NYダウは347ドル高、金利低下で、2万5000ドル台を回復

23日のNYダウ工業株30種平均が続伸し、前日比347ドル51セント高の2万5309ドル99セントで終えた。
16日以来1週間ぶりに2万5000ドル台を回復した。
セントルイス連銀総裁が年4回の利上げに懐疑的な見方を示したことを受けて、長期金利の上昇が一服し、買いが先行した。NY連銀総裁が米経済への影響を考える際に米国債利回りのみに注目すべきではないと発言したことも、投資家心理の改善を促し、終日堅調推移となった。
米長期金利の指標である10年物の米国債利回りと変動性指数(VIX)がともに低下し、市場心理が改善した。取引終了にかけて買いの勢いが増し、ダウ平均はこの日の高値圏で終えた。
21日に2.95%とほぼ4年1カ月ぶりの高水準を付けた10年債利回りの低下が続き、23日は2.8%台まで下がった。金利上昇が続けば、株式の投資妙味が薄れるとの警戒感が後退した。
来週は27日と3月1日にパウエル議長が同報告書を基に上下両院での議会証言に臨む。報告書を受けて、議会証言がさほど利上げに積極的な内容にならないとの期待感が浮上した。
ダウ平均は2週続けて上昇し、週間では90ドル高となった。
 
ナスダック総合株価指数は5営業日ぶりに反発し、同127.305ポイント高の7337.391で終えた。アップルやアルファベット(グーグル)、アマゾン・ドット・コムなど主力株が総じて買われた。
 
セクター別では全面高となり、公益事業や半導体・半導体製造装置の上昇が目立った。
 
個別では、法人向けハードウエア・サービス事業のヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)は2-4月期の利益見通しが市場予想を上振れたほか、自社株買いと増配を発表し、大幅上昇した。
食品のゼネラル・ミルズ(GIS)への身売りを発表したペットフードのブルーバッファロー(BUFF)も急伸した。創業者一族が買収や株式非公開化の手続きを進めているとの報道を受けて百貨店のノードストロームにも買いが膨らんだ。運輸・宅配のフェデックス(FDX)は一部アナリストによる投資判断引き上げを受け、買われた
 
一方で、食品のゼネラル・ミルズ(GIS)は、ペットフードのブルーバッファロー(BUFF)を買収したものの、下落した。
 
 
VIX指数は16.49と低下(前営業日18.72)。ダウ平均が引けにかけて25313.91ドルまで続伸し、米主要株式3指数がいずれも堅調に推移したことで、VIX指数は16.47まで低下した。来週のパウエルFRB議長の議会証言に向けて、緩やかな利上げ路線の踏襲といった楽観的なムードが支配的になっている
 
NYダウ工業株30種(ドル)
25,309.99+347.51
S&P500種
2,747.30+43.34
ナスダック
7,337.391+127.305
 
米10年債利回り(%)
2.866 -0.051
米2年債利回り(%)
2.242 -0.012
 
NY金(ドル/トロイオンス)
1,330.30-2.40   
NY原油(ドル/バレル)
63.57+0.80
円・ドル
106.82 – 106.83   -0.64
 


【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は反発した。3月物は前日比315円高の2万2025円で終え、大阪取引所の終値を115円上回った。
米長期金利の低下や株価の予想変動率を示すとされる「VIX指数」の落ち着きを背景に、米株式とともに買われた。市場関係者は来週のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言に注目している。
この日の3月物高値は2万2035円、安値は2万1680円
 
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
22025 ( +115 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
22035 ( +125 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100種総合株価指数は続落した。前日22日の終値に比べ7.98ポイント安の7244.41で引けた。構成銘柄の約6割が下落した。日中を通して安値圏で小動きだった。
 
銀行株が安くなった。ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)は5%近く下落した。通期決算で10年ぶりの黒字となったものの、住宅ローン担保証券を巡る米商務省との問題が懸念された。前日に大幅上昇した反動で、バークレイズも下落した。
鉱業関連株も下がった。ランドゴールド・リソーシズと資源商社のグレンコアの下げが目立った。
航空株も下がり、通期営業利益がほぼ市場予想の範囲内にとどまったインターナショナル・エアラインズ・グループは5%超下落した。
 
半面、通信のBTグループは約5%高。英通信当局が同社の超高速ブロードバンドに対して価格を規制しない方針を決めたことが好感された。たばこのブリティッシュ・アメリカン・タバコは前日に売られたが、この日は買い戻された。

■ドイツ・フランクフルト株価指数
ドイツ株式指数(DAX)は3日ぶりに反発した。終値は前日22日と比べて21.88ポイント高の12483.79だった。日中を通して前日の終値前後で推移した。
個別銘柄では、アナリストが投資判断を引き上げた電力のエーオンの上げが目立った。ドイツテレコムと消費財のヘンケルも買われた。一方で、航空のルフトハンザとタイヤのコンチネンタルは売られた。

■フランス・パリ株価指数
CAC40(仏)5,317.37 +8.14

 

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