6日のNYダウ工業株30種平均は続伸し、前週末比39ドル60セント高の2万5502ドル18セントで終えた。
米政府が対中貿易制裁の強化方針を示したことを受け、中国政府は前週末3日、600億ドル相当の米国産品に最大25%の関税を上乗せする対抗措置を発表。世界1、2位の経済大国による「貿易戦争」の影響に警戒感が強まり、この日のダウは売り優勢で始まった。
航空機のボーイングなど中国事業の比率が高い一部の銘柄が下落した。アナリストが投資判断を引き下げた半導体インテルに売りが優勢だったのも指数の重荷で、ダウ平均は一時81ドルあまり下げた。
終盤に入った米企業の決算発表シーズンで、好業績を手掛かりとした個別物色が相場を支えた。ただ、米中貿易摩擦を巡る不透明感は根強く上値は重かった。
バークシャー・ハザウェイや食肉のタイソン・フーズなど市場予想を上回る四半期決算を材料視した個別物色が続いた。ダウ平均の構成銘柄では7日夕に決算発表を控える映画・娯楽大手のウォルト・ディズニーに好業績を期待した先回り買いが入った。
フェイスブックは利用者が銀行関連情報にアクセスできるサービスを拡充するため、銀行に利用者の金融情報の提供を求めて交渉にあたっていると伝わり、4%強上げた。主力ハイテク株が上昇し、投資家心理を強気に傾けた面もあった。
市場関係者からは「決算シーズンが一段落し、小売り大手の決算までも少し時間がある。米議会は夏休み入りし、しばらくは材料難で動きづらい展開となりそうだ」との声が聞かれた。
ナスダック総合株価指数は5日続伸し、前週末比47.663ポイント高の7859.678で終えた。フェイスブックのほか、アマゾン・ドット・コムやアップルも買われた。
セクター別では、各種金融や小売が上昇する一方で自動車・自動車部品や不動産が下落した。
個別では、エンターテイメントのシーワールド・エンターテイメント(SEAS)は、売上高が予想を上振れ、大幅上昇した。食肉メーカーのタイソンフーズ(TSN)も、決算内容が好感され、堅調推移した。飲料メーカーのペプシコ(PEP)は、CEOの退任を発表し買われた。
一方で、家具・事務機器のニューウェル・ブランズ(NWL)は、決算内容が嫌気され、大幅下落となった。
NYダウ工業株30種(ドル)
25,502.18+39.60
S&P500種
2,850.40+10.05
ナスダック
7,859.678+47.663
米10年債利回り(%)
2.9432 -0.009
米2年債利回り(%)
2.6493 +0.004
NY金(ドル/トロイオンス)
1,217.70-5.50
NY原油(ドル/バレル)
68.93-0.08
円・ドル
111.38 – 111.39 +0.12
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は小幅に続落した。
9月物は前週末比15円安の2万2540円で終え、大阪取引所の終値を50円上回った。米中貿易摩擦の激化懸念が相場を下押しした。
9月物の安値は2万2435円で、高値は2万2605円だった。
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
22540 ( +50 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
22545 ( +55 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7663.78(+4.68)
FTSE100種総合株価指数は動意に乏しい展開となった。前週末3日の終値に比べ4.68ポイント高の7663.78で小幅に続伸で引けた。構成銘柄の6割近くが上昇した。
の日のFT指数は、7600台前半から後半にかけての狭いレンジで方向感のない取引が続いた。
個別銘柄では、住宅大手バラット・デベロップメンツと英石油大手のBP、会計ソフト大手セージはそれぞれ1.1%高だった。ロイヤル・ダッチ・シェルが買われた。医薬品株も上昇し、グラクソ・スミスクラインは1.6%高と値上がりが目立った。金融サービスのハーグリーブス・ランズダウンが2.0%高と通信のBTグループは1.7%高と上昇が大きくなった。
半面、銅価格の下落を背景に鉱業株が軒並み売られた。フレスニージョは午後に下げ幅を拡大し、3%超の下げとなった。銀行株も軟調だった。ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)は2.3%安、アナリストによる株価目標の引き下げが響いた。上期決算を発表したHSBCホールディングスは、新たな成長戦略による投資の負担増が売り材料となった。ソフトウエア開発のマイクロフォーカスも3.1%安と売られた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12598.21(-17.55)
ドイツ株式指数(DAX)は反落した。終値は前週末3日と比べて17.55ポイント安の12598.21だった。午前に上昇に転じる場面もあったが、午後には再び売られた。
個別銘柄では、機械のリンデは7%超下がった。米同業のプラクスエアとの合併をめぐり、米規制当局がさらなる資産売却を求めていることが明らかとなり、合併に対する懸念が広がった。アディダスはアナリストが投資判断と株価目標をともに引き下げたことなどが響いて下落した。鉄鋼のティッセン・クルップの下げも目立った。
一方で、ハイデルベルクセメントと自動車のBMWは上昇した。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5477.18(-1.80)
