NYダウ反発103ドル高、長期金利低下

 
22日のNYダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反発し、前週末比103ドル23セント(0.3%)高の3万2731ドル20セントで終えた。
この日は新規材料難の中、米長期金利は落ち着いた動き。このところ金利上昇を嫌気して売り込まれていたハイテク銘柄に買いが入った。ダウは朝方は弱含む場面もあったものの、ハイテク株にけん引され、ほぼ終日しっかりで推移した。ナスダック総合指数の終値ベースの上昇率は1.2%を超えた。
 
米長期金利が前週末終値の1.72%から22日は1.6%台後半に低下し、相対的な割高感が低下したハイテク株に買いが入った。ソフトウエアのマイクロソフトとスマートフォンのアップルが上昇し、ダウ平均を押し上げた。
 
インテルなど半導体関連も買いが優勢だった。ブルームバーグ通信が21日、韓国メモリー大手SKハイニックスの李錫熙(イ・ソクヒ)最高経営責任者(CEO)がデータセンター向け半導体需要の拡大観測を示したと報じ、買いを誘った。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は2%上げた。
 
英製薬大手アストラゼネカが22日、新型コロナウイルスワクチンの米国の臨床試験で79%の有効性を示したと発表した。米国で緊急使用許可が下りればワクチン普及の加速につながる。経済正常化を後押しするとして、外食のマクドナルドなど消費関連の一角も買われた。
 
一方、JPモルガン・チェースなど金融株が売られ、ダウ平均の重荷となった。19日に米連邦準備理事会(FRB)が銀行の資本規制の緩和を延長しないと発表し、業績への影響を懸念した売りが続いた。22日は長期金利の低下も利益確定売りを促した。
 
米不動産業者協会(NAR)がこの日発表した2月の中古住宅販売件数は、年換算で前月比6.6%減の622万戸と、3カ月ぶりに減少し、市場予想を下回った。ただ相場への影響は限定的だった。
 
ナスダック総合株価指数は続伸し、前週末比162.307ポイント(1.2%)高の1万3377.542で終えた。グロース(成長)株に投資する米有力投資会社アーク・インベストメント・マネジメントが強気の株価予想を示した電気自動車のテスラが上昇した。動画配信のネットフリックスも高い。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
32,731.20+103.23
S&P500種
3,940.59+27.49
ナスダック
13,377.542+162.307
NY金(ドル/トロイオンス)
1,738.10-3.60
NY原油(ドル/バレル)
61.23-0.33
円・ドル
108.80 – 108.81+0.12
 
 

 


【シカゴ日本株先物概況】

22日のシカゴ日経平均先物は下落した。6月物は前週末比235円安の2万9115円で引け、22日の大取終値を185円上回った。
長期金利の低下を受けたハイテク株の上昇に支えられ、NYダウも上昇に転じた。さらに、バイデン政権が最大3兆ドル規模の大型公共投資を検討していると報じられると、景気回復への期待が一段と強まり、引けにかけて上げ幅を拡大した。
朝安で始まった。その後は米長期金利の上昇一服を好感し米株が上昇するにつれ、下げ幅を縮めた。
この日の6月物安値は2万8730円、高値は2万9305円。
 
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
29115 ( +185 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
29145 ( +215 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6726.10(+17.39)
22日のFTSE100種総合株価指数は反発した。前週末の終値に比べ17.39ポイント(0.3%)高の6726.10で引けた。構成銘柄の半数以上が上昇した。
外国為替市場でポンドが下落し、ポンド安の恩恵を受けやすい多国籍企業が買われたが、時価総額の大きい石油株と鉱業株は下落したため上げ幅は限られた。
 
個別銘柄では、医薬品株が高かった。なかでもアストラゼネカの上げが目立った。米国の試験で同社の新型コロナウイルスのワクチンの有効性が確認されたことを好感した買いが入った。たばこ株や食品・日用品のユニリーバなども上げた。
 
一方、欧州大陸の新型コロナウイルスの感染「第3波」への懸念も根強く、鉱業株や石油株、銀行株といった景気敏感株に売りが出た。航空大手のインターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)が安かった。
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 14657.21(+36.21)
22日のドイツ株式指数(DAX)は反発した。終値は前週末と比べて36.21ポイント(0.3%)高の1万4657.21だった。
 
下落した銘柄の方が多かったが、自動車のフォルクスワーゲン(VW)が大幅高となり指数を押し上げた。同社は15日に欧州に電気自動車(EV)用の電池工場を建設する計画を発表してから上昇基調が続いている。株価は15日に比べて20%超高となった。22日の米株市場でEV大手のテスラ株が大幅高となったことも追い風になった。BMWなども買われた。
 
一方、欧州航空大手インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)は5.2%安、英航空機エンジン製造大手ロールス・ロイスは4.4%安。タイヤのコンチネンタルが安かった。アナリストが目標株価を引き下げたことが響いた。
 
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5968.48(-29.48)
 
 

株ちゃんofficial xはこちら!
目次