NYダウ反落し183ドル安、利益確定の動きが目立つ

30日のNYダウ工業株30種平均は反落した。前週末比183ドル12セント(0.6%)安の2万8462ドル14セントで終えた。期末を控えて、運用成績を意識した機関投資家の一部が高値圏にある銘柄を中心に利益確定目的の売りを出した。
 
前週末は好調な年末商戦のデータを支えに2日連続で史上最高値を更新。30日は年末年始で休暇入りしている参加者が多く薄商いの中、利益確定売りが広がった。ダウの下げ幅は一時216ドルを超えた。
今年に入って上昇が目立っていたソフトウエアのマイクロソフトや映画・娯楽大手のウォルト・ディズニーが売られた。
 
その後は下げ幅を縮小した。足元の株高を支えてきた米中の貿易協議が進展しているとの観測から、売り急ぐ動きは限られた。香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは30日付で「中国の劉鶴(リュウ・ハァ)副首相は今週にも交渉団を率いてワシントンを訪問する」と伝え、米中の貿易協議の第1段階の合意に署名する見通しを示した。ナバロ米大統領補佐官(通商担当)も30日、米FOXテレビのインタビューで米中の貿易協議の第1段階の合意について「おそらく来週までかその辺りで署名する」と述べた。
 
今後も好業績が見込める銘柄には下がったところでは買いが入った。2020年は次世代型通信規格「5G」向けスマートフォンの販売が伸びるとのアナリストの指摘があったアップルは上昇した。
 
通商摩擦の影響で鈍化した米企業業績も20年には回復基調をたどる見通し。調査会社リフィニティブによると、20年の主要企業500社の1株当たり利益は前年比9.7%増と19年の同1.1%増から拡大するとみられていた。
 
セクター別ではテクノロジー・ハード・機器や食品・生活必需品小売が上昇する一方で、メディアや家庭用品・パーソナル用品が軟調。
 
ナスダック総合株価指数は続落した。前週末比60.623ポイント安の8945.994で終えた。エヌビディアなど半導体関連銘柄に売りが出た。交流サイトのフェイスブックやグーグルの持ち株会社アルファベットも下げた。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
28,462.14-183.12
S&P500種
3,221.29-18.73
ナスダック
8,945.994-60.623
NY金(ドル/トロイオンス)
1,518.60+0.50
NY原油(ドル/バレル)
61.66-0.063
円・ドル108.85 – 108.86+0.04

 


【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は続落した。
3月物は前週末比365円安の2万3405円で引け、30日の大取終値を235円下回った。
30日の大阪取引所で日経平均先物が反落した地合いを引き継いだ。

米株式相場が年末前の利益確定売りで下げたことも日経平均先物の売りを誘い、3月物は一時2万3385円まで下げた。

一方で米中メディア報道を手掛かりに米中貿易協議の第1段階合意の調印が1月上旬にも実現するとの期待が広がり、下値を支えた。
この日の3月物高値は2万3800円。
 
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
23405 ( -235 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て) 
23430 ( -210 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100種総合株価指数は12営業日ぶりに反落した。前週末の終値に比べ57.85ポイント安の7587.05で引けた。
特段の手掛かり材料はなかったが、年末を控えて利益確定売りが入った。外為相場のポンド高も上値を抑える要因となった。欧州連合(EU)離脱の不透明感払拭(ふっしょく)を背景とした連騰は11日で途切れた。構成銘柄の約8割が下落した。午後には一段安となった。
最近上昇が続いた後だけに、この日は利益確定を目的とした売りが広がった。石油と医薬品株の下落が株価指数を押し下げた。
 
個別銘柄では、航空・防衛のBAEシステムズが2.2%安で下落率トップ。建設資材のファーガソンの下げが目立った。金融大手HSBCホールディングスも0.3%安と小幅安だった
半面、不正会計問題に揺れる総合ヘルスケアのNMCヘルスは4%超上がった。

■ドイツ・フランクフルト株価指数
ドイツ株式指数(DAX)は反落した。終値は前週末と比べて88.10ポイント安の13249.01だった。
 
個別では、航空エンジン大手のMTUエアロ・エンジンズと重電のシーメンスの下げが目立った。オンライン決済サービスのワイヤーカードは買われた。
 
 
■フランス・パリ株価指数
フランスの株価指数CAC40の終値が前週末に比べて1%近く下落した。

 

株ちゃんofficial xはこちら!
目次