NYダウは293ドル高、反発。決算期待高まる

12日のNYダウ工業株30種平均は前日比293ドル60セント高の2万4483ドル05セントと反発で終えた。シリア情勢への懸念が後退し、米企業決算への期待感から買いが優勢となった。
 
米国によるシリアに対する軍事攻撃への警戒感が後退し、買いが先行した。複数の主要企業決算や、週間新規失業保険申請件数が前週から減少したことが好感された。トランプ大統領が環太平洋パートナーシップ協定(TPP)への復帰を検討するよう指示したほか、大手行決算への期待感から金融各社が買われ、終日堅調推移となった。
 
米長期金利が上昇し、利ざや拡大への期待から金融株を中心に幅広い銘柄に買いが優勢となった。米中の貿易摩擦を巡る警戒感も薄れており、航空機のボーイングや化学のダウ・デュポンなど中国事業の比率が高い銘柄が買われたことも相場を押し上げた。
 
13日にJPモルガン・チェースなど複数の金融大手が2018年1~3月期決算を発表する。米主要500社の決算は2ケタの増益率が見込まれている。決算発表の本格化をにらみ、好決算が相場上昇を促す可能性が意識されたことも株式を買う動きにつながった。ダウ平均の上げ幅は一時402ドルに達した。
 
ナスダック総合株価指数は同71.222ポイント高の7140.248で終えた。アマゾン・ドット・コムやアップルなど主力株の一角が買われ、相場をけん引した。
 
セクター別では、半導体・半導体製造装置や銀行が上昇する一方で公益事業や不動産が下落した。
 
個別では、資産運用のブラックロック(BLK)、航空大手のデルタ航空(DAL)、ドラッグストアのライト・エイド(RAD)は、決算内容が予想を上振れ上昇した。
主力部門を切り出して株式公開を検討していると報じられたゼネラル・エレクトリック(GE)も買われた。中国企業が買収を検討していると報じられた小型カメラのゴープロが急伸した。
 
一方、家庭用品小売のベッド・バス&ビヨンド(BBBY)は、通期見通しが予想に届かず、20%に迫る大幅下落となった。外食のマクドナルドや日用品のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)が下げた。
 
VIX指数は18.49と低下(前営業日20.24)。米国によるシリア攻撃が避けられるのではないかという期待感が米株オープン前から流れていたことで、VIX指数は20を割り込んで始まった。
その後も米株式市場は堅調に推移し、VIX指数は先月22日以来の18.16まで一時低下した。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
24,483.05+293.60
S&P500種
2,663.99+21.80
ナスダック
7,140.248+71.222
 
米10年債利回り(%)
2.8431 +0.053
米2年債利回り(%)
2.3562 +0.045
 
NY金(ドル/トロイオンス)
1,341.90-18.10
NY原油(ドル/バレル)
67.15+0.08
円・ドル
107.30 – 107.31+0.40
 


【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は反発した。6月物は前日比165円高の2万1810円で引け、同日の大取終値を150円上回った。
米国によるシリア軍事攻撃の懸念が後退。米ダウ工業株30種平均が反発し、日本株にも買いが広がった。6月物の最高値は2万1845円、安値は2万1585円。
 
シカゴ日経225先物 (円建て)
21810 ( +150 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
21840 ( +180 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7258.34(+1.20)
FTSE100種総合株価指数は小幅反発。前日11日の終値に比べ1.20ポイント高の7258.34で引けた。構成銘柄の6割が上昇した。
小幅続落して始まった後、トランプ米大統領のツイッター投稿をきっかけに上昇した。
トランプ氏はシリア情勢について「いつ攻撃するか言ったことは一度もない」などと述べた。ただ、引けにかけてふたたび下落する場面もあり、神経質な値動きだった。
 
個別銘柄では、マイクロフォーカスは7%超高で引けた。一時は19%近く上げた。米ファンドのエリオット・マネジメントが同社の株式を取得したもようとの一部通信社の報道が買い手掛かりになった。
格安航空会社(LCC)大手のイージージェットも高くなった。英インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)が、ノルウェーのLCCであるノルウェー・エアシャトルの株式を取得したとの発表を受けて、業界再編の思惑から買われた。
医薬品のシャイアーは、武田薬品工業が同社への買収に向けて大手銀行に融資を打診したと伝わり上昇した。
 
半面、メディアのITVが大幅下落、日用品のレキット・ベンキーザー、梱包材メーカーのスマーフィット・カッパ・グループ、害虫駆除のレントキル・イニシャルが軒並み安くなった。ブックメーカー(賭け屋)のパディパワー・ベットフェアも下落。いずれも配当の権利落ちとなったことで売られた。
鉱業株は軒並み下落した。なかでも金価格の下げ幅が大きくなったことで関連のランドゴールド・リソーシズとフレスニージョの下げが目立った。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12415.01(+121.04)
ドイツ株式指数(DAX)は反発。終値は前日11日と比べて121.04ポイント高の12415.01だった。
小幅続落して始まった後、シリア情勢を巡る懸念がやや後退したことが買い安心感につながり、幅広い銘柄が上昇した。構成銘柄の9割近くが上げた。
業界再編の思惑などから航空のルフトハンザが高くなった。電力のRWEや半導体のインフィニオンテクノロジーズ、医療機器のフレゼニウスの上げも目立った。
一方でドイツ取引所が安かった。ハイデルベルクセメントも下げた。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5309.22(+31.28)

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