4日のNYダウ工業株30種平均は前週末比178ドル48セント高の2万4813ドル69セントと続伸で終えた。
前週末に発表された米雇用統計が良好な内容だったことを受けて追随買いが入り、続伸している。
アジアや欧州の主要な株価指数が上昇した流れを引き継いで、幅広い銘柄に買いが優勢になった。IT関連銘柄を中心に、個別に買い材料が出た銘柄が買われたのも指数押し上げに寄与した。
トランプ政権による鉄鋼及びアルミニウムの輸入関税を巡る貿易戦争への懸念が一服したほか、ハイテク株が選好され、終日堅調推移となった。
ナスダック総合株価指数は52.128ポイント高の7606.460と3月12日以来、ほぼ3カ月ぶりに過去最高値を更新した。アマゾン・ドット・コムや動画配信のネットフリックス、画像用半導体(GPU)のエヌビディアが上場来高値を更新した。
プログラマーがソフトウエアのコードを公開・共有するサイト「ギットハブ」の買収を発表したマイクロソフトが連日で上場来高値を更新。世界開発者会議でAR(拡張現実)のアプリ開発機能改良を発表したアップルも上場来高値を付けた。
投資家が運用リスクを取る姿勢を強め、安全資産とされる米国債の利回りが上昇。利ざや悪化への警戒感が和らぎ、ゴールドマン・サックスなど金融株の一角が買われた。
セクター別では、食品・生活必需品小売や小売が上昇する一方でエネルギーや運輸が下落した。
個別では、業績不振に陥っていたブラジル事業子会社を米投資会社に売却すると発表したウォルマートが上昇。臨床試験でがん免疫治療薬「キイトルーダ」の有効性を示す検証結果が相次いだ製薬大手のメルクも買われた。百貨店のメーシーズ(M)、小売のコールズ(KSS)、スポーツ用品小売のディックス・スポーティング・グッズ(DKS)は、一部アナリストによる投資判断引き上げを受け上昇。写真共有アプリを手掛けるスナップチャット(SNAP)は、株式売却による資金調達の検討が報じられ堅調推移した。
一方、キイトルーダと競合するがん免疫治療薬「オプジーボ」を小野薬品工業と共同開発するブリストル・マイヤーズスクイブは大幅に下落。SNSのフェイスブック(FB)は、同社のユーザー情報をアップルやアマゾン、サムスン電子などの端末メーカーと共有していたとの報道を受け売られた。
VIX指数は12.74と低下(前営業日13.46)。
伊連立政権やスペイン新政権発足により、市場の最大の懸念だった欧州政局をめぐるリスク回避はいったん後退した。
また、12日の米朝首脳会談の開催が確実視されていることも、地政学リスクを後退させてリスク選好地合いとなった。
NYダウ工業株30種(ドル)
24,813.69+178.48
S&P500種
2,746.87+12.25
ナスダック
7,606.460+52.128
米10年債利回り(%)
2.9442 +0.049
米2年債利回り(%)
2.5202 +0.052
NY金(ドル/トロイオンス)
1,297.30-2.00
NY原油(ドル/バレル)
64.96+0.21
円・ドル
109.82 – 109.83 +0.25
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は続伸した。6月物は前週末比190円高の2万2555円で引け、同日の大取終値を45円上回った。
南欧の政局混乱への懸念の薄れや、先週発表の5月の米雇用統計の好調さを受け、リスク投資意欲が高まった。
この日の6月物高値は2万2570円、安値は2万2290円。
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
22555 ( +45 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
22560 ( +50 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7741.29(+39.52)
DAX 12770.75(+46.48)
FTSE100種総合株価指数は続伸。前週末1日の終値に比べ39.52ポイント高の7741.29で引けた。構成銘柄の9割近くが上昇した。
南欧の政情混乱への懸念が後退し、スペインをはじめユーロ圏諸国の株式相場が上昇した流れが英株にも波及した。
個別銘柄では、アナリストが目標株価を引き上げた航空のイージージェットの上げが目立った。同業のインターナショナル・エアラインズ・グループも連れ高した。買収観測を背景に包装資材大手のDSスミスが上昇した。
一方で、スマーフィット・カッパ・グループは7%超安と、大幅下落した。
住宅建設のパーシモンとテイラー・ウィンピーも下落して引けた。医薬品のシャイアーは下げ幅を広げて引けた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
ドイツ株式指数(DAX)は続伸。終値は前週末1日と比べて46.48ポイント高の12770.75だった。構成銘柄の約9割が上昇した。
個別では、航空のルフトハンザが高くなった。今夏も予約数が好調との見方を示したことが好感された。もっとも原油高などで通期の減益見通しは据え置いた。電力のRWEとドイツ取引所の上げも目立った。
一方で医薬・化学大手のメルクと医薬・農薬大手のバイエル、鉄鋼のティッセン・クルップの3銘柄が下落した。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5472.91(+7.38)
