26日のNYダウ工業株30種平均は小反発し、前日比30ドル31セント高の2万4283ドル11セントで終えた。
世界的な貿易摩擦激化への懸念がくすぶる中、もみ合いで推移。調査会社コンファレンス・ボードが午前に発表した6月の米消費者景気信頼感指数が市場予想を下回ったことも、投資家心理の重しとなった。
その後は前日の下げがきつかったハイテク株をはじめ、幅広い銘柄に押し目買いが入り、ダウは徐々に上げ幅を拡大した。原油先物価格が、需給逼迫懸念を背景に大幅高となったことも支援材料となった。
ただ、米国を中心とした貿易摩擦の影響が企業活動に広がる中、先行きが不透明なことへの警戒感は根強く、上値は抑えられた。
前日はハイテク株への利益確定売りが目立ったが、26日はアップルが1.2%高となるなど軒並み反発した。マイクロソフトやシスコシステムズも高い。国際商品市場ではWTI原油が1カ月ぶりに1バレル70ドルを回復した。これを受けシェブロンなど石油株が買われたことも相場を押し上げた。
ナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに反発し、前日比29.621ポイント高の7561.627で終えた。アマゾン・ドット・コムやネットフリックス、フェイスブックなど主力株が上昇。マイクロン・テクノロジーなど半導体関連の戻りも目立った。
セクター別では、エネルギーや小売が上昇する一方で食品・生活必需品小売や食品・飲料・タバコが下落した。
個別では、ヘルスケア事業の分離・独立を発表した複合企業のゼネラル・エレクトリック(GE)が急伸。今後2~3年で分離するとした傘下の石油開発サービス会社ベーカー・ヒューズ(BHI)も上げた。
住宅建設会社のレナー(LEN)は、決算内容が好感され、堅調推移した。
食品のピナクル・フーズは同業のコナグラ・ブランズによる買収が近いと伝わり、好感した買いで上げた。顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムも高い。
一方、オートバイメーカーのハーレー・ダビッドソン(HOG)は、欧州連合(EU)の報復関税を受けて生産拠点を欧州に移転する方針を示したものの、トランプ大統領が輸入バイクへの関税賦課を示唆するなど不快感を示し売られた。
インテルはアナリストによる投資判断の引き下げが伝わり下落。レンタカーのエイビス・バジェット・グループもアナリストが弱気の見方を示したと伝わり、売られた。
VIX指数は15.92と前日から低下した(前営業日17.33)。
米株は昨日暴落の反動で買い戻しが入り、VIX指数は低下した。ただ、貿易摩擦の激化懸念は強く、米株の反発は限られた。米通商問題をめぐる金融市場の神経質な動きは簡単に収まらないだろう。
NYダウ工業株30種(ドル)
24,283.11+30.31
S&P500種
2,723.06+5.99
ナスダック
7,561.627+29.621
米10年債利回り(%)
2.8803 +0.005
米2年債利回り(%)
2.5329 +0.004
NY金(ドル/トロイオンス)
1,259.90-9.00
NY原油(ドル/バレル)
70.68+2.60
円・ドル
110.04 – 110.05+0.41
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は反発した。9月物は前日比150円高の2万2305円で引け、同日の大取終値を15円下回った。
前日に売られた反動から、米株とともに上げた。前日の市場では、トランプ米政権が中国の対米投資制限を検討するとの報道が売りを誘った。この日は貿易摩擦に絡む新たな材料が乏しく、先行きを見極めたい向きが多かった。
この日の9月物高値は2万2370円、安値は2万2055円。
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
22305 ( -15 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
22335 ( +15 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7537.92(+28.08)
FTSE100種総合株価指数は、米中の貿易摩擦を背景とした投資家のリスク回避姿勢がやや和らぎ、株価は小反発した。小安い英通貨ポンド相場も株式市場の支援材料となった。
前日25日の終値に比べ28.08ポイント高の7537.92で引けた。
構成銘柄の7割近くが上昇した。
資源株に買いが集まり、指数をけん引した。時価総額の大きい医薬品株が上昇したことも奏功した。
個別銘柄では、旅行大手カーニバルが3.1%高、四半期決算が悪くなかったことが買い安心感につながり、高くなった。英・豪系資源大手BHPビリトンは2.5%高、衣類小売ネクストは2.4%高だった。
半面、業績不振が懸念されたセインズベリーを筆頭にスーパーマーケット株が下落した。ソフトウエア開発のマイクロフォーカスは続落。銀行株の一角が売りに転じた。たばこ株と航空株は売りが先行した。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12234.34(-35.99
ドイツ株式指数(DAX)は続落した。終値は前日25日と比べて35.99ポイント安の12234.34だった。午前は買いが先行していたが、引けにかけて下落に転じた。
個別では、鉄鋼のティッセン・クルップと航空のルフトハンザが安かった。自動車株は売りが続いている。
一方で日用品のバイヤースドルフの上げが目立った。電力株も高くなった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5281.29(-2.57)
