NYダウが179ドル高で最高値、利下げ期待が強まる

3日のNYダウ工業株30種平均は4日続伸した。この日の高値となる前日比179ドル32セント高の2万6966ドル00セントと2018年10月3日に付けた過去最高値を9カ月ぶりに更新した。
 
3日は独立記念日の祝日の前日で株式市場は午後1時までの短縮取引だった。休暇を取る市場関係者が多く薄商いで、値動きが大きくなりやすかったとの指摘があった。
市場予想を下回る民間の雇用指標を受けて米利下げ観測が高まり、幅広い銘柄に買いが優勢になった。主な株価指数は取引終了にかけて上げ幅を広げ、高値圏で終えた。
 
ナスダック総合株価指数は6日続伸し、同61.139ポイント高の8170.231と5月3日以来2カ月ぶりに過去最高値を更新した。フェイスブックなど主力株が軒並み上げた。半導体のブロードコムへの身売り報道が出たセキュリティーソフトのシマンテックが急伸し、ソフトウエア関連株全般に買いが広がった。
 
S&P500種株価指数は5日続伸し、3日続けて過去最高値を付けた。
 
6月のADP全米雇用リポートで、非農業部門の雇用者数(政府部門を除く)は前月比10万2000人増と市場予想ほど増えなかった。米労働省が5日に発表する雇用統計も米雇用減速を示せば、米連邦準備理事会(FRB)が利下げに動きやすくなるとの見方が広がった。
 
トランプ米大統領は2日、FRB理事に選挙陣営元幹部のジュディ・シェルトン氏ら金融緩和に前向きとされる2人を指名すると発表した。前日には欧州連合(EU)が欧州中央銀行(ECB)の次期総裁に金融緩和を支持してきたラガルド国際通貨基金(IMF)専務理事を指名した。主要中銀による緩和的な金融政策が続くとの思惑も強まった。
 
景気動向に業績が左右されにくい「不動産」や「公益事業」などディフェンシブ株を中心に幅広い銘柄に買いが優勢となった。ダウ平均の構成銘柄では日用品のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)やネットワーク機器のシスコシステムズの上げが目立った。
 
市場関係者は「株価は最高値を更新したが、高揚感はない。上昇した銘柄から見てもリスクオンではなく、資金の行き場がないから取りあえず買っている感じがする」と指摘。「雇用統計の後は4~6月期の決算シーズン、月末にはFOMCもあり、しばらくは動きが取りにくい」と話した。
 
NYダウ工業株30種(ドル)
26,966.00+179.32
S&P500種
2,995.82+22.81
ナスダック
8,170.231+61.139
NY金(ドル/トロイオンス)
1,420.90+12.90
NY原油(ドル/バレル)   
57.40+0.06
円・ドル
107.79 – 107.80+0.05
 


【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は横ばい。
9月物は前日比変わらずの2万1695円で終え、大阪取引所の終値を105円上回った。
4日の独立記念日の祝日を控え市場参加者は限られ、持ち高調整目的の動きが中心になった。3日のNYダウ工業株30種平均は利下げ期待で過去最高値を更新し、相場を押し上げた。
高値は2万1700円、安値は2万1530円だった。
 
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
21695 ( +105 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
21705 ( +115 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】
 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7609.32(+50.13)
FTSE100種総合株価指数は4日続伸した。前日の終値に比べ50.13ポイント高の7609.32で引けた。
欧米中央銀行の利下げ観測の強まりから、景気刺激への期待感が広がった。米連邦準備制度理事会(FRB)は7月の連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げに踏み切るとの見方が強まったほか、欧州中央銀行(ECB)のラガルド次期総裁もハト派的とみられている。英イングランド銀行のカーニー総裁が前日に利下げを示唆したことも、ポンド安・英国株高につながった。構成銘柄の約8割が上昇した。
 
主な個別銘柄では、ブックメーカー(賭け屋)のフラッター・エンターテインメントは11%急伸した。スポーツ関連小売りのJDスポーツ・ファッションは、通期利益が少なくとも市場予想の水準に達するとの見通しを示したことが好感され、3%近く上がった。3日から英国内で次世代通信規格「5G」のサービスを開始した携帯電話サービスのボーダフォン・グループも買われた。
 
半面、石油輸出国機構(OPEC)の決定などを受け、石油大手ロイヤル・ダッチ・シェルはA株(0.5%安)、B株(0.6%安)ともに軟調、同BPも1.7%安と売られた。鉱業のアングロ・アメリカンの値下がりも目立った。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12616.24(+89.52)
ドイツ株式指数(DAX)は6日続伸した。終値は前日と比べて89.52ポイント高の12616.24と、終値ベースで2018年8月上旬以来の高値だった。
 
欧州中央銀行(ECB)の次期総裁に、金融緩和に前向きとされるラガルド国際通貨基金(IMF)専務理事が就任する見通しとなり、利下げ期待から欧州各国市場で買いが広がった。
 
個別では、不動産のボノビアとドイツ銀行、自動車のBMWの値上がりが目立った。
一方値下がりしたのは、30銘柄のうち4銘柄だけだった。タイヤのコンチネンタルは、アナリストが株価目標を引き下げたことなどが嫌気され、売られた。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5618.81(+41.99)

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