26日のNYダウ工業株30種平均は続伸し、前日比238ドル51セント高の2万4322ドル34セントで終えた。
情報漏洩問題による利用者離れが懸念されたSNSのフェイスブック(FB)が好決算を発表し、ハイテク株を中心に買いが先行した。その他複数の主要企業決算も好感されたほか、長期金利の上昇が一服したことで投資家心理も改善し終日堅調となった
フェイスブックが前日引け後に発表した2018年1~3月期決算は、純利益が62.8%増の49億8800万ドル(約5450億円)と過去最高を更新。懸念されていた利用者の個人情報流出問題の影響が限定的だったことから、この日は買い戻しが膨らみ、9.1%高で取引を終えた。
アマゾン・ドット・コムや動画配信のネットフリックス、アルファベット(グーグル)の「FANG」は軒並み上昇した。
また、アドバンスト・マイクロ・デバイシズ(AMD)やクアルコムなどの1~3月期決算が市場予想を上回る良好な内容だったことを受け、スマートフォン需要の低迷観測を背景に売り込まれていた半導体株にも買い戻しが入った
25日夕に決算と併せて2018年9月期の業績見通しを引き上げたクレジットカードのビザが5%近く上昇。1銘柄でダウ平均を40ドルあまり押し上げた。26日の取引終了後に決算を発表するマイクロソフトや半導体のインテルも買われた。
米長期金利が前日比で低下し、心理的な節目の3%を3日ぶりに下回った。金利上昇への警戒感が和らぎ、株式の割高感が強まるとの見方が後退。安定した配当が見込める不動産や公益事業株にも買いが優勢になった。
ナスダック総合株価指数は6営業日ぶりに反発し、前日比114.939ポイント高の7118.677で終えた。フェイスブックをはじめ、主力株が総じて堅調だった。半導体やバイオ製薬などにも買いが優勢で、指数を押し上げた。
セクター別では、小売やソフトウェア・サービスが上昇する一方で電気通信サービスやメディアが下落した。
個別では、前日夕に市場予想を上回る四半期決算と業績見通しを発表した半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が急伸。26日に発表した決算が市場予想を上回る増収増益だった飲料のペプシコや売上高と1株利益が市場予想を上回った物流のUPSも買われた。ファストフードのチポトレ・メキシカン・グリル(CMG)も好決算を発表し、複数アナリストによる投資判断引き上げを受け大幅上昇した。
一方、オークションサイトのイーベイ(EBAY)は、4-6月期の利益見通しが予想を下振れ下落した。前日夕に発表した決算が市場予想を下回った通信のAT&Tが大幅安だった。26日に減益決算を発表し業績見通しも引き下げた空運のアメリカン航空も安かった。
VIX指数は16.24と前日から連日低下した(前営業日17.84)。
米債利回りの上昇が一服したことや、米企業の好決算を背景に米株が堅調な動きとなり、VIX指数は低下した。米3月耐久財受注は前月比で予想比上振れの+2.6%となり、新規失業保険申請件数は20.9万件と強い結果となった。
NYダウ工業株30種(ドル)
24,322.34+238.51
S&P500種
2,666.94+27.54
ナスダック
7,118.677+114.939
米10年債利回り(%)
2.9847 -0.039
米2年債利回り(%)
2.4878 ±0.00
NY金(ドル/トロイオンス)
1,317.90-4.90
NY原油(ドル/バレル)
68.19±0.00
円・ドル
109.30 – 109.31 -0.02
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は続伸した。
6月物は前日比150円高の2万2435円で終え、尾坂取引所の終値を115円上回った。フェイスブックの決算が市場予想を上回ったことなどを手がかりに投資家心理が上向き、米株式とともに買われた。
6月物は一時2万2445円まで上げた。この日の6月物の安値は2万2265円。
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
22435 ( +115 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
22450 ( +130 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7421.43(+42.11)
FTSE100種総合株価指数は反発。前日25日の終値に比べ42.11ポイント高の7421.43で引けた。構成銘柄の約7割が上昇した。
引けにかけて上げ幅を広げ、この日の高値水準で引けた。ディフェンシブ銘柄が買われた。なかでも時価総額の大きいたばこ株と医薬品株が上昇し、指数を押し上げた。
個別では、エブラズは6%超高となり、指数の上げを主導した。メルローズ・インダストリーズも4%超高で引けた。
景気動向に左右されにくいとされるディフェンシブ銘柄のたばこ株、薬品株がともに全面高で引けた。武田薬品工業が買収をめざすシャイアーは、好決算を発表したことも買い材料視された。ユナイテッド・ユーティリティーズや水道のセバーン・トレントなど公益事業株も高く引けた。
半面、保険のリーガル・アンド・ゼネラル(L&G)、金鉱のフレスニージョ、資源商社のグレンコアが安くなった。いずれも配当の権利落ちが売り手がかりになった。
銀行株は全面安で引けた。バークレイズは日中に一時買われる場面もあったが、結局売られた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12500.47(+78.17)
ドイツ株式指数(DAX)は3日ぶりに反発。終値は前日25日と比べて78.17ポイント高の12500.47だった。
個別では、アナリストが目標株価を引き上げた工業用ガスのリンデが高かった。フォルクスワーゲン(VW)も高くなった。2018年1~3月期の決算で売上高が4%増となったことが好感された。多目的スポーツ車(SUV)の販売が好調だったという。
一方で航空のルフトハンザが大幅下落した。格安路線の拡大経費が膨らみ、四半期利益の伸び率が予想より鈍化した。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5453.58(+40.28)
