NYダウ反発167ドル高、景気敏感株に押し目買い

5日のNYダウ工業株30種平均は前日比167ドル71セント(0.6%)高の3万0391ドル60セントと反発で終えた。堅調な米経済指標を受け、前日に下げが目立った景気敏感株を中心に押し目買いが入った。
米サプライ管理協会(ISM)が朝方発表した2020年12月の米製造業購買担当者景況指数(PMI)は60.7と、前月の57.5を上回り、2018年8月以来2年4カ月ぶりの高水準を記録。市場予想(ロイター通信調べ)の56.6も上回った。堅調な同指標を受けてダウは下支えられた。
 
ダウ平均は280ドルあまり上昇する場面があった。前日に5%強下げた航空機のボーイングが大幅反発。運航再開した主力小型機「737MAX」の出荷が順調だと伝わったことも買い材料となった。米原油先物市場でWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の期近物が昨年2月以来となる1バレル50ドル台を一時回復し、シェブロンなど石油株も買われた。長期金利上昇を受けて金融株も高い。
セクター別では、エネルギーが特に値を上げたほか、素材、資本財なども堅調だった。
 
5日に投票日を迎えたジョージア州の上院決選投票の直前の世論調査で、共和党候補が盛り返したことが買いを誘っているとの声もあった。共和党は争う2議席のうち1議席を取れば過半数を維持でき、バイデン次期大統領が掲げる増税や規制強化などの実現が難しくなると期待された。ただ、引けにかけては上院選の結果を見極めたいとの様子見ムードが次第に強まり、やや上値が重くなった。
 
ナスダック総合株価指数は反発し、前日比120.513ポイント(0.9%)高の1万2818.960で終えた。スマートフォンのアップルに加え、アナリストが投資判断を引き上げたマイクロン・テクノロジーの上げが目立った。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
30,391.60+167.71
S&P500種3
,726.86+26.21
ナスダック
12,818.960+120.513
NY金(ドル/トロイオンス)
1,946.60+51.50
NY原油(ドル/バレル)
49.80+2.18
円・ドル
102.71 – 102.72-0.22

 


【シカゴ日本株先物概況】

5日のシカゴ日経平均先物は小幅に反発した。3月物は前日比30円高の2万7130円で引け、5日の大取終値を60円上回った。好調な経済指標を背景にシカゴ日経平均先物は米株とともに買われた。5日発表の12月の米サプライマネジメント協会(ISM)の製造業景況感指数が市場予想を上回る改善ぶりを示した。

ただ、日本政府は新型コロナウイルス対策として緊急事態宣言を再発令するとみられ、上値は重かった。市場関係者は5日のジョージア州の上院決選投票の結果に注目している。
 
この日の3月物高値は2万7250円、安値は2万6940円。
 
 
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
27130 ( +60 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
27160 ( +90 )
( )は大阪取引所終値比
 

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6612.25(+40.37)
5日のFTSE100種総合株価指数は新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けた制限措置が英国で強化されたものの、株価は続伸した。
前日の終値に比べ40.37ポイント(0.6%)高の6612.25で引けた。下落銘柄数の方が多かったが、主力の資源株が買われ相場を押し上げた。買いが優勢で始まり、一時は下落したものの終値では2020年3月以来、10カ月ぶりの高値水準で引けた。
 
英国は5日、首都ロンドンを含むイングランドで3度目となるロックダウン(都市封鎖)に踏み切ったが、英政府が発表した小売業などの事業者に対する追加のコロナ支援策を好感した買いが入った。ワクチン普及の期待も投資家心理を支えた。
 
個別銘柄では、原油相場の急反発を追い風に石油株が上昇し、BPは7%上げた。鉱業株にも買いが広がった。衣料小売りのネクストも大幅高となった。クリスマス商戦期の売上高が期待を上回り、アナリストが目標株価を引き上げたことが材料になった。
 
一方、電力・ガス供給ナショナル・グリッドなど公益株は売りに押された。銀行株の一部にも売りが出た。アイルランド段ボール大手スマーフィット・カッパは3.4%安、英広告大手WPPは2.5%安、ロンドン証券取引所グループは2.4%安、英信用リスク管理サービス会社エクスペリアンは2.0%安と売られた。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13651.22(-75.52)
5日のドイツ株式指数(DAX)は反落した。終値は前日と比べて75.52ポイント(0.6%)安の1万3651.22だった。
ドイツ政府は、新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるための行動規制を延長する方向と伝わり投資家心理を冷やした。5日の米ジョージア州での上院決選投票の結果を控えて、持ち高調整の売りも出やすかった。
 
個別では、景気動向に左右されにくいとされるディフェンシブ銘柄の電力株が安かった。BMWをはじめ自動車株も売られた。ドイツのIfo経済研究所が発表した指標で、2020年12月の自動車業況が新型コロナウイルスの影響によりマイナスに低下したことが響いた。一方、巣ごもり需要増の期待から料理宅配大手のデリバリーヒーローは続伸した。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5564.60(-24.36)

 

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