NYダウは9ドル高、関税への警戒感から上値の重い展開

6日のNYダウ工業株30種平均は小幅ながら続伸した。前日比9ドル36セント高の2万4884ドル12セントで終えた。
韓国と北朝鮮が4月末の首脳会談開催に合意し、地政学リスクの後退で買いが先行した。しかし、トランプ大統領が鉄鋼・アルミニウムへの関税導入を強行した場合、コーン国家経済会議委員長が辞任するとの思惑が報じられ下落に転じた。その後ハイテク株を中心に再び上昇したが、関税への警戒感から上値の重い展開となった。
米政策運営の不透明感を受け、投資家が運用リスクを取りにくくなるとの見方から売りが出た。
 
航空機のボーイングや航空機・機械のユナイテッド・テクノロジーズなどの下げが目立ち、ダウ平均の下げ幅は一時166ドルに達した。
 
ナスダック総合株価指数は3日続伸し、前日比41.302ポイント高の7372.007で終了した。アルファベット(グーグル)やアマゾン・ドット・コムなど時価総額の大きい主力株が上昇し、指数を押し上げた。
 
セクター別では、半導体・半導体製造装置や素材が上昇する一方で公益事業や食品・生活必需品小売が下落した。
 
個別では、アナリストの目標株価引き上げが相次いだ動画配信のネットフリックスが上場来高値を更新した。四半期決算で利益と売上高がともに市場予想を上回ったネットワーク機器のシエナが大幅高。運輸・宅配のユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)は、一部アナリストによる投資判断引き上げを受け上昇した。
 
一方ディスカウントストアのターゲット(TGT)は支出増加により、一株利益が予想に届かず下落。半導体のクアルコム(QCOM)は、同業ブロードコム(AVGO)の買収に対して財務省が安全保障上の懸念を示し軟調推移。オートバイメーカーのハーレー・ダビッドソン(HOG)は、トランプ政権の関税導入策に対する報復関税による売上減少を示唆し売られた。
 
 
VIX指数は18.36と低下(前営業日18.73)。米株オープン前は北朝鮮が非核化について米国と協議する意向を表明したことで、地政学リスクが後退しリスクオン(株買い、債券売り、円売り)の動きを期待し、VIX指数は17.68まで下がった。
しかし、ダウ平均が徐々に値を下げ一時3桁の下落幅を記録すると、VIX指数も19.64まで上昇した。
その後は、米上院議員がトランプ政権の関税案に対して否定的な発言をしたことで貿易戦争に対する懸念がやや薄まり、株価に底堅さが戻った。VIX指数も徐々に低下して引けた。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
24,884.12+9.36
S&P500種2,728.12+7.18
ナスダック
7,372.007+41.302
 
米10年債利回り(%)
2.8863 +0.007
米2年債利回り(%)
2.2539 +0.012
 
NY金(ドル/トロイオンス)
1,335.20+15.30
NY原油(ドル/バレル)
62.36-0.21
円・ドル
106.15 – 106.16   +0.01   

 


【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は続伸した。3月物は前日比225円高の2万1635円で引け、同日の大取終値を185円上回った。
北朝鮮が6日、非核化について米国と対話する用意があると表明した。地政学的リスクへの懸念の薄れから米株とともに買われた。買い一巡後は伸び悩んだ。
この日の3月物高値は2万1805円、安値は2万1390円。
 

シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
21635 ( +185 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
21635 ( +185 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7146.75(+30.77)
FTSE100種総合株価指数は続伸した。前日5日の終値に比べ30.77ポイント高の7146.75で引けた。構成銘柄の約6割が上昇した。
北朝鮮が非核化問題などで米国と対話の用意があると伝わったことも、株などリスク資産への買い意欲を強めた。ただ、午後遅くは米国株が下落に転じたことから、上げ幅は縮小した。
 
個別では、スマーフィット・カッパは、米同業のインターナショナル・ペーパーからの買収提案を拒否したことを受けて19%上昇した。同業のDSスミスとモンディも大幅高となった。
リスク資産とされる商品の価格高を受けて、アングロ・アメリカンなど鉱業株が買われた。ロイヤル・ダッチ・シェルなど石油株も上昇。オールド・ミューチュアルなど保険株も上がった。業界データで3カ月間の売り上げ増が示されたスーパーマーケットのテスコも堅調だった。
 
半面、ネット食品デリバリーのジャスト・イートは12%超の下落。競争激化を背景とした追加投資が今年の業績を圧迫し、利益見通しが市場予想を下回ったことが売り材料となった。
建機・産業機器レンタルのアシュテッド・グループは、通期業績がこれまでの予想水準にとどまるとの見通しを示し5%超下がった。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12113.87(+23.00)
ドイツ株式指数(DAX)は続伸した。終値は前日5日と比べて23.0ポイント高の12113.87だった。北朝鮮が米国と対話する用意があると伝わったことで、リスクを取る姿勢が強まり買いが広がった。ただ、午後には伸び悩んだ。
 
トランプ米大統領の発言で前日に売られたフォルクスワーゲンなどの自動車株はこの日、米国の保護主義的な通商政策への過度な懸念がやや和らぎ買い戻された。鉄鋼のティッセン・クルップと電力のRWEも上昇した。
一方で、放送大手のプロジーベンザット1メディアは、売り上げ水増しを指摘する調査報告が響いて6%超下がった。ドイツ取引所も下落した。
 
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5170.23(+3.00)

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