27日のNYダウ工業株30種平均は前日比344ドル89セント安の2万3857ドル71セントと反落で終えた。
朝方は買いが先行したものの、3月消費者信頼感指数が事前予想を下回り上値の重い動きとなった。午後に入って米アリゾナ州が配車サービスのウーバーに対して州内道路での自動運転車運用の無期限停止を命令したことをきっかけに、半導体関連株が急落した。
ダウ平均の構成銘柄ではマイクロソフト、シスコシステムズ、アップル、インテルのIT(情報技術)4銘柄で指数を78ドルあまり押し下げた。
この動きがハイテクセクター全体に広がる形となり、引けにかけてナスダックは3%近い大幅下落となった。
利用者の個人情報の流用問題でフェイスブック株への売りが続いた。同社のマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)が米議会証言に応じる見込みだと27日に伝わった。規制強化、広告収入の落ち込みへの警戒感が広がっている。
また、米長期金利が低下し、利ざやが悪化するとの見方からゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースなどの金融株にも売りが優勢となった。
ナスダック総合株価指数は前日比211.737ポイント安の7008.806で終えた。フェイスブックが5%近く下落、アルファベット(グーグル)、アマゾン・ドット・コムも4%前後の下げとなり指数を押し下げた。自動運転車の走行試験を世界的に中止すると伝わったエヌビディアは一時10%を超える大幅安となった。
セクター別では、公益事業や家庭用品・パーソナル用品が上昇する一方で半導体・半導体製造装置やソフトウェア・サービスが下落した。
個別では、テスラが大幅安。当局によるテスラ車の事故調査が伝わった。
ウーバーと自動運転向け技術で提携する半導体のエヌビディア(NVDA)が下落、アプライド・マテリアルズ(AMAT)やアドバンスト・マイクロ・デバイシズ(AMD)など半導体関連企業が軒並み軟調推移した。
一方、ソフトウェアのレッドハット(RHT)は、決算内容が好感され買われた。
VIX指数は22.50と上昇(前営業日21.03)。主要株式3指数は、世界貿易機関(WTO)での米中の攻防が続いており、米中貿易戦争への警戒感が払しょくしきれないこと、個人情報漏えいのフェイスブックや自動運転車試験を中断したエヌビディアなどが大幅に下落したことで下落した。VIX指数は一時24.06まで上昇した。
NYダウ工業株30種(ドル)
23,857.71-344.89
S&P500種
2,612.62-45.93
ナスダック
7,008.806-211.737
米10年債利回り(%)
2.7753 -0.066
米2年債利回り(%)
2.2701 -0.013
NY金(ドル/トロイオンス)
1,342.00-13.00
NY原油(ドル/バレル)
64.79-0.46
円・ドル
105.38 – 105.39-0.11
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は小幅続伸した。
6月物は前日比15円高の2万0695円で引け、同日の大取終値を415円下回った。
米中貿易摩擦への警戒感の薄れから朝高で始まった。その後、米株がハイテク株主導で反落に転じ、日経平均先物も売りに押された。
この日の6月物高値は2万1180円、安値は2万0610円。
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
20695 ( -415 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
20740 ( -370 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7000.14(+111.45)
FTSE100種総合株価指数は5営業日ぶりに大幅反発した。前日26日の終値に比べ111.19ポイント(1.61%)高の6999.88で引けた。構成銘柄の約9割が上昇した。
米中貿易摩擦を巡る懸念がひとまず後退し、投資家の投資意欲が改善した。幅広い銘柄に買いが広がった。取引時間中に一時4日ぶりに7000台を上回る局面があった。
個別では、買収発表を受けて医薬品のグラクソ・スミスクライン(GSK)は、5%近く上昇。同社は27日、欧州同業最大手ノバルティス(スイス)から大衆薬の合弁事業を買収すると発表した。好決算となった建築素材のファーガソンが6%超の大幅上昇し、指数をけん引した。同業のシャイアーとアストラゼネカも連れ高した。ノバルティスの株価も上昇した。
時価総額の大きい石油株も上昇した。銀行株、保険株など金融株も堅調だった。投資信託のスコティッシュ・モーゲージ・インベストメント・トラストの上げが目立った。
半面、衣料小売りのネクストが安かった。金価格の下落を受けて関連株のランドゴールド・リソーシズとフレスニージョも下げに転じた。足元の利益確定目的の売りでロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)は小幅安となった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 11970.83(+183.57)
ドイツ株式指数(DAX)は4営業日ぶりに大幅反発。終値は前日26日と比べて183.57ポイント高の11970.83だった。
世界的に投資家のリスク回避姿勢が後退し、海外市場での株高に連れて欧州株も全面高となった。1銘柄を除く全銘柄が上昇した。
個別では、ドイツ取引所、半導体のインフィニオンテクノロジーズが高くなった。一方、コメルツ銀行だけが小幅下落した。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5115.74(+49.46)
