9日のNYダウ工業株30種平均は続落し、前日比74ドル52セント安の2万5509ドル23セントで終えた。
米中貿易摩擦への懸念から寄付き後はもみ合う展開となった。石油株と金融株が下げ、相場の重荷となった。米主要企業の4~6月期決算の発表がほぼ終わり材料難のなか、前日終値を挟んで小幅の値動きとなる時間が長かった。
ダウ平均の構成銘柄ではシェブロンやエクソンモービルなどの石油株の下げが目立った。原油相場の下落が逆風となった。また、9日は早朝発表の7月の米卸売物価指数が前月比横ばいと市場予想(ライター通信調べ)の0.2%上昇を下回ったことから、長期金利低下で利ざやが縮小するとの見方が強まり、ゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースなど金融株も安い。最近上昇が目立っていたファイザーやメルクなど製薬株も利益確定売りに押された。
ナスダック総合株価指数は小幅に8日続伸し、前日比3.456ポイント高の7891.782で終えた。8日続伸は2017年9~10月の9日続伸以来ほぼ10カ月ぶりの連続上昇記録。アップルやアマゾン・ドット・コム、マイクロソフトなど主力株が上昇した
セクター別では、電気通信サービスやメディアが上昇する一方で食品・生活必需品小売や家庭用品・パーソナル用品が下落した。
個別では、ドラッグストアのライト・エイド(RAD)は、スーパーマーケットのアルバートソンズとの統合計画を撤回し大幅下落。電気自動車のテスラ(TSLA)は、同社の株式非公開化を巡る実現性に投資家の懐疑的な見方が強まり軟調推移した。
一方で、口コミサイトのイェルプ(YELP)やストリーミング端末のロク(ROKU)は、決算内容が好感され大幅上昇となった。
NYダウ工業株30種(ドル)
25,509.23-74.52
S&P500種
2,853.58-4.12
ナスダック
7,891.782+3.456
米10年債利回り(%)
2.9294 -0.042
米2年債利回り(%)
2.6493 -0.025
NY金(ドル/トロイオンス
1,219.90-1.10
NY原油(ドル/バレル)
66.71-0.10
円・ドル
111.09 – 111.10+0.05
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は小幅安。9月物は前日比10円安の2万2560円で引け、同日の大取終値を40円下回った。
引けにかけてダウ工業株30種平均が下げ、上値を抑えた。ワシントンで9日に始まった日米貿易協議の結果を見極めたいとの向きが多く、取引は低調になった。
この日の9月物安値は2万2480円、高値は2万2620円。
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
22560 ( -40 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
22575 ( -25 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7741.77(-34.88)
FTSE100種総合株価指数は、米国による対ロシア制裁などを背景に投資家のリスク意欲が後退し、株価は5営業日ぶりに下落した。
前日8日の終値に比べ34.88ポイント安の7741.77で引けた。上昇と下落の銘柄数はほぼ拮抗。この日は英通貨ポンドの対ドル相場が約1年ぶり安値を付けたが、FT指数も下落した。
個別では、石油のBPは2.1%安とロイヤル・ダッチ・シェル、酒類のディアジオ、通信のBTグループは4.6%安とそれぞれ配当権利落ちで売られ、株価指数を押し下げた。旅行のTUIは一時9%超下がる場面もあったが、午後には下げ幅が縮小し4%超の下落となった。欧州を襲っている記録的な猛暑を受けて需要が抑えられ、第3四半期の決算が低調だったことが嫌気された。保険のダイレクトライン・インシュアランス・グループは2.6%安と医薬品のグラクソ・スミスクラインもそれぞれ配当権利落ちで下落した。
半面、インターコンチネンタル・ホテルズ・グループは1.9%高と鉱業のフレスニージョ、金融サービスのハーグリーブス・ランズダウンは2.3%高と買われた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12676.11(+42.57)
ドイツ株式指数(DAX)は反発した。終値は前日8日と比べて42.57ポイント高の12676.11だった。
個別では、第2四半期の決算を発表したアディダスが9%超上がった。売上高と純利益ともに市場予想を上回ったことなどが好感された。複数のアナリストが投資評価を引き上げたドイツポストの上げも目立った。工業用ガスのリンデも買われた。
一方で、医療機器のフレゼニウスと鉄鋼のティッセン・クルップは売られた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5502.25(+0.35)
