3日のNYダウ工業株30種平均は反発し、前日比389ドル17セント高の2万4033ドル36セントで終えた。
米中貿易摩擦への警戒感が広がるなか、寄付き後は揉み合う展開となったものの、前日に売り込まれたハイテク株に買い戻しの動きが広がったほか、3月新車販売台数が好調となり、引けにかけて上げ幅を拡大した。
このところ下げがきつかったアマゾン・ドット・コムが買われ、市場心理の改善につながった。一時は上げ幅を400ドル近くに広げた。
トランプ大統領が配送料金の安さや税金未払いなどでアマゾンへの批判を強めていたことに関連し、一部報道をきっかけにホワイトハウスはアマゾンへの調査や規制を検討していないとの観測が浮上した。アマゾンが1.5%超上げ、大型ハイテク株全般が買い直された。
短期的に売られすぎたとの見方から、3日は「打診買いが入った」との声もあった。
原油高でシェブロンなど石油株が買われたことも相場の追い風だった。ダウ平均の構成銘柄では米中貿易摩擦への警戒から前日に売られた航空機のボーイングが持ち直し、医療保険のユナイテッドヘルス・グループやジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)などヘルスケア関連株の上げも目立った。
ゼネラル・モーターズ(GM)など自動車大手が発表した3月の新車販売台数が軒並み市場予想を上回ったことも、投資家心理を好転させた。
ナスダック総合株価指数は反発し、前日比71.163ポイント(1.0%)高い6941.282で終えた。
セクター別では全面高となり、自動車・自動車部品や耐久消費財・アパレルの上昇が目立った。
個別では、3日に上場した音楽配信サービス大手スポティファイ(スウェーデン)の親会社、スポティファイ・テクノロジーは149.95ドルで初日の取引を終えた。NY取引所が事前に公表した参考価格(132ドル)を14%上回ったが、初値(165.90ドル)からは下げた。
一方で、電気自動車のテスラ・モーターズ(TSLA)が急伸した。朝方に量産車「モデル3」の生産台数が過去7日間で2000台超に加速したと発表。年内は新規の資金調達の必要はないとも明らかにし、財務悪化への警戒が後退した。GPU(画像処理半導体)のエヌビディアはバンクオブアメリカ・メリルリンチが最上位の投資対象リストに加えたと伝わり、上昇した。
米メディア大手のバイアコムは大幅安。前日夕に同業のCBSが現在の企業価値を下回る価格で買収を計画していると伝わった。
VIX指数は21.10と下落(前営業日23.62)。米国の自動車販売が増加したこと、ホワイトハウスがアマゾンに対する措置を議論していない、と表明したことで、米主要株式3指数は反発した。VIX指数は一時20.92まで下落した。
NYダウ工業株30種(ドル)
24,033.36+389.17
S&P500種2,614.45+32.57
ナスダック
6,941.282+71.163
米10年債利回り(%)
2.7826 +0.051
米2年債利回り(%)
2.2822 +0.036
NY金(ドル/トロイオンス)
1,337.30-9.60
NY原油(ドル/バレル)
63.58+0.07
円・ドル
106.56 – 106.57 +0.52
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は反発した。6月物は前日比445円高の2万1490円で引け、同日の大取終値を170円上回った。
前日に米中貿易摩擦への警戒感から売られた米株が反発し、日経平均先物にも買いが及んだ。トランプ大統領の批判で下げていたアマゾン・ドット・コム株が反発し、投資家心理を明るくした面もある。
この日の6月物高値は2万1530円、安値は2万1035円。
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
21490 ( +170 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
21525 ( +205 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7030.46(-26.15)
FTSE100種総合株価指数は4営業日ぶりに反落した。前営業日の3月29日の終値に比べ26.15ポイント安の7030.46で引けた。構成銘柄の約7割が下落した。
医薬品株と保険株の下げが株価指数を押し下げた。
個別では、医薬品のグラクソ・スミスクラインとシャイアーが下落した。保険株も売られ、なかでもプルーデンシャルの下げが目立った。時価総額の大きい酒類のディアジオと食品・日用品のユニリーバの下げも指数の下落に影響した。
医療のメディクリニック・インターナショナルは4%超下がった。自動車部品のGKNと、投資信託のスコティッシュ・モーゲージ・インベストメント・トラストの下げも大きかった。
半面、欧州有料テレビ大手のスカイは上昇した。米メディア21世紀フォックスがスカイの完全子会社化に向け、英当局の懸念を払拭するために報道部門「スカイニューズ」をスカイの他部門から切り分け、米ウォルト・ディズニーに売却する検討をしていると明らかにした。
梱包材メーカーのスマーフィット・カッパ・グループと、ソフトウエア開発のマイクロフォーカスの上げも大きかった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12002.45(-94.28)
ドイツ株式指数(DAX)は反落した。終値は前営業日の3月29日と比べて94.28ポイント安の12002.45だった。
個別では、半導体のインフィニオンテクノロジーズと消費財のヘンケル、日用品のバイヤースドルフの下げが大きくなった。
一方で、アナリストが株価目標を引き上げた自動車のBMWは買われた。同業のフォルクスワーゲンも、3月の米国販売台数が増えたことなどを受けて上昇した。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5152.12(-15.18)
