NYダウは68ドル高、8日続伸。米中通商協議を楽観視

14日のNYダウ工業株30種平均が8日続伸した。前週末比68ドル24セント高の2万4899ドル41セントと3月16日以来、およそ2カ月ぶりの高値で終えた。
8日続伸は昨年9月8日~20日の9日続伸以来の連続上昇記録となる。
貿易摩擦問題を巡る米中協議の再開を明日に控えて、トランプ大統領が中国の通信企業との取引再開に向けて譲歩する姿勢を示し、協議進展への楽観的な見方から買いが先行した。
 
半導体のクアルコムによるオランダの車載半導体大手、NXPセミコンダクターズの買収について、中国当局が独占禁止法上の審査を再開したとも報じられた。中国当局はZTEへの制裁の報復として審査を棚上げしていたとされる。15~19日には中国の劉鶴副首相が訪米し、通商問題の公式協議に臨む。米中の対話が進む可能性が意識された。
クアルコムやNXPの株価が上昇。ZTEとの取引が大きい通信機器のアカシア・コミュニケーションズやフィニサーなども買われた。売上高に占める中国事業の比率が高い建機のキャタピラーや航空機のボーイングも上げた。
 
ダウ平均は163ドル高まで上げる場面があったが、午後にかけては伸び悩んだ。
在イスラエル米大使館のエルサレム移転に伴う抗議活動で多数の死傷者が出るなど地政学リスクへの警戒感が重しとなり、上げ幅を縮小する展開となった。
また、上昇が続いてきたうえ、一時2カ月ぶりに節目の2万5000ドルに近づき、利益確定売りも出やすかった。
 
ナスダック総合株価指数は反発した。同8.432ポイント高の7411.315と3月16日以来、およそ2カ月ぶりの高値で終えた。
 
セクター別では、半導体・半導体製造装置やヘルスケア機器・サービスが上昇する一方で不動産や運輸が下落した。
 
個別では、原油相場の上昇を受けてエクソンモービルなど石油株が買われた。セキュリティソフトのシマンテック(SYMC)は、取締役会の監査委員会が進める内部調査について投資家向け会議の開催を発表し大幅上昇。小売大手のシアーズ・ホールディングス(SHLD)は、家電ブランド「ケンモア」など複数の資産売却について手続きを開始し、堅調推移した。
 
一方で、複写機のゼロックス(XRX)が大幅下落。富士フイルムホールディングスによる買収合意を撤回すると発表し、売りが膨らんだ。新製品の発売が計画よりも遅れると明らかにした製薬のペリゴも安い。
電気自動車のテスラ・モーターズ(TSLA)は、幹部の一人がアルファベット傘下の自動運転車開発部門に転職し売られた。
 
 
VIX指数は12.93と上昇(前営業日12.65)。
先週半ばからほぼ一本調子で下落しており、週明けの本日は利食いの買いが先行した。高寄りしたNYダウ平均が3桁高で強含むと、VIX指数も弱含む場面はあったものの前営業日引けまでは届かず。
米株が上げ幅を縮小する動きを眺めて、VIX指数は一時13.28まで上昇した。しかし、投資家のリスク選好志向に変化なく、引けにかけては13を割り込んでいる。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
24,899.41+68.24
S&P500種
2,730.13+2.41
ナスダック
7,411.315+8.432
 
米10年債利回り(%)
3.0024 +0.031
米2年債利回り(%)
2.5516 +0.013
 
NY金(ドル/トロイオンス)
1,318.20-2.50
NY原油(ドル/バレル)
71.17+0.47
円・ドル
109.68 – 109.69+0.18

 


【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は3営業日続伸した。
6月物は前週末比175円高の2万2880円で引け、同日の大取終値を20円上回った。米中貿易摩擦への警戒感が薄れ、米株とともに買われた。
トランプ米大統領が中国の通信機器大手、中興通訊(ZTE)への経済制裁の緩和を示唆し、今週にワシントンで開く2度目の通商協議で進展がみられるとの期待が強まった。
この日の6月物高値は2万2895円、安値は2万2720円。

 
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
22880 ( +20 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
22890 ( +30 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7710.98(-13.57)
FTSE100種総合株価指数は4営業日ぶりに反落した。前週末11日の終値に比べ13.57ポイント安の7710.98で引けた。
構成銘柄の約7割が下落した。株価指数は11日に約4カ月ぶりの高値を付けた反動もあり、一段安となる場面もあったが、午後に米国株が上昇して始まると、英国株の下げ幅は縮小した。金融株とたばこ株の下げが株価指数を押し下げた。
 
個別では、銀行のバークレイズと保険のオールド・ミューチュアル、たばこのブリティッシュ・アメリカン・タバコの下げが大きくなった。
アナリストが投資判断と株価目標を引き下げた小売りのマークス・アンド・スペンサー(M&S)も下落した。郵便大手のロイヤル・メールの下げも目立った。
 
一方で、午前は下がっていた石油株が原油高に伴い午後に上昇に転じ、医薬品株の上げとともに、下値を支えた。
ガス供給・販売のセントリカは、エネルギー需要の高まりを理由に、通期業績目標を達成する意欲を改めて示し買われた。
シャイアーなど医薬品株は上昇した。グラクソ・スミスクラインは、アナリストによる株価目標の引き上げなどが好感された。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12977.71(-23.53)
ドイツ株式指数(DAX)は続落した。終値は前週末11日と比べて23.53ポイント安の12977.71だった。
個別では、ドイツ銀行とコメルツ銀行、ドイツ取引所が売られた。
一方で、医薬・化学大手の独メルクと素材メーカーのコベストロは買われた。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5540.68(-1.26)

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