23日のNYダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに小反落した。前日比3ドル79セント安の2万6210ドル81セントで終えた。S&P500とナスダック総合指数は最高値を更新した。
連邦政府機関の閉鎖が回避され先行き不透明感が後退し、ダウを除いて買いが先行した。一方で、主要企業決算の発表に乏しいなか、本日より開幕したダボス会議の動向や主要企業決算を見極めたいとの思惑も広がり、上値の重い展開となった
米企業の2017年10~12月期決算を材料にした売買が中心だった。23日発表した決算で最終赤字となったジョンソン・エンド・ジョンソンや大幅減益だったP&Gが売られ、ダウ平均の重荷になった。2銘柄でダウ平均を60ドル強押し下げた。
米長期金利がやや低下したため、ゴールドマン・サックスなど金融株の一角に売りが膨らむ場面もあった。年初から相場上昇が続いた建機のキャタピラーや航空機大手ボーイングなどは目先の利益確定売りに押された。
ただ、下げの勢いは限られた。米決算は全体では良好との評価が多く、業績期待の買いが続いた。前日夕に市場予想を上回る増収増益を発表した動画配信のネットフリックスが大幅に上昇し、アマゾン・ドット・コムなどネット関連株にも買いが波及した。決算で1株利益が市場予想を上回ったトラベラーズが上昇し、ダウ平均を支えた。
ナスダック総合株価指数は3日続伸し、前日52.257ポイント高の7460.289と3営業日続けて過去最高値を更新した。アマゾン、フェイスブック、アルファベット(グーグル)など時価総額の大きい主力株が買われ、指数を押し上げた。
S&P500種株価指数も3日続伸し、3営業日続けて過去最高値を付けた。
セクター別では、小売や不動産が上昇する一方で家庭用品・パーソナル用品や電気通信サービスが下落した。
個別では、最高執行責任者(COO)の辞任を発表した短文投稿サイトのツイッターが下落した。医薬品のジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)は税制改革に伴う一時的な費用計上を受けて赤字決算となり、下落。家庭用品のプロクター&ギャンブル(PG)は決算で売上が前年から下落し、軟調推移となった。
一方、決算とあわせて人員削減などコスト削減計画を発表した日用品のキンバリー・クラークが上げた。動画ストリーミングのネットフリックス(NFLX)は契約者数が急増するなど好決算を発表して大幅上昇となり、時価総額が1000億ドルを突破した。
VIX指数は11.10と上昇(前営業日11.03)。安寄りしたダウ平均がプラス圏へ一時浮上するなど、米株は底堅さを維持した。米株の動向をにらみ、VIX指数は一時10.84と先週16日以来、1週間ぶりの水準へ低下。しかしダウ平均やS&Pの戻りは鈍く、VIX指数は引け間際に前日比プラス圏へ浮上した。
NYダウ工業株30種(ドル)
26,210.81-3.79
S&P500種
2,839.13+6.16
ナスダック
7,460.289+52.257
米10年債利回り(%)
2.6168 -0.046
米2年債利回り(%)
2.0445 -0.028
NY金(ドル/トロイオンス)
1,336.70+4.80
NY原油(ドル/バレル)
64.47+0.90
円・ドル
110.26 – 110.27 -0.71
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は小幅続伸した。3月物は前日比65円高の2万4010円で引け、前夜の大取終値を110円下回った。日銀が金融緩和の維持を決め、日本株買いを誘った。
会合後の黒田日銀総裁の発言を受け、市場の一部で広がっていた金融緩和の縮小観測が後退した。円高進行は重荷だった。
この日の3月物高値は2万4180円、安値は2万3900円。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
24010 ( -110 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
24035 ( -85 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7731.83(+16.39)
FTSE100種総合株価指数は反発。前日終値に比べ16.39ポイント高の7731.83で引けた。構成銘柄の6割が上昇した。医療関連株に買いが集まったほか、好材料が出た銘柄の上昇が目立った。一方で主力の鉱業株に売りが膨らみ、上値を抑えた。
個別では、四半期増収を発表した航空のイージージェットが大幅上昇。指数の上げをけん引した。昨年のモナーク航空の破綻や、ライアンエアーのパイロット不足による大規模運休など競合企業のマイナス材料が収益増加に影響したという。
前日に医療関連会社2社の買収を発表した総合ヘルスケアのNMCヘルスはこの日も高く引けた。医薬品株は全面高だった。
半面、銅価格の下落などを背景に鉱業株が売られ、全面安。なかでもフレスニージョやアングロ・アメリカンが安かった。アナリストが投資判断を引き下げた広告のWPPグループも下落した。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13559.60(+95.91)
ドイツ株式指数(DAX)は4日続伸。終値は前日比95.91ポイント高の13559.60と、2017年11月に付けた過去最高値を更新した。
世界的に株高傾向となる中、朝方発表になった1月のドイツ景気予測指数が改善したことも買い安心感につながった。
医薬・農薬大手のバイエル、医療機器のフレゼニウスが上昇。一方で自動車のBMWとフォルクスワーゲンが下げた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5535.26(-6.73)
フランスの株価指数CAC40は利益確定の売りで小幅下落した。
