NYダウは380ドル安、2月は11カ月ぶり下落

2月28日のNYダウ工業株30種平均は続落し、前日比380ドル83セント安の2万5029ドル20セントで終えた。
 
昨日の株価下落を受けて、買い戻しが先行した。ダウ平均の上げ幅は160ドルを超える場面があった。前日に300ドル近く下げたため、自律反発を見込んだ買いが先行した。
月末とあって利益確定売りが出やすく、相場は徐々に上げ幅を縮小。ダウ平均が前週末に上回った50日移動平均を再び割り込んだことで上値の重さが意識され、一段の売りを促したという。
また、原油相場の下落に加えて 17年10~12月期の米実質国内総生産(GDP)改定値は前期比年率2.5%増と速報値から小幅に下方修正されたほか、2月シカゴ購買部協会指数も予想を下振れ、午後にかけて上げ幅を縮小し取引終盤にかけて下げ幅を広げ、この日の安値で終えた。
 
建機のキャタピラーや工業製品・事務用品のスリーエム(3M)、ゼネラル・エレクトリック(GE)が下落。原油安でシェブロンやエクソンモービルが下げたのも指数を押し下げた。
 
ダウ平均は月間で1120ドル下げ、2017年3月以来11カ月ぶりに前月比で下落した。
 
ナスダック総合株価指数は続落し、前日比57.346ポイント低い7273.009で終えた。
 
セクター別では小売を除いて全面安となり、特にエネルギーや家庭用品・パーソナル用品の下落が目立った。
 
個別では、バイオ医薬品のセルジーン(CELG)は、多発性硬化症治療薬の新薬承認申請を書類不備などを理由に米食品医薬品局(FDA)が受理せず軟調推移。ホームセンターのロウズは17年11月~18年1月期決算が減収減益となり、1株利益が市場予想に届かなかったのが嫌気されて大幅に下げた。
製薬のバリアント・ファーマシューティカルズ(VRX)は売上高が予想を下振れたほか、通期見通しが冴えず大幅下落した。
 
ディスカウントストアのTJX(TJX)は、増配と新たな自社株買い計画を発表し堅調推移となった。百貨店のメーシーズは前日発表の四半期決算を受けてアナリストらの高評価が相次ぎ、上昇した。旅行予約サイトのブッキング・ホールディングスや手作り品売買サイトのエッツィーも四半期決算を手掛かりに大きく買われた。
クラフト商品市場のエッツィ(ETSY)は、決算内容が好感され大幅上昇した。
 
 
VIX指数は19.85と上昇(前営業日18.59)。ダウ平均が、原油価格の下落や、住宅ローン金利の上昇により住宅市場の失速を示唆する米1月中古住宅販売保留件数指数の落ち込みを受けて大幅に下落したことで、VIX指数は一時20.44まで上昇した。
 
NYダウ工業株30種(ドル)
25,029.20-380.83
S&P500種
2,713.83-30.45
ナスダック
7,273.009-57.346
 
米10年債利回り(%)
2.8642 -0.044
米2年債利回り(%)
2.258 -0.008
 
NY金(ドル/トロイオンス)
1,317.90-0.70   
NY原油(ドル/バレル)
61.55-1.46
円・ドル
106.69 – 106.70   -0.38
 


【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は続落した。3月物は前日比265円安の2万1910円で引け、同日の大取終値を190円下回った。米株安進行を嫌気した。
この日の米株は米長期金利の上昇一服から買い先行で始まったものの、月末の利益確定売りに押された。円相場の反発も売り材料になった。
この日の3月物安値は2万1880円、高値は2万2370円。
 
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
21910 ( -190 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
21920 ( -180 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7231.91(-50.54)
FTSE100種総合株価指数は続落した。前日27日の終値に比べ50.54ポイント安の7231.91で引けた。構成銘柄の約7割が下落した。鉱業株の下げが株価指数を押し下げた。
 
個別では、アントファガスタなど鉱業株が軒並み売られた。フレスニージョは、複数のアナリストが株価目標を引き下げたことなどが響いた。
ITVは通期減益を発表したことが嫌気されて7%超下落した。
保険のアドミラル・グループは通期増益を発表して午前は買われたが、今後の業績が懸念され午後には下落に転じ4%超下がった。住宅建設株も売られ、通期決算を発表したテイラー・ウィンピーは4%安となった。
 
半面、スーパーマーケット株は上がった。テスコの上げが目立った。同社による食品卸のブッカー・グループ買収について、両社の株主がともに承認したことなどが好感された。
保険のセント・ジェームズ・プレイスは、通期営業利益が大幅増となったことから買われた。
 

 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12435.85(-54.88)ドイツ株式指数(DAX)は続落した。終値は前日27日と比べて54.88ポイント安の12435.85だった。米国株の上昇に伴い、午後に一時上げに転じる場面もあった。
個別では、電力のエーオンとドイツ銀行が売られた。四半期減益を発表した医薬・農薬大手のバイエルの下げも目立った。一方で、航空のルフトハンザとITのSAPは買われた。
 

■フランス・パリ株価指数
CAC40 5320.49(-23.44)

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