NYダウ反落23ドル安、景気敏感株に過熱警戒の売り

 
11日のNYダウ工業株30種平均は3日ぶりに小反落し、前日比23ドル29セント(0.1%)安の2万9397ドル63セントで終えた。
ダウ平均は、新型コロナウイルスワクチン開発の進展や米大統領選でバイデン前副大統領の勝利が確実になったことを好感し、10日までの2日間で計1097ドル超上昇。9日には取引時間中の史上最高値を塗り替えた。これを受けて11日は買いが減速し、終盤は売り優勢に転じた。
 
前日までの2日間で買われていた資本財やエネルギーなどの景気敏感株が下落した一方、この日はハイテク株に資金が流入し、ナスダックは3営業日ぶりに反発。早期のワクチン普及が不透明な中欧米でコロナの感染が再拡大しており、巣ごもり需要の持続が見込まれることも、ハイテク株の買いにつながった。
 
この日の米国市場はベテランズデー(退役軍人の日)で債券・為替市場は休場。株式市場でも出来高が減り、やや動意に乏しい展開となった。
米ニューヨーク州のクオモ知事は11日午後、新型コロナウイルスが再拡大を受け、飲食店の営業規制を再び強化すると発表した。13日から午後10時の閉店を求める。同様の規制強化が他州でも広がれば経済回復が鈍るとの懸念から、ダウ平均は下げ幅を100ドル超に広げる場面があった。
航空機のボーイングとクレジットカードのアメリカン・エキスプレス(アメックス)が下落した。建機のキャタピラーや化学のダウも安い。
 
一方、景気敏感株への資金流出で下げていたハイテク株には値ごろ感からの買いが入った。低い実質金利は続くとの見通しや、長期的な成長期待も買いを後押しした。スマートフォンのアップル、ソフトウエアのマイクロソフト、顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムはいずれも3%高で終えた。
 
セクター別では、半導体・同製造装置、テクノロジー・ハード・機器が上昇した一方、素材・銀行が下落した。
 
ナスダック総合株価指数は前日比232.575ポイント(2.0%)高の1万1786.431と3日ぶりに反発した。ネット通販のアマゾン・ドット・コムと交流サイト(SNS)のフェイスブックが上昇した。エヌビディアやクアルコムなど半導体株の上げも目立った
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
29,397.63-23.29
S&P500種
3,572.66+27.13
ナスダック
11,786.431+232.575
NY金(ドル/トロイオンス)
1,876.40+22.00
NY原油(ドル/バレル)
41.42+0.06
円・ドル
105.45 – 105.46+0.06

 


【シカゴ日本株先物概況】

11日のシカゴ日経平均先物は反発した。
12月物は前日比355円高の2万5580円で引け、11日の大取終値を160円上回った。
ナスダック指数が3日ぶりに反発し、日経平均先物に買いが波及した。
ニューヨーク州も外出禁止令を発令するなど新型コロナウイルスの感染拡大に対応するため規制再強化したため、下げる場面もあった。
この日の12月物高値は2万5705円、安値は2万5150円。
 
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
25580 ( +160 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
25600 ( +180 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6382.10(+85.25)
11日のFTSE100種総合株価指数は8日続伸した。前日の終値に比べ85.25ポイント(1.4%)高の6382.10で引けた。構成銘柄の約7割が上昇した。日中を通して高値圏で推移した。
この日のFT指数はジリ高。終盤には6397.28と6月上旬以来約5カ月ぶりの高値を付け、6400台が目前に迫った。
新型コロナウイルスワクチンの実用化で経済が正常化に向かうとの期待感から買いが続いた。銀行株と医薬品株の上昇が株価指数の上げに大きく影響した。
 
個別銘柄では、航空のインターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)は買いが続き8%高だった。小売りのキングフィッシャーは、アナリストによる株価目標の引き上げを受けて大幅高となった。
 
一方、英航空機エンジン製造大手ロールス・ロイスは8.0%安、英医療機器・精密部品大手スミスグループは4.5%安、英ビジネス情報会社インフォーマは3.1%安。特殊化学品大手クローダ・インターナショナルと英ホテル大手インターコンチネンタルホテルズグループも各2.7%安とふるわなかった。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13216.18(+53.07)
11日のドイツ株式指数(DAX)は3日続伸した。終値は前日と比べて53.07ポイント高の1万3216.18だった。新型コロナウイルスワクチンの実用化で経済が正常化するとの期待感から買いが続いた。
個別銘柄では、不動産サービスのドイチェ・ボーネンは5%超上げた。電力のエーオンも買われた。同社が電力需要は予想よりも速く新型コロナの危機から回復していると示したことが好感された。半面、航空エンジン大手のMTUエアロ・エンジンズは下落した。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5445.21(+26.24)
 

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