2日のNYダウ工業株30種平均は4日続伸した。前日比122ドル73セント高の2万6773ドル94セントと9月21日に付けた過去最高値を更新した。
北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉でトランプ米政権がメキシコに加え、カナダとも合意したことを好感した買いが2日も継続。ダウは一時170ドル超上昇した。世界的な通商摩擦への懸念が和らぐ中、半導体のインテルや建機のキャタピラー、航空機のボーイングなど輸出関連株に買いが入り、相場上昇を主導した。
ただ、下げる銘柄も目立った。増収増益決算と同時にドル高による利益見通しの引き下げを発表した飲料・食品のペプシコが下落。5000万人の利用者のアカウントが乗っ取られるリスクがあったと前週末に発表したフェイスブックには規制強化への懸念から売りが続いた。大型のハイテク株の一角も売られた。
また、米国従業員の最低時給を15ドルに引き上げると2日に発表したアマゾン・ドット・コムもコスト増への警戒から下落。両社株がナスダック指数を押し下げた。
パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は2日の講演で、米景気の堅調さを指摘し、利上げを段階的に進める姿勢を改めて示した。内容は新味に乏しいとして、株式相場の反応は限られた。
ナスダック総合株価指数は続落し、同37.755ポイント安の7999.547で終えた。アマゾンやフェイスブックなどの下落が指数を押し下げた。
NYダウ工業株30種(ドル)
26,773.94+122.73
S&P500種
2,923.43-1.16
ナスダック
7,999.547-37.755
米10年債利回り(%)
3.0613 -0.019
米2年債利回り(%)
2.8149 -0.008
NY金(ドル/トロイオンス)
1,207.00+15.30
NY原油(ドル/バレル)
75.22-0.01
円・ドル
113.63 – 113.64-0.18
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は反落した。
12月物は前日比190円安の2万4230円で引けた。同日の大取終値を50円下回った。
前日まで5営業日続伸した後で、上げ一服感から利益確定売りが優勢となった。
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
24230 ( -50 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
24255 ( -25 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7474.55(-21.12)
FTSE100種総合株価指数はイタリアのユーロ離脱懸念を背景に投資家のリスク回避姿勢が強まり、3日続落した。前日1日の終値に比べ21.12ポイント安の7474.55で引けた。
朝方は9割近くの銘柄が下げていたものの、午後に鉱業株や石油株が買い戻され、株価指数を下支えした。金融株を中心に構成銘柄の約7割が下落した。
銀行株をはじめ保険株や資産運用株がいずれも全面安で引けた。欧州の長期金利が低下し、利ざや縮小を意識した売りが出た。
個別銘柄では、前日1日に急落した郵便大手のロイヤル・メールは、この日も終日大幅安で推移し、8%超安で引けた。通年の業績が目標を大きく下回るとの見方を示したことを受け、アナリストが目標株価を引き下げたことが響いた。
建設資材のファーガソン(旧ウルズリー)は6.8%安と下げも目立った。9月の業績は前月より鈍化する見込みとの報道が売りの材料視された。
半面、金属相場の上昇に伴い、主力の鉱業株が買いに転じた。なかでも金価格が高くなったことで関連のランドゴールド・リソーシズは1.8%高と大幅上昇した。小幅ながら石油株も上昇した。外国為替相場でのポンド安を背景に、通貨安の恩恵を受けやすい多国籍企業の医薬品株とたばこ株には買いが先行した。
景気動向に左右されにくいとされるディフェンシブ銘柄の総合公益会社のユナイテッド・ユーティリティーズなど公益株も上げた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12287.58(-51.45)
ドイツ株式指数(DAX)は反落。終値は前日1日と比べて51.45ポイント安の12287.58だった。イタリアの財政不安が広がったことを背景に、終日売りが先行した。
重電のシーメンスと航空のルフトハンザ、不動産のボノビアが安かった。
一方で半導体のインフィニオンテクノロジーズが大幅に上昇した。ダイムラーなど自動車株も堅調だった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5467.89(-38.93)
