NYダウ反発148ドル高、過去最更新

17日のNYダウ工業株30種平均は反発した。前日比148ドル83セント高の3万0303ドル37セントと4日以来、およそ2週ぶりに過去最高値を更新した。
 
新型コロナウイルス感染拡大を受けた追加経済対策をめぐり、与党共和党のマコネル上院院内総務が17日、与野党合意に近づいていると説明。民主党のペロシ下院議長も、米メディアに「協議が進展している」と語った。市場では、年内に対策がまとまるとの期待が高まり、買いが先行した。
また、米連邦準備理事会(FRB)による金融緩和の長期化観測も支えとなった。
米商務省が朝方発表した11月の米住宅着工件数は、年換算で前月比1.2%増加。3カ月連続のプラスで、市場予想も上回った。住宅需要の堅調さが確認され、相場を押し上げた。
 
FRBが16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で量的金融緩和を長期にわたって続ける方針を明示した。株式市場に資金が流入しやすい地合いが続くとの見方も投資家心理を支えた。低金利の長期化で投資妙味が増す公益事業や不動産、住宅関連株への買いが目立った。
 
米食品医薬品局(FDA)の諮問委員会は17日の会合で、バイオ製薬モデルナが開発する新型コロナウイルスワクチンの緊急使用を勧告する見込み。FDAは18日にも緊急使用を許可するとみられ、ワクチン普及による経済活動の正常化期待も高まった。
 
新型コロナの感染拡大で目先の米景気が下振れするとの懸念は、相場の上値を抑えた。朝方発表の週間の米新規失業保険申請件数は予想以上に増えた。16日発表の11月の米小売売上高は市場予想以上に減少するなど、経済を支える個人消費への懸念が高まっている。
 
ナスダック総合株価指数は4日続伸し、前日比106.557ポイント高の1万2764.745と連日で過去最高値を更新した。電気自動車(EV)のテスラが5%上昇した。動画配信のネットフリックスに加え、エヌビディアなど半導体関連の一角も上昇した。
 
S&P500も3日続伸し、前日比21.31ポイント(0.6%)高の3722.48と過去最高値で終えた。
 
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
30,303.37+148.83
S&P500種
3,722.48+21.311
ナスダック
12,764.745+106.557
NY金(ドル/トロイオンス)
1,890.40+31.30
NY原油(ドル/バレル)
48.40+0.58
円・ドル
103.10 – 103.12-0.08

 


【シカゴ日本株先物概況】

17日のシカゴ日経平均先物は弱含んだ。3月物は前日比5円安の2万6750円で引け、17日の大取終値を20円下回った。17日のニューヨーク外国為替市場で円高が進み、上値を抑えた。米追加経済対策を巡る与野党間の早期合意への期待が広がり、日経平均先物は米株とともに買われる場面もあった。
 
この日の12月物安値は2万6620円、高値は2万6810円。
 
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
26750 ( -20 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
26785 ( +15 )
( )は大阪取引所終値比
 

【欧州株式市場】

 
 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6551.06(-19.85)
17日のFTSE100種総合株価指数は反落した。前日の終値に比べ19.85ポイント(0.3%)安の6551.06で引けた。上昇と下落の銘柄数は拮抗した。
米国の連邦準備制度理事会(FRB)の量的緩和の長期継続や追加経済対策の進展を受け、英株価指数は高値でスタート。ただ、英国と欧州連合(EU)の交渉進展期待から通貨ポンドが急伸すると、外需関連株を中心に売りに押され、結局安値引けとなった。
午前は前日終値付近で一進一退していた。午後に外国為替市場でポンド高が進み、ポンド高が業績の重荷になる多国籍企業に売りが広がった。時価総額の大きいたばこ株や医薬品株、石油株が下落し、指数を押し下げた。
 
個別銘柄では、ネット専業スーパーのオカド・グループをはじめ小売株の一部にも売りが出た。携帯電話サービスのボーダフォン・グループの下げも目立った。売り上げの海外依存が大きい高級衣料バーバリーも2.3%安とさえなかった。石油大手BPは1.2%安、製薬大手アストラゼネカも1.3%安と緩んだ。
 
半面、金属相場の大幅高を追い風に主力の鉱業株は上げた。広告大手のWPPグループも高かった。2022年までには業績の回復が見込めるとの見通しを示し、アナリストが投資判断を引き上げたことが手掛かりになった。資源大手リオ・ティント(1%高)など資源株も総じて締まった。
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13667.25(+101.27)
17日のドイツ株式指数(DAX)は4日続伸した。終値は前日と比べて101.27ポイント(0.8%)高の1万3667.25だった。年内にも欧州連合(EU)加盟国で新型コロナウイルスワクチンの接種が始まるとの期待が投資家心理の改善につながった。
 
個別では、IT(情報技術)のSAPやアディダスが高かった。一方、外国為替市場でのユーロ高が重荷となり、航空エンジン大手のMTUエアロ・エンジンズや自動車株といった輸出株には売りが出た。
 
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5549.46(+1.78)

 

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