3日のNYダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに大幅に反落し、前日比660ドル02セント安の2万2686ドル22セントで終えた。
アップル(AAPL)が中国市場での需要後退を理由に売上高見通しを下方修正したほか、
米サプライマネジメント協会(ISM)が3日に発表した昨年12月の製造業景況感指数は、11月から5.2ポイント低い54.1と市場予想以上に悪化した。米経済の先行き懸念をあおる形となり、株価を一段と下押した。
アナリストによる投資判断や目標株価の引き下げも相次ぎ、アップルは10%安と急落した。1銘柄でダウ平均を106ドル強押し下げた。
インテルなど半導体株やネット関連株に売りが波及、中国売上高比率が高いボーイングやキャタピラー、工業製品・事務用品のスリーエム(3M)の下げも目立った。
投資家がリスク回避姿勢を強め、安全資産とされる米債券は買われた。米長期金利は一時2.54%と昨年1月以来の低水準を付けた。
利ざやが悪化するとの見方からJPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスなど金融株が売られ、ダウ平均の重荷となった。
セクター別では、不動産や電気通信サービスが上昇する一方でテクノロジー・ハード・機器や半導体・半導体製造装置が下落した。
ナスダック総合株価指数は6営業日ぶりに大幅に反落し、前日比202.434ポイント安の6463.504で終えた。
個別では、バイオ医薬品のブリストル・マイヤーズ(BMY)は、同業のセルジーンと740億ドルで買収合意したものの、財務負担を懸念され大幅下落。航空大手のデルタ航空(DAL)は、12月実績が予想を下振れたと発表し、軟調推移した。アメリカン航空(AAL)やユナイテッド・コンチネンタル(UAL)なども下落。携帯端末のアップルによる業績下方修正を受けて、部品サプライヤーであるスカイワークス・ソリューションズ(SWKS)、コルボ(QRVO)が大幅下落となった。
NYダウ工業株30種(ドル)
22,686.22-660.02
S&P500種
2,447.89-62.14
ナスダック
6,463.504-202.434
NY金(ドル/トロイオンス)
1,284.10+2.80
原油(ドル/バレル)
46.83+0.29
円・ドル
107.58 – 107.59-2.81
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は下落。
3月物は前日比445円安の1万9370円で取引を終えた。大阪取引所の終値も630円下回った。
アップルの業績下方修正や米経済指標の悪化などで米株式相場が660ドル下落。日本株先物も連れ安した。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
19370 ( -470 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
19425 ( -415 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100種総合株価指数は反落した。前日の終値に比べ41.57ポイント安の6692.66で引けた。構成銘柄の約7割が下落した。
米IT大手アップルの業績予想下方修正に端を発する世界経済の減速懸念を受け、株価は軟調に推移。米国株の寄り付きの急落なども市場心理を下押した。
朝方から英国を含む欧州各国の株式相場は売りが優勢だった。英国はその後上昇に転じる場面もあったが、午後に発表された米経済指標も軟調だったことから、世界景気の減速懸念があらためて意識され、再び下落した。
金属の消費量が多い中国の景気懸念で鉱業関連株が軒並み値下がりし、株価指数を押し下げた。
個別では、ロシアの鉄鋼大手エブラズは7%超の下落と目立った。中国で人気の高い高級衣料バーバリーが5.9%安と大幅安。鉄鋼大手エブラズが7.7%安と大きく値を下げた。
金融株も売られた。
半面、衣類小売ネクストは4.1%高と堅調。前の3週間の売り上げが良好だったことが好感された。流通大手テスコは、4.0%高、WMモリソン・スーパーマーケッツの2.2%高、同マークス&スペンサーは、1.3%高と買われた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
ドイツ株式指数(DAX)は3営業日ぶりに反落した。終値は前日と比べて163.53ポイント安の10416.66だった。中国を中心に世界的な景気減速が懸念され、売りが広がった。
個別銘柄では、米アップルが業績見通しを下方修正したことが響いて、半導体のインフィニオンテクノロジーズが4%超の下落と目立った。オンライン決済サービスのワイヤーカードと、医療機器のフレゼニウスも大幅安だった。
一方で、RWEなど電力株は上がった。
■フランス・パリ株価指数
フランスの株価指数CAC40の終値は前日に比べて1%以上、下がった。
