NYダウ反発90ドル高、値頃感から買い戻し

 
29日のNYダウ工業株30種平均は反発し、前日比90ドル73セント高の3万4390ドル72セントで終えた。
ダウ平均が前日、569ドル安と大幅下落したことを受けて値頃感から買いが入り、ダウは序盤から上昇した。
ただ、米議会の与野党対立によって、政府機関の一部閉鎖や米国債のデフォルト(債務不履行)を招くとの懸念がくすぶる中、株価は総じて上値の重い展開をたどった。イエレン財務長官は前日の議会証言で、債務不履行に陥れば米国に対する信用が失墜し、「金融危機や景気後退に直面する公算が大きい」と警告。イエレン氏はまた、10月18日までに議会が連邦債務の上限引き上げか停止で合意しなければ、財政資金が枯渇するとの見通しも示した。
 
米長期金利の上昇が一服し、製薬のメルクや日用品のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)などディフェンシブ株中心に買い直された。
メルクは2%強上げた。開発中の新型コロナウイルス治療の飲み薬で良好な結果が出たと伝わったのも買い材料。ドラッグストアのウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス、バイオ製薬のアムジェンなど、ダウ平均構成銘柄の上昇率上位にはディフェンシブ株が目立った。アナリストが投資判断を引き上げた航空機のボーイングが3%高となったのも、ダウ平均を押し上げた。
 
前日に1.56%まで上昇した長期金利が一時1.4%台に低下し、投資家の過度な警戒感が和らいだ。ただ、市場心理を測る指標となる米株の変動性指数(VIX)は不安心理が高まった状態とされる20を上回って終え、先安懸念はくすぶったままだ。ディフェンシブ株が買われたのも株安に身構える投資家の姿勢を映し出している。
 
ダウ平均は上げ幅を一時250ドル超に広げたが、引けに掛けて急速に伸び悩んだ。米連邦債務の上限問題も相場の重荷となった。与野党協議が難航しており、10月以降の財源が確保できず、米連邦政府の閉鎖やデフォルト(債務不履行)に陥る可能性が意識された。
 
ナスダック総合株価指数は4日続落し、前日比34.242ポイント安の1万4512.441で終えた。ネット通販のアマゾン・ドット・コムとネット検索のアルファベットが下落した。28日夕に市場予想を下回る業績見通しを発表した半導体のマイクロン・テクノロジーは2%下落した。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
34,390.72+90.73
S&P500種
4,359.46+6.83
ナスダック
14,512.441-34.242
NY金(ドル/トロイオンス)
1,722.90-14.60
NY原油(ドル/バレル)
74.79-0.04
円・ドル
111.95 – 111.96+0.66

 


【シカゴ日本株先物概況】

 
29日のシカゴ日経平均先物は反発した。
12月物は前日比185円高の2万9705円で引け、29日の大取終値を85円上回った。29日の米株式市場で米長期金利の上昇一服を手掛かりにダウ工業株30種平均が反発し、日経平均先物にも買いが波及した。
 
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
29705 ( +85 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
29750 ( +130 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7108.16(+80.06)
29日のFTSE100種総合株価指数は反発した。前日の終値に比べ80.06ポイント高の7108.16で引けた。構成銘柄の約8割が上昇した。医薬品株と銀行株が株価指数の上昇に大きく影響した。
個別では、医薬品のアストラゼネカが4%超の上昇と目立った。同業他社株の追加取得を発表したことが買い材料となった。衣料小売りのネクストも4%近く上げた。2022年1月期通期の利益見通しを再度引き上げたことが好感された。金融大手HSBCホールディングスが2.1%高となるなど、銀行株も軒並み堅調だった。
 
半面、郵便大手のロイヤル・メールは、アナリストが投資判断を売りに引き下げたことが嫌気され9%近く下落した。
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15365.27(+116.71)
29日のドイツ株式指数(DAX)は反発した。終値は前日と比べて116.71ポイント高の1万5365.27だった。前日の下落の反動で買い戻しが広がった。
 
個別では、航空機のエアバスが3%超上げた。アナリストが投資判断と株価目標をともに引き上げたことなどが好感された。自動車のフォルクスワーゲン(VW)も上昇した。医療機器のシーメンス・ヘルシニアーズは売られた。
 
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6560.80(+54.30)

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