議論し、「銀行の信用供与が予想以上に減り、経済活動を大きく抑制する可能性がある」との見解を示していたことが明らかになった。先行きの景気懸念が強まった。

リッチモンド連銀のバーキン総裁は12日、インフレ抑制に向け、「まだやるべきことがある」と述べた。金融引き締めに積極的と受け止められたのも重荷だった。
市場では「CPIは5月の利上げ見送りにつながるほどではない内容。次のFOMCまでは、指標も気になるが、銀行を中心とする決算が注目される」との声が聞かれた。

映画・娯楽のウォルト・ディズニー、クレジットカードのアメリカン・エキスプレス、ホームセンターのホーム・デポといった消費関連が下げた。IT(情報技術)のIBMも下落した。一方、化学のダウ、製薬のメルクが高かった。アナリストが投資判断を引き上げた金融のゴールドマン・サックスも上昇した。

ナスダック総合株価指数は3日続落した。前日比102.540ポイント(0.9%)安の1万1929.337で終えた。電気自動車のテスラ、半導体メモリーのマイクロン・テクノロジーが売られた。

 


【シカゴ日本株先物概況】

12日のシカゴ日経平均先物は下落した。6月物は前日比80円安の2万7945円で引けた。
NYダウは、午前の米物価統計公表後もインフレへの警戒感が根強く、反落した。
米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨(3月21~22日開催分)の公表を受けて、金融不安が経済に与える悪影響が改めて意識された。米株の下げが波及した日経平均先物は売りが優勢だった。

シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
27945 ( -145 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
27990 ( -100 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7824.84(+39.12)

12日のFTSE100種総合株価指数は4日続伸した。前日に比べ39.12ポイント(0.50%)高の7824.84と、連日で3月9日以来約1カ月ぶりの高値で終えた。12日発表の米国の3月消費者物価指数(CPI)上昇率が市場予想を下回り、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ継続への警戒感が薄らいだのが投資家心理を支えた。景気の先行きに不透明感が残るなか、医薬品や公益事業などディフェンシブ銘柄に買いが入った。

個別では、約7割の銘柄が上昇した。資源大手グレンコア(2.4%高)や産銅大手アントファガスタ(1.9%高)、製薬大手アストラゼネカ(1.7%高)などが買われた。
航空大手インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)は4.0%安と売られた。

■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15703.60(+48.43)

12日のドイツ株価指数(DAX)は3日続伸した。前日に比べ48.43ポイント(0.31%)高の1万5703.60と、連日で2022年1月以来1年3カ月ぶりの高値で終えた。12日の欧州取引時間中の米株高が投資家心理の改善につながった。米消費者物価指数(CPI)上昇率の減速で米金融引き締め継続への警戒感が和らいだ。半面、欧州中央銀行(ECB)の利上げ継続観測は根強く、上値は限定的だった。

個別では、ダイムラー・トラック(3.8%高)やBMW(1.7%高)など自動車関連株が堅調だった。

 

■フランス・パリ株価指数
CAC40 7396.94(+6.66)

フランスの株価指数CAC40は小幅ながら3日続伸し、前日に比べ0.09%高の7396.94と、過去最高値を更新した。

 

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