NYダウ反落157ドル安、新型コロナウイルス第2波を警戒

 
30日のNYダウ工業株30種平均は反落した。前日比157ドル51セント安の2万6501ドル60セントで終えた。米国の新型コロナウイルスの1日当たり感染者数が過去最多を更新し、景気懸念が高まった。
米ジョンズ・ホプキンス大学の集計では29日の米国の新型コロナの感染者数が8万8500人と、23日に記録した過去最多を上回った。累計では900万人近くに達した。欧州ではドイツやフランスが行動規制などを強化しており、米国も外出自粛や経済活動の制限規制が強まるとの見方が広がり、投資家心理を冷やした。
ダウ平均は週間では6.5%下げ、3月第3週(17.3%)以来の下落率となった。
 
前日夕に7~9月期決算を発表した「GAFA」と呼ばれるハイテク大手4社のうち、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コムが大幅安となった。3社は総じて好業績だったものの、アップルはスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」の売り上げの落ち込みが嫌気された。フェイスブックは来期業績の不確実性が意識され、アマゾンはコロナ関連のコスト増に懸念が集まった。
ダウ平均の下げ幅は一時500ドルを超えた。11月3日に米大統領・議会選挙を控え、市場では選挙直前の週末とあって「短期投資家も買いを入れにくい状況だ」との声が聞かれた。
 
ダウ平均構成銘柄ではアップルのほか、顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムやソフトウエアのマイクロソフトも安い。景気敏感株の一角も売られ、航空機のボーイングやクレジットカードのビザは2%安となった。
 
ただ、ダウ平均は引けにかけて下げ幅を縮めた。今週は前日までに1700ドル近く下げており、押し目とみた買いが入ったとの見方があった。「ハイテク株に売られる一方、バリュー株の一角に資金が流入した」(キングスビュー・アセットマネジメントのポール・ノールト氏)という。建機のキャタピラーや銀行のJPモルガン・チェースなどが上昇して終えた。
 
ナスダック総合株価指数も反落し、前日比274.00ポイント安の1万0911.59と、約1カ月ぶりの安値で終えた。主力ハイテク株の一角に加えて、半導体関連株への売りが目立った。前日夕に市場予想を上回る決算を発表した検索サイトのグーグルの親会社アルファベットは4%高で終えた。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
26,501.60-157.51
S&P500種
3,269.96-40.15
ナスダック
10,911.591-274.002
NY金(ドル/トロイオンス)
1,879.90+11.90
NY原油(ドル/バレル)
35.72-0.45
円・ドル
104.66 – 104.68+0.38
 

 


【シカゴ日本株先物概況】

30日のシカゴ日経平均先物は反落した。
12月物は前日比155円安の2万3145円で引け、30日の大取終値を265円上回った。
欧米で新型コロナウイルスの感染者数が急増しているため、行動規制が景気悪化を招くとの懸念が広がった。米国では累計感染者数が900万人を超えた。第2波を警戒し、寄り付きから大きく下落した。来週の米大統領選を控え先行き警戒感も根強い。
この日の12月物安値は2万2870円、高値は2万3290円。
 
 
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
23145 ( +265 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
23165 ( +285 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
30日のFTSE100種総合株価指数は5日続落した。前日の終値に比べ4.48ポイント安の5577.27で引けた。終値ベースで4月上旬以来、約6カ月半ぶりの安値だった。下落した銘柄数は半数を上回った。日中を通して小幅の安値圏で推移した。
 
英国の新型コロナウイルスの感染拡大で、経済活動の制限がより厳しくなるとの観測で、売りが優勢だった。医薬品株の下落が株価指数を押し下げる一方で、石油株の上昇が下値を支えた。
 
個別銘柄では、ネット専業スーパーのオカド・グループの下げが目立った。チェコのセキュリティソフト大手アバスト・ソフトウエアは3.0%安、オランダのオンライン食品デリバリー大手ジャストイート・テークアウェイは2.6%安だった。
一方、銀行のナットウエスト・グループは6%上げた。新型コロナに関連した貸倒引当金が減少し2020年7~9月期は黒字に回復、市場予想も上回ったことから買いが広がった。
欧州航空大手インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)は5.9%高と買われた。

■ドイツ・フランクフルト株価指数
 30日のドイツ株式指数(DAX)は反落した。終値は前日と比べて41.59ポイント安の1万1556.48だった。終値ベースで5月下旬以来、約5カ月ぶりの安値だった。
 
個別では、医薬・化学大手の独メルクが大幅安だった。ドイツ取引所の下げも目立った。電力のRWEは上昇した。アナリストが投資判断と株価目標を引き上げたことが好感された。

■フランス・パリ株価指数
CAC40(仏)4,594.24 +24.57

 

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