8日のNYダウ工業株30種平均は反発した。前日比177ドル10セント高の2万6067ドル28セントで終えた。
この日は反動からアップルやマイクロソフトなどの主要ハイテク株が買われ、相場をけん引した。ドイツ銀行のアナリストによる目標株価の引き上げなどを好感し、アップルは終盤に史上最高値を更新した。
アナリストが目標株価を引き上げたスマートフォンのアップルに加え、ネット通販のアマゾン・ドット・コム、動画配信のネットフリックスが上場来高値を更新した。在宅勤務や遠隔学習などが業績を押し上げるとみられるソフトウエアのマイクロソフトも高い。
週内にもフロリダ州のテーマパークの一部を再開する予定の映画・娯楽のウォルト・ディズニーは3%高。アナリストが投資判断と目標株価を引き上げた建機のキャタピラーも上昇した。
ただ、日中はもみ合い、ダウ平均は小幅に下げる場面もあった。
米ジョンズ・ホプキンス大学システム科学工学センター(CSSE)によると、米国の新型コロナ感染者数は8日、累計で300万人を超えた。死者は13万人超で、感染者数、死者数とも世界最多。経済活動再開の動きが停滞し、景気回復が遅れることへの懸念が広がり、ダウは取引時間中にマイナス圏に沈む場面もあった。
業績が景気の影響を受けやすい化学のダウの下げが目立ち、前日に大幅に上昇した小売りのウォルマートも下落した。
セクター別では、耐久消費財・アパレルが大きく買われた一方で、素材、食・生活必需品小売が売られた。
ナスダック総合株価指数も反発し、前日比148.61ポイント高の1万0492.50と、2日ぶりに過去最高値を更新した。主力株に加え、エヌビディアなど半導体株の一角も高い。
NYダウ工業株30種(ドル)
26,067.28+177.10
S&P500種
3,169.94+24.62
ナスダック
10,492.500+148.611
NY金(ドル/トロイオンス)
1,820.60+10.70
NY原油(ドル/バレル)
40.97+0.07
円・ドル
107.26 – 107.27-0.21
【シカゴ日本株先物概況】
8日のシカゴ日経平均先物は反発した。
9月物は前日比80円高の2万2495円で引け、8日の大取終値を125円上回った。
ハイテク株の上昇が終始下値を支え引けにかけては大きく上昇した、日経平均先物に買いが波及した。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は8日の株式市場で過去最高値を更新した。
ただ、米国の新型コロナウイルス感染者が8日に300万人を超え、景気回復の遅れを警戒する売りが出る場面もあった。
この日の9月物高値は2万2635円、安値は2万2325円。
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
22495 ( +125 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
22530 ( +160 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6156.16(-33.74)
8日のFTSE100種総合株価指数は続落した。前日の終値に比べ33.74ポイント安の6156.16で引けた。
FT指数は安寄り後に切り返し、序盤でこの日の高値の6208.43を付けた。その後はもみ合いながら水準を切り下げる展開となり、安値圏で引けた。
世界で新型コロナウイルス感染の拡大傾向が続き、景気の先行き不安から売りが優勢だった。英政府は8日、飲食業などを対象とした付加価値税の減税措置を含め、総額300億ポンド(約4兆円)の追加の景気刺激策を発表した。事前に景気刺激策への期待が高まっていたこともあり、ある程度株価には織り込み済みで市場の反応は限定的だった。
個別銘柄では、英広告大手WPPが5.3%安。英投資会社メルローズ・インダストリーズは4.1%安、欧州航空大手インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)は3.9%安
と下げが目立った。
一方、英航空機エンジン製造大手ロールス・ロイスは3.7%高、メキシコ産金大手フレスニロは2.6%高、英食品・小売大手アソシエーテッド・ブリティッシュ・フーズは2.3%高、英・豪系資源大手BHPビリトンは2.0%高と好調だった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12494.81(-121.99)
8日のドイツ株式指数(DAX)は続落した。終値は前日と比べて121.99ポイント(1.0%)安の1万2494.81だった。きのう欧州委員会が2020年のユーロ圏の経済成長率を5月時点から下方修正した景気回復ペースの遅れに対する懸念が上値を重くしている。
米国などで新型コロナウイルスの感染拡大が続き、経済正常化の遅れを懸念した売りが出た。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 4981.13(-62.60)
