NYダウは28ドル安、CPIを警戒

12日のNYダウ工業株30種平均は小反落し、前日比28ドル34セント(0.1%)安の2万9210ドル85セントで終えた。

 
この日のダウ平均は、このところ売り込まれてきた反動から、上昇して取引が始まった。ただ、9月の卸売物価指数(PPI)が前月比0.4%上昇と市場予想を上回り、「FRBが積極的に利上げを進めることを後押しする」(米銀エコノミスト)内容だったことから、利上げへの警戒感が強く、上値が重い展開。一時、マイナス圏での取引になるなど、不安定な値動きとなった。
 
また、13日発表の9月の米消費者物価指数(CPI)を控えて様子見姿勢が強いなか、インフレの高止まりへの警戒感から売りがやや優勢となった。
 
米連邦準備理事会(FRB)が午後に公表した9月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、参加者がインフレが「依然として受け入れがたいほど高い」との認識を共有していたことが明らかになった。当面の利上げ継続を示唆するほぼ想定通りの内容と受け止められた。
 
米債券市場で長期金利が朝方に一時3.97%と前日終値(3.95%)から上昇した後、低下に転じた。株式の相対的な割高感が薄れるとして、高PER(株価収益率)の銘柄の一角を買い直す動きもあった。ダウ平均の上げ幅が200ドルを超える場面もあったが、買いは続かなかった。
 
個別では、ディスカウントストアのウォルマートやホームセンターのホーム・デポなど消費関連株の一角が下落した。一方、銀行のJPモルガン・チェースと飲料のコカ・コーラが上昇。前日に大きく上げたバイオ製薬のアムジェンへの買いも続いた。
 
ナスダック総合株価指数は小幅に6日続落し、前日比9.093ポイント(0.1%)安の1万0417.099となった。3日続けて年初来安値を更新した。交流サイトのメタプラットフォームズが下落し、マイクロン・テクノロジーなど半導体関連も総じて軟調だった。
 
 


【シカゴ日本株先物概況】

12日のシカゴ日経平均先物は小幅に上昇した。12月物は前日比10円高の2万6360円で引けた。円安の進行が株価の支えとなった。
米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げペース加速への警戒感から、反落した。
9月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控えて様子見ムードも強く、上値は重かった。

シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
26360 ( -30 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
26355 ( -35 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6826.15(-59.08)

12日のFTSE100種総合株価指数は6日続落した。2021年4月以来、1年半ぶりの安値となった。前日に比べ59.08ポイント(0.86%)安の6826.15で引けた。英イングランド銀行(中央銀行)が12日、緊急国債購入策を予定通り14日に終了する考えを改めて示した。英金融市場の不安定化が警戒され、銀行や保険など金融セクターに売りが出た。
FTSEでは、小売り大手JDスポーツファッションが10.3%安と急落。ロイズ・バンキング・グループ(5.8%安)など金融関連株も売り込まれた。

■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12172.26(-47.99)

12日のフランクフルト株式市場でドイツ株価指数(DAX)は6日続落した。前日に比べ47.99ポイント(0.39%)安の1万2172.26で終えた。高インフレと欧州中央銀行(ECB)の積極的な金融引き締め継続がドイツ景気を一段と悪化させるとの懸念は根強く、幅広いセクターに売りが出た。
DAXでは、不動産大手ボノビアが5.5%安、医療機器のシーメンス・ヘルシニアーズが4.8%安と売られた。

■フランス・パリ株価指数
CAC40 5818.47(-14.73)

フランスCAC40種指数は0.25%安だった。
世界経済の減速懸念から売りが先行した。

 

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