NYダウ反落104ドル安 長期金利上昇でハイテク株に売り

 
30日のNYダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反落し、前日比104ドル41セント(0.3%)安の3万3066ドル96セントで終えた。
 
ダウ平均は前日に史上最高値を2営業日連続で塗り替えたため、利益確定の売りに押されやすい展開だった。午前は米長期金利の指標である10年物国債利回り上昇が嫌気され、ハイテク銘柄を中心に売りが膨らんだ。ダウ平均は終盤に下げを大幅に縮小する場面もあったものの、引け際に再び利食い売りに押された。
 
ただ、バイデン米大統領が翌日公表するインフラ投資計画や新型コロナウイルスワクチン普及への期待が相場を支えた。米投資会社アルケゴス・キャピタル・マネジメントの投資に絡む損失の広がりが懸念されているが、金融関連銘柄は堅調に推移した。
 
国債増発への警戒感から米長期金利が朝方に一時1.77%と昨年1月以来の高水準を付けた。ソフトウエアのマイクロソフトやスマートフォンのアップルが1%強下げた。ダウ平均の構成銘柄以外ではネット通販のアマゾン・ドット・コムやSNS(交流サイト)のフェイスブックが下落した。
相場は底堅く推移する場面もあった。米調査会社カンファレンス・ボードが午前に発表した3月の消費者信頼感指数は前月比19.3ポイント上昇の109.7と、市場予想(96.8程度)を大幅に上回った。新型コロナウイルスの感染が広がり始めた昨年3月以来1年ぶりの水準まで回復した。
ワクチン普及に伴う景気回復期待が広がり、建機のキャタピラーや化学のダウなど景気敏感株の一角が上昇。長期金利の上昇で利ざや拡大への期待からゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースなど金融株が買われた。
 
ナスダック総合株価指数は続落し、前日比14.253ポイント(0.1%)安の1万3045.394で終えた。アマゾン・ドット・コムによる半導体の内製化の報道をきっかけにブロードコムが3%安となるなど半導体関連株の下げが目立った。
 
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
33,066.96-104.41
S&P500種
3,958.55-12.54
ナスダック
13,045.394-14.253
NY金(ドル/トロイオンス)
1,686.00-28.60
NY原油(ドル/バレル)
60.30-0.25
円・ドル
110.34 – 110.35+0.12

 


【シカゴ日本株先物概況】

30日のシカゴ日経平均先物は小幅に上昇した。
6月物は前日比40円高の2万9370円で引け、30日の大取終値を110円下回った。米景気回復への期待が根強く買いを支えた。
一方、バイデン大統領が予定しているインフラ計画の詳細発表を控え、景気回復期待と同時に財政赤字の拡大を織り込み長期金利が14カ月ぶり高水準に達したため、警戒感から寄り付き後、下落。原油価格の下落も重しとなり終日軟調に推移した。
 
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
29370 ( -110 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
29405 ( -75 )
( )は大阪取引所終値比
 

【欧州株式市場】

 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6772.12(+35.95)
30日のFTSE100種総合株価指数は反発した。前日の終値に比べ35.95ポイント(0.5%)高の6772.12で引けた。構成銘柄の約7割が上昇した。
米追加経済対策への期待感などを背景に世界的に株高が進む中、英国の株価指数も堅調に推移した。
ドイツ株が連日で最高値を更新するなど大陸欧州の株高を好感した。
英国で新型コロナウイルスのワクチン接種が進み、行動規制の段階的緩和が予定通りに続行されるとの見方を支えに景気敏感株を中心に買いが広がった。
 
時価総額の大きい鉱業株と銀行株、石油株が上昇率の上位を占めた。銀行株には米長期金利の上昇を背景に利ざや拡大を見込んだ買いも入った。保険株も上げた。
個別銘柄では、金融大手バークレイズ(4.9%高)、HSBCホールディングス(3.0%高)などの銀行株が堅調だった。航空大手のインターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)が高かった。
 
半面、景気動向に左右されにくいとされるディフェンシブ銘柄の医薬品株や公益株は下落した。たばこ株も売りに押された。金相場安を受けて関連株のフレスニージョは大幅安で引けた。
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15008.61(+190.89)
30日のドイツ株式指数(DAX)は4日続伸した。終値は前日と比べて190.89ポイント(1.3%)高の1万5008.61と、連日で過去最高値(終値ベース)を更新した。
前日に続いて輸出関連株を中心に買いが広がった。構成銘柄の約8割が上昇した。
個別では、フォルクスワーゲン(VW)を筆頭に自動車株が大幅高となった。素材メーカーのコベストロの上げも目立った。
半面、透析器大手のフレゼニウス・メディカル・ケアが安かった。電力株も売りに押された。
 
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6088.04(+72.53)
欧州の主要株式市場も総じて大幅に上昇し、フランスの株価指数CAC40の終値は、2020年2月以来の高値となった。
 

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