1日のNYダウ工業株30種平均は3日続落し、前日比64ドル10セント安の2万4099ドル05セントで終えた。米主要企業の決算発表シーズンが終盤を迎えて新たな材料が乏しく、買いが入りにくかった。
市場予想を下回る米経済指標も重荷だった。1~2日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を見極めたいとして買いを手控える投資家も多かった。
朝方発表した2018年1~3月期決算で売上高が市場予想に届かなかった製薬大手ファイザーが急落したほか、好決算を受けて前日急騰したファストフード大手マクドナルドにも利益確定の売りが膨らみ、ダウは一時2万4000ドル台を割る場面もあった。
一方で、引け後に決算発表を控えるアップル(AAPL)を中心にハイテクセクターに買いが広がり、下げ幅をやや縮小する展開となった。
1日に米サプライマネジメント協会(ISM)が発表した4月の製造業景況感指数は57.3と前月から2ポイント低下し、市場予想も下回った。米商務省が発表した3月の建設支出は前月から市場予想に反して減った。米経済は拡大基調が続いているが勢いが鈍くなりつつあるとの見方が浮上した。
ナスダック総合株価指数は反発し、前日比64.438ポイント高の7130.704で終えた。引け後に決算発表を予定していたアップルが2%強上昇し、主力ハイテク株が買われて指数を押し上げた。
セクター別では、半導体・半導体製造装置やテクノロジー・ハード・機器が上昇する一方で耐久消費財・アパレルや食品・飲料・タバコが下落した。
個別では、高級皮革「コーチ」などを傘下に持つタペストリーが大幅安。1日に発表した四半期決算で服飾ブランドなどが不振だった。航空機のボーイング(BA)は、航空関連部品メーカーのKLX(KLXI)と32億ドルで買収合意し、財務負担を懸念した売りが広がった。
一方、アナリストが「買い」で調査を開始した動画配信機器の製造・販売を手掛けるロクは買いが優勢だった。ゴールドマン・サックスが「強い買い推奨」のリストに加えたソフト大手のシトリックス・システムズも買われた。
VIX指数は15.49と低下(前営業日15.93)。
ダウ平均は、米連邦公開市場委員会(FOMC)のタカ派スタンスへの警戒感、中東の地政学リスクや米中通商協議への警戒感などから、一時前日比354ドル安の23808ドルまで下落した。
VIX指数は一時16.82まで上昇した。しかし、引けにかけて下げ幅を縮小したことで15.42まで低下。
NYダウ工業株30種(ドル)
24,099.05-64.10
S&P500種
2,654.80+6.75
ナスダック
7,130.704+64.438
米10年債利回り(%)
2.9681 +0.032
米2年債利回り(%)
2.5083 +0.02
NY金(ドル/トロイオンス)
1,306.80-12.40
NY原油(ドル/バレル)
67.41+0.16
円・ドル
109.82 – 109.83+0.35
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は反発した。
6月物は前日比100円高の2万2540円で引け、同日の大取終値を40円上回った。
NYダウが引けにかけて下げ幅を縮めるにつれ、買われた。
円安も支援材料になった。市場は2日まで開く米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果に注目している。
この日の6月物高値は2万2565円、安値は2万2420円。
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
22540 ( +40 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
22560 ( +60 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7520.36(+11.06)
FTSE100種総合株価指数は4日続伸した。前日4月30日の終値に比べ11.06ポイント高の7520.36で引けた。先週末の27日以来連続で1月31日以来の高値水準を更新した。構成銘柄の約6割が上昇した。
為替相場でのポンド安を背景に構成銘柄に多国籍企業が多いFTSE100種には買いが入りやすかった。もっとも午後に入り、主力の鉱業株に売りが広がり、指数の上げ幅は縮小した。
個別では、食品デリバリーのジャスト・イートが大幅上昇した。第1四半期が市場予想を上回って増収となったことが好感された。イースター休暇期間の業績が好調だったことが貢献した。
ポンド安の恩恵を受けやすいとされる海外で収益を得る医薬品株と石油株の大型株がそろって全面高となったほか、医療のメディクリニック・インターナショナル、たばこのインペリアル・ブランズ、酒類のディアジオなども上げた。石油のBPは四半期決算が大幅増益となったことも買い材料視された。
半面、金属相場の下落を受けて、午後にかけて鉱業株への売りが膨らみ、ほぼ全銘柄が下落した。なかでもフレスニージョやBHPビリトンの下げが大きかった。
小売り関連株が売られるなか、WMモリソン・スーパーマーケッツと小売りのキングフィッシャーの下げが目立った。前日30日にスーパーマーケットのセインズベリーとアズダが大型の経営統合発表したことを嫌気した売りが出た。ただセインズベリーだけは続伸し、2%近く上げた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
メーデーにより休場
■フランス・パリ株価指数
メーデーにより休場
