24日のNYダウ工業株30種平均は反発し、前日比349ドル44セント(1.0%)高の3万4707ドル94セントで終えた。
ダウ平均は前日に約449ドル下落した反動で買いが入り、寄り付きから上昇。ハイテク株や素材株などが主導し、終盤にかけて上げ幅をじわじわ広げた。この日は原油相場が下落し、インフレ加速への懸念がやや後退したことも株価の追い風となった。
この日発表された一部の米経済指標が強い内容だったことも、株価を支えた。労働省発表の週間新規失業保険申請件数は18万7000件と、市場予想を下回り、1969年以来の低水準となった。また、S&Pグローバル発表の3月の購買担当者景況指数(PMI)速報値は、製造業、サービス業ともに前月から上昇し、市場予想も上回った。米経済の堅調さが意識されたのも買いを誘った。
主要7カ国(G7)は24日に開いた首脳会議でロシアへの追加の経済制裁を「必要に応じて講じる用意がある」と宣言したが、具体案には言及しなかった。欧州連合(EU)がロシアからの原油輸入を禁止するなどの制裁強化がひとまず見送られ、一段のエネルギー高への懸念が和らいだ面もあった。
半導体株の上昇も相場を押し上げた。ダウ平均の構成銘柄ではインテルが7%高で終えた。構成銘柄以外では、投資家向け説明会の内容が好感されたエヌビディアが10%高と急伸した。主要半導体株で構成するフィラデルフィア半導体株指数は5%上昇した。
スマートフォンのアップルも2%高で終えた。スマホ「iPhone」などをリースするサブスクリプション(継続課金)型サービスを検討していると報じられた。ソフトウエアのマイクロソフトなど主要ハイテク株にも買いが広がった。
ナスダック総合株価指数は反発し、前日比269.235ポイント(1.9%)高の1万4191.839と2月上旬以来の高値で終えた。交流サイトのメタプラットフォームズと検索サイトのアルファベットが高い。
NYダウ工業株30種(ドル)
34,707.94+349.44
S&P500種
4,520.16+63.92
ナスダック
14,191.839+269.235
FTウィルシャー5000
46,183.45+638.73
NY金(ドル/トロイオンス)
1,962.20+24.90
NY原油(ドル/バレル)
111.27-3.66
円・ドル
122.31 – 122.35+0.69
【シカゴ日本株先物概況】
24日のシカゴ日経平均先物は反発した。6月物は前日比710円高の2万8095円で引け、24日の大取終値を255円上回った。原油安や堅調な米雇用指標を手掛かりに投資家心理が上向き、日経平均先物は米株とともに買われた。朝方発表の週間の米新規失業保険申請件数は市場予想を下回り、52年半ぶりの低水準になった。
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
28095 ( +255 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
28145 ( +305 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7467.38(+6.75)
24日のFTSE100種総合株価指数は小幅に反発した。前日に比べ6.75ポイント(0.09%)高の7467.38で引けた。前日に売られていた銀行や公益事業セクターが買い直された。ただ、インフレ加速による景気減速懸念から上値は重かった。FTSEでは、金の上昇を好感し産金大手フレスニロが5.7%高と上昇率トップ。衣類小売ネクスト(3.3%安)など消費関連株の売りが目立った。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 14273.79(-9.86)
24日のドイツ株価指数(DAX)は小幅に続落し、前日比9.86ポイント(0.07%)安の1万4273.79で終えた。インフレ加速を警戒した売りが優勢だった。一方、米株高が投資家心理の支えとなり下げ幅は限られた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6555.77(-25.66)
フランスCAC40種指数は0.39%安の6555.77だった。
ロシアのウクライナ侵攻に関し、先進7カ国(G7)や北大西洋条約機構(NATO)、欧州連合(EU)の首脳会議が相次いだことで、これらの結果を見極めようと、様子見ムードが強かった。
