8日のNYダウ工業株30種平均は続伸し、前日比63ドル21セント高の2万4837ドル51セントで取引を終えた。
18日以来1週間半ぶりに過去最高値を更新した。
週間新規失業保険申請件数が前週比横ばいとなり、労働情勢の堅調さが示され、買いが先行した。閑散取引が続く中、原油高や長期金利の上昇を受けてエネルギーや金融関連銘柄への買いが相場の下支えとなった。
医療保険のユナイテッドヘルス・グループや保険のトラベラーズ、JPモルガン・チェースなどが上げ、相場全体の上昇に寄与した。半面、ハイテク株が総じてさえず、相場の上値は重かった。
米シカゴ購買部協会が朝方発表した12月の景気指数(PMI)は市場予想を上回り、2011年3月以来の高水準となった。力強い景気拡大が続いているとの見方が株式相場の支えになった。
ナスダック総合株価指数は続伸し、前日比10.824ポイント高い6950.160で終えた。
セクター別では、不動産や自動車・自動車部品が上昇する一方で食品・飲料・タバコや運輸が下落した。
個別では、資源のフリーポート・マクモラン(FCX)は金や銅相場の上昇を受け、堅調推移した。
毎年1月に株価が上がりやすいとの指摘があった動画配信のネットフリックスが大幅高。年明けに四半期決算の発表を予定する酒類販売のコンステレーション・ブランズが52週高値を更新した。
一方、物流サービスのJBハント・トランスポート・サービシズ(JBHT)は決算内容が嫌気され、下落した。米たばこ大手のアルトリア・グループや飲料のモンスター・ビバレッジが安い。18年1月からカリフォルニア州で嗜好用大麻の販売が許可されるのを前に、需要が落ち込むとの思惑が広がったもようだ。日用品のキンバリー・クラークも下げた。
VIX指数は10.18と低下(前営業日10.47)。米主要株価指数は小幅続伸で寄り付き、プラス圏を維持しつつ限られた値幅での動きに終始した。VIX指数は前日のレンジ内でもみ合った。
NYダウ工業株30種(ドル)
24,837.51+63.21
S&P500種
2,687.54+4.92
ナスダック
6,950.160+10.824
米10年債利回り(%)
2.4287 +0.017
米2年債利回り(%)
1.9071 +0.008
NY金(ドル/トロイオンス)
1,297.20+5.80
NY原油(ドル/バレル)
59.89+0.25
円・ドル
112.87 – 112.88 +0.15
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は反落した。3月物は前日比125円安の2万2790円で引け、前夜の大取終値を10円上回った。同日の大阪取引所で下落した流れを引き継いだ。円相場の反発も相場を下押した。この日の3月物安値は2万2725円、高値は2万2945円。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
22790 ( +10 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
22825 ( +45 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7622.88(+2.20)
FTSE100種総合株価指数は小幅続伸。前日終値に比べ2.20ポイント高の7622.88で引けた。わずかながら前日27日に付けた最高値を更新した。構成銘柄の約6割が上昇した。
年末を控えて休暇に入った市場関係者も多く取引は低調となる中、最高値付近でもみ合った。前日に引き続き銅価格の上昇を追い風に鉱業株が買われた一方で、午後に入り金関連株などに利益確定目的の売りが出て指数の上げ幅は限られた。配当の権利落ちとなった銘柄の下落も重荷になった。
個別では、リオ・ティントをはじめ、鉱業株が軒並み上昇し、指数をけん引した。ロンドン金属取引所(LME)で指標となる銅3カ月先物が約4年ぶりの高値水準を付けたことなどが買い手掛かりになった。
一方、午前は買いが先行していた金鉱のフレスニージョとランドゴールド・リソーシズに利益確定の売りが出て下落して引けた。同様に石油株と医薬品株の一角も下げた。
通信のBTグループ、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ、ヘルス・安全装置関連のハルマの下げが目立った。いずれも配当の権利落ちとなったことが売り材料視された。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12979.94(-90.08)
ドイツ株式指数(DAX)は3日続落した。終値は前日比90.08ポイント安の12979.94だった。年末を控え投資家が取引を手じまう動きから、終盤にかけて幅広い銘柄に売りが膨らんだ。構成銘柄のほとんどが下落し、ほぼ全面安で引けた。
日用品のバイヤースドルフ、ITのSAP、ドイツポストの下げが目立った。上昇したのはハイデルベルクセメントと航空のルフトハンザだけだった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5339.42(-29.42)
