NYダウ反落109ドル安、コロナ感染の第2波警戒

11日のNYダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反落し、前週末比109ドル33セント(0.4%)安の2万4221ドル99セントで終えた。
 
新型コロナの流行で制限していた経済活動の再開に動いた中国や韓国、ドイツなどで新規感染者が増加に転じたことを受け、市場では経済活動の早期再開による感染拡大「第2波」への警戒感が台頭。各国が再び制限強化にかじを切れば、世界経済への悪影響が長期化するとの懸念が広がり、ダウは序盤に一時261ドル安まで下落した。
もっとも、ハイテクやヘルスケア銘柄が買われ、相場は底堅く推移する場面もあった。
 
金融のJPモルガン・チェースやゴールドマン・サックス、建機のキャタピラーなど景気敏感株が下落した。デルタ航空など空運株や、ウォルト・ディズニーやクルーズ船のロイヤル・カリビアン・クルージズなど旅行・レジャー関連株の下げも目立った。
 
その後、米最多の新型コロナ感染者を出している東部ニューヨーク州のクオモ知事が記者会見で、州内の10地域中、北部の3地域が経済再開の基準を満たしたため、製造や建設など一部業種が今週末から事業を再開できると発表。これを好感し、ダウは午後に入って小幅ながらプラス圏を回復する場面もあった。
 
ハイテク株やヘルケア株への買いも相場を支えた。コロナ感染でも堅調な業績が続くとの見方から買いが途切れなかった。ダウ平均の構成銘柄ではスマートフォンのアップルやソフトウエアのマイクロソフトが上昇。製薬のメルクやファイザーも買われた。
 
セクター別では医薬品・バイオテクが上昇した一方、銀行や自動車・自動車部品が大きく下げた。
 
ナスダック総合株価指数は6日続伸し、前週末比71.02ポイント(0.8%)高の9192.34と2月下旬以来の高値で終えた。
 
巨大ハイテク銘柄のGAFAM(アルファベット、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム、マイクロソフト)は軒並み上昇した。エヌビディアが上場来高値を更新するなど、半導体株が総じて上げた。ギリアド・サイエンシズやアッビィなどバイオ製薬も幅広く買われた。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
24,221.99-109.33
S&P500種
2,930.32+0.52
ナスダック
9,192.344+71.023
NY金(ドル/トロイオンス)
1,698.00-15.90
NY原油(ドル/バレル)
24.50-0.24
円・ドル
107.65 – 107.66+0.48

 


【シカゴ日本株先物概況】

 
11日のシカゴ日経平均先物は続伸した。6月物は前週末比290円高の2万0500円で引け、11日の大取終値を10円上回った。
米株の上昇局面で買われた。ニューヨーク州のクオモ知事が11日、小売業などの再開計画を発表した。このためNYダウ工業株30種平均が一時的に上昇に転じ、日経平均先物にも買いが入った。円安やハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数の続伸も支援材料だった。
この日の6月物高値は2万0615円、安値は2万0145円。
 
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
20500 ( +10 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
20530 ( +40 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 5939.73(+3.75)
11日のFTSE100種総合株価指数は小幅に4営業日続伸した。前営業日である7日の終値に比べ3.75ポイント高い5939.73で引けた。
 
英政府は10日、外出制限を11日から段階的に緩和する計画を公表した。景気の悪化に歯止めがかかるとの期待感が相場を支えた。一方、中国と韓国で新型コロナウイルスの集団感染が再び発生していると現地からの報道で伝わった。感染の第2波への警戒感が根強く、積極的に買いを入れる動きは限られた。
 
個別銘柄では、日用品のレキットベンキーザーが3.0%高やネットスーパー専業のオカド2.7%高と上昇が目立った。英資産運用会社ハーグリーブズ・ランズダウンが5.3%高、英中古車販売サイトのオートトレーダー・グループは3.6%高と上昇した。
 
一方、格安航空会社(LCC)のイージージェットやインターナショナル・エアラインズ・グループなど航空株は下落した。英政府は外出制限を緩和する一方、国外からの入国者の検疫は強化する方針を示した。このため、低迷している旅行需要が一段と落ち込むとの見方から売りが出た。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 10824.99(-79.49)
11日のドイツ株式指数(DAX)は3営業日ぶりに反落した。終値は前週末と比べて79.49ポイント(0.7%)安の10824.99だった。
欧州主要600社の株価指数であるストックス600も下落し、前週末に比べ0.4%安い339.70で終えた。新型コロナウイルスの感染第2波への警戒感が根強く、運用リスクを回避するための売りが優勢だった。
材料難で方向感に乏しい。小売セクターに買いが入る一方、建設セクターが売られている。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 4490.22(-59.42)
 
 

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