NYダウは続伸し95ドル高、3カ月ぶり高値

7日のNYダウ工業株30種平均は続伸し、前日比95ドル02セント高の2万5241ドル41セントとほぼ3カ月ぶりの高値で終えた。
 
トランプ政権が中国の通信機器企業への制裁解除で合意し、米中の通商問題を巡る緊張緩和が好感され買いが先行。しかし、週末のG7首脳会議や来週の米朝首脳会談、FOMC結果を見極めたいとの思惑から、上昇が続いていたハイテク株を中心に利益確定の動きが広がり、小動きとなった。
 
リストラ計画が伝わったマクドナルドが大きく上げ、相場をけん引した。
マクドナルドは前日比4.4%上げ、1銘柄でダウ平均を48ドル押し上げた。経営陣が大規模な人員削減の方針を従業員に伝えたと米メディアが報じ、収益改善を期待した買いが入った。
 
7日の原油先物相場は、米国産標準油種WTIの清算値が前日比1.22ドル高の1バレル=65.95ドルに上伸。ベネズエラからの原油輸出の停滞懸念などを受けた需給引き締まり観測が相場を押し上げた。これを受け、米株式市場では、エクソンモービルやシェブロンなどに買いが集まった。
 
米中の貿易摩擦への警戒感がやや後退したことも買い安心感につながった。米商務省が7日、中国の通信機器大手、中興通訊(ZTE)に対する制裁の見直しで同社と合意したと発表。午前中にはダウ平均は一時180ドル近く上昇した。
 
ただ来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)などを控えて様子見ムードも広がりやすく、ダウ平均は伸び悩んで終えた。午後には18ドル高まで伸び悩む場面もあった。景気悪化が警戒されるブラジルの関連上場投資信託(ETF)が大きく下げ、新興国の景気不安が意識された。週末の主要国首脳会議や来週のFOMCなど重要日程を控える。先行き不透明感から債券が買われ、米長期金利が低下。これを受けて銀行株が午後に伸び悩み、相場全体の重荷になった。
 
ナスダック総合株価指数は5営業日ぶりに反落し、前日比54.173ポイント低い7635.070で終えた。前日まで3日続けて過去最高値を更新したため、利益確定を目的とした売りが主力株に出た。フェイスブックやマイクロソフト、インテルのほか、半導体のアプライドマテリアルズなどが大きく売られた。
 
セクター別では、家庭用品・パーソナル用品やエネルギーが上昇する一方でソフトウェア・サービスや半導体・半導体製造装置が下落した。
 
個別では、前日夕の決算発表をきっかけに、5ドルショップのファイブ・ビローやクラウドセキュリティーのゼットスケーラーが急伸。会員制卸売のコストコ・ホールセールは5月の既存店売上高が2ケタ増えたと発表し、好感した買いが優勢だった。
製薬のアラガン(AGN)は、著名投資家カール・アイカーン氏が再び同社株式を取得したことが明らかとなり上昇した。
 
一方で、7日からS&P500種株価指数の構成銘柄に採用された短文投稿サイトのツイッター(TWTR)は下げた。10億ドル規模の新株予約権付社債を発行すると6日に発表し、1株価値の希薄化が意識された。
半導体メーカーのラムリサーチ(LRCX)は、一部アナリストが足元の出荷リスクを指摘し下落。SNSのフェイスブック(FB)は、プライバシー設定のバグによって1400万のユーザーの非公開投稿が公開されていた不具合が明らかとなり下落。朝方に市場予想を下回る四半期決算と業績見通しを発表した食品のJMスマッカーが下落した。
 
VIX指数は12.13と上昇(前営業日11.64)。
G7サミットを控えて米国と各国の貿易摩擦に対する警戒感が高まったこと、米金利の上昇を受けた新興国市場からの資本流出懸念が高まったことで、ナスダック総合指数とS&P500は前日比マイナスで引けた。
ダウ平均は一時25326.09ドルまで上昇したものの伸び悩んだ。VIX指数は一時13.28まで上昇した。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
25,241.41+95.02
S&P500種
2,770.37-1.98
ナスダック
7,635.070-54.173
 
米10年債利回り(%)
2.9259 -0.049
米2年債利回り(%)
2.4917 -0.028
 
NY金(ドル/トロイオンス)
1,303.00+1.60   
NY原油(ドル/バレル)
65.96+0.01
円・ドル
109.65 – 109.66-0.24

 


【シカゴ日本株先物概況】

 
シカゴ日経平均先物は小反落した。
9月物は2万2665円で引けた。同日の大取終値を145円下回った。ハイテク株への売りでナスダック総合株価指数が反落したうえ、為替が円高に振れたことも日本株の重荷となった。
 
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
22665 ( -145 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
22700 ( -110 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7704.40(-7.97)
FTSE100種総合株価指数は小反落した。前日6日の終値に比べ7.97ポイント安の7704.40で引けた。
週末の先進7カ国(G7)首脳会議(サミット)や来週の日米欧の金融政策を控え、様子見気分から方向感を欠いた。構成銘柄の6割近くが下落した。
売り買いが交錯した後、結局下落して引けた。大型株の石油株が上昇する一方で鉱業株が下落し、指数は上下に振れた。
 
個別では、配当の権利落ちとなった携帯電話サービスのボーダフォン・グループとスーパーマーケットのセインズベリーが安かったほか、医療のメディクリニック・インターナショナルの下げも目立った。
 
一方で、「原油相場の急伸を受けて石油株は上げ幅を広げた。ユナイテッド・ユーティリティーズを筆頭に公益事業株が買われた。住宅建設株への買いも続いている。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12811.05(-19.02)
ドイツ株式指数(DAX)は5営業日ぶりに反落した。終値は前日6日と比べて19.02ポイント安の12811.05だった。
上昇基調が続いていたこともあり、午後にかけて利益確定目的の売りが先行した。
 
個別では、アディダスをはじめ不動産のボノビア、ドイツ取引所など、前日上昇した銘柄の下げが目立った。電力のRWEは続落した。
一方で欧州の長期金利上昇を背景に利ざやの改善期待から銀行株が高かった。医療機器のフレゼニウスも上げた。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5448.36(-9.20)
フランスの株価指数CAC40とイタリアのFTSE・MIBが小幅下落した。

 

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