14日のNYダウ工業株30種平均は反発し、前日比558ドル99セント高の2万3949ドル76セントと3月10日以来ほぼ1カ月ぶりの高値で終えた。
新型コロナウイルスの感染拡大がピークに近づき、経済活動が早期に再開されるとの期待から大型ハイテク株を中心に幅広い銘柄に買いが入った。
米国家経済会議(NEC)のクドロー委員長は14日、米FOXビジネスのインタビューで、トランプ大統領が一両日中に米国経済の再開について「非常に重要な発表」をすると表明した。「人々を安全にできるだけ早く仕事に復帰させたい」とも語った。
また、ニューヨーク州など北東部6州は13日、経済活動の再開に向けた計画策定で協力すると発表。カリフォルニア、オレゴン、ワシントンの西部3州も共同声明で、経済再開へ協力することで合意したと明らかにした。こうした動きを受け、市場では外出制限などで停滞する経済活動の早期再開への期待が広がり、消費関連株を中心に買いが入った。
また、業績期待から大型ハイテク株が買われ、相場上昇をけん引した。スマートフォン「iPhone」の中国での出荷が3月に大きく増えたと伝わったアップルは5%高。外出制限の影響による需要急増の見通しを背景にネット通販のアマゾン・ドット・コムも5%強上げた。
2020年1~3月期決算の売上高が市場予想以上に増えた医薬・日用品のジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は4%高で終えた。
一方、1~3月期の商用機の引き渡しが前年同期から7割減った航空機のボーイングが4%下げ、ダウ平均の重荷となった。新型コロナに関連して計上した多額の貸倒引当金が響き、大幅な減益となったJPモルガン・チェースも売られた。シティグループなど他の銀行株も連れ安した。
セクター別では小売りやテクノロジー・ハード・機器が大幅上昇した一方で、銀行やエネルギーが下落した。
ナスダック総合株価指数は4日続伸し、同323.32ポイント(3.9%)高の8515.74と3月6日以来の高値で終えた。アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が8%高、クアルコムが6%高と半導体株の上げが目立った。
NYダウ工業株30種(ドル)
23,949.76+558.99
S&P500種
2,846.06+84.43
ナスダック
8,515.741+323.316
NY金(ドル/トロイオンス)
1,768.90+7.50
NY原油(ドル/バレル)
20.85+0.74
円・ドル
107.17 – 107.18-0.49
【シカゴ日本株先物概況】
14日のシカゴ日経平均先物は反発した。6月物は前日比430円高の1万9520円で引け、14日の大取終値を90円下回った。
米国内の新型コロナウイルスの感染拡大がピークをつけた兆候が引き続き好感され、買いが先行。トランプ大統領が経済再開に向けて新たな委員会を発足させ協議が開始されたことも好感され、終日堅調推移となった。経済活動の再開が視野に入ったとの期待が広がった。
この日の6月物高値は1万9695円、安値は1万9080円。
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
19520 ( -90 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
19625 ( +15 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 5791.31(-51.35)
14日のFTSE100種総合株価指数は反落した。前営業日にあたる9日の終値に比べ51.35ポイント(0.9%)安の5791.31で引けた。
この日のFT指数は高寄り後に値を消すと、5700台後半から5800台前半の狭いレンジで方向感のない取引が続いた。
静養中のジョンソン英首相の代理を務めるラーブ外相は13日、新型コロナウイルスについて「感染のピークを越えていない」と述べた。3月下旬から実施されているロックダウン(都市封鎖)が長期化し、経済停滞も続くとの警戒感が強まった。
英予算責任局が14日、3カ月間のロックダウンを前提にすると、4~6月期の英経済は35%のマイナス成長に陥り、失業率は10%に上昇するとの試算を示したのも英景気の先行き不安を強めた。
個別銘柄では、テイラー・ウィンピーやバラット・ディベロップメンツなど、国内景気に業績が大きく左右される住宅建設株の下げが目立った。ロイズ・バンキング・グループやバークレイズなど銀行株も売られた。軟調な原油相場を背景に英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルやBPなど石油株も下げた。
一方、英オンライン食品販売オカド・グループは8.5%高、英製薬大手アストラゼネカは6.8%高、産金・産銀会社ポリメタル・インターナショナルは6.6%高、特殊化学品大手クローダ・インターナショナルは6.2%高と好調だった
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 10696.56(+131.82)
14日のドイツ株式指数(DAX)は続伸した。終値は前営業日にあたる9日と比べて131.82ポイント(1.2%)高の10696.56だった。14日発表の中国の3月貿易統計が想定よりも良好な結果となったことで、ひとまずリスク回避姿勢が後退しているようだ。小売りやソフトウェアセクターなどが買われている。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 4523.91(+17.06)
