NYダウ反落、雇用統計で米利上げ懸念

 
 
3日のNYダウ工業株30種平均は反落し、前日比348ドル58セント(1.0%)安の3万2899ドル70セントで終えた。
 
朝方発表された5月の雇用統計によると、景気動向を敏感に反映する非農業部門就業者数は前月比39万人増と、4月から伸びは鈍化したものの、市場予想を上回った。失業率は3.6%と横ばいだった。
 
堅調な雇用情勢が示されたため、米連邦準備制度理事会(FRB)が積極的に金融引き締めを行い、景気が悪化するとの警戒感が広がり、ダウは朝方から軟調な展開を維持。長期金利上昇が嫌気され、ハイテク株への売りが膨らんだ。
 
米サプライ管理協会(ISM)が明らかにした5月の米サービス業購買担当者景況感指数(PMI)は55.9と、前月から低下し、市場予想も下回ったが、市場への影響は限られた。
 
米長期金利が雇用統計発表後に一時2.98%(前日終値は2.91%)に上昇し、ハイテクなど高PER(株価収益率)銘柄の相対的な割高感も意識された。週末を前に持ち高を整理する目的の売りも出やすかった。米原油先物相場が午後の時間外取引で3カ月ぶりに1バレル120ドル台に上昇し、ガソリン高が米景気や消費を冷やすとの懸念も意識された。ダウ平均は400ドルあまり下げる場面があった。
 
スマートフォンのアップルが4%近く下落した。アナリストが同社のアプリ配信サービス「アップストア」の成長鈍化を指摘し、嫌気された。米長期金利上昇を受けて顧客情報管理のセールスフォースやソフトウエアのマイクロソフトも下げた。消費関連株も売られ、映画・娯楽のウォルト・ディズニーやスポーツ用品のナイキ、クレジットカードのビザの下げが目立った。
 
ナスダック総合株価指数は反落し、前日比304.164ポイント(2.5%)安の1万2012.734で終えた。電気自動車のテスラが9%安と大幅下落した。同社のイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が2日に幹部に対し、経済悪化を懸念して採用凍結と10%の人員削減を示したことが明らかになった。交流サイトのメタプラットフォームズと画像処理半導体のエヌビディアの下げも目立った。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
32,899.70-348.58
S&P500種
4,108.54-68.28
ナスダック
12,012.734-304.164
FTウィルシャー5000
41,736.70-678.34
NY金(ドル/トロイオンス)
1,850.20-21.20
NY原油(ドル/バレル)
120.26+3.39
円・ドル
130.79 – 130.81+0.91

 


【シカゴ日本株先物概況】

3日の日経平均先物は反落した。6月物は前日比200円安の2万7575円で引け、3日の大取終値を215円下回った。
朝方発表された5月雇用統計で非農業部門雇用者数が39万人の増加と、増加幅が市場予想(31万人増)を上回ったことで連邦準備制度理事会(FRB)による積極的な利上げが警戒された。長期金利が上昇し、割高感が意識されやすいハイテク株を中心に売りが加速。主要株式指数は終日軟調に推移した
米株が反落し、日経平均先物に売りが広がった。
 
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)  
27575 ( -215 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
27575 ( -215 )
※( )は大阪取引所終値比
 

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数

英国は祝日のため前日に続いて休場。

■ドイツ・フランクフルト株価指数

3日のドイツ株価指数(DAX)は反落し、前日比25.08ポイント(0.2%)安の1万4460.09で終えた。3日発表の5月の米雇用統計で雇用者数が市場予想以上に増加した。米連邦準備理事会(FRB)の積極的な金融引き締め方針は変わらないとの見方から売りが出た。DAXでは、ポルシェ(1.7%安)やフォルクスワーゲン(1.4%安)、メルセデス・ベンツ(0.7%安)など自動車関連株がさえなかった。
 

■フランス・パリ株価指数

フランスCAC40種指数は0.23%安だった。CACでもルノーが1.9%安と売られた。

 

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