NYダウ、117ドルと続伸 米中協議再開合意を好感

 
1日のNYダウ工業株30種平均は続伸し、前週末比117ドル47セント高の2万6717ドル43セントで終えた。米中が6月29日に開いた首脳会談で貿易協議の再開で合意した。貿易摩擦がエスカレートするとの警戒感が後退し、投資家心理が上向いた。
 
トランプ米大統領と中国の習近平国家主席は6月29日、20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)に合わせて会談し、5月から中断していた貿易協議を再開することで合意した。米国は中国からのほぼ全ての輸入品に追加関税を課す「第4弾」の制裁措置の発動を見送るとともに、中国通信機器最大手・華為技術(ファーウェイ)への制裁を緩和する。「協議決裂という最悪の事態を免れた」(証券筋)ことへの安心感が広がる中、ダウ平均は序盤に290ドル高まで上げ幅を広げ、昨年10月3日に付けた取引時間中の史上最高値(2万6951.81ドル)にあと約61ドルに迫る場面があった。
 
中国市場への依存度が高いアップルやナイキなどが買われたほか、エヌビディアやマイクロン・テクノロジーといった半導体株が相場のけん引役となった。
iPhone(アイフォーン)の課税対象となる関税第4弾がひとまず回避されたことでアップルが買われた。ファーウェイへの販売再開を好感し、マイクロン・テクノロジーなど半導体株にも買いが広がった。建機のキャタピラーなど資本財の一角も買われた。
 
買いの勢いが一巡すると伸び悩んだ。米中貿易摩擦への懸念が和らいだことで米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測がやや後退するとの見方があった。米司法省が中型機787の製造工程を調査していると伝わった航空機のボーイングが下げ、ダウ平均を50ドルあまり押し下げた。
 
6月の米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数は市場予想を上回ったものの、3カ月連続で低下し、2016年10月以来の低水準に沈んだ。中国国家統計局が30日に発表した6月の購買担当者景気指数(PMI)も2カ月連続で拡大・縮小の境目となる50を下回った。世界景気を取り巻く不透明感も相場の重荷となった。
 
ナスダック総合株価指数は4日続伸し、同84.919ポイント高の8091.163と5月上旬以来の高値で終えた。S&P500種株価指数は3日続伸し、22.57ポイント高の2964.33と過去最高値で終えた。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
26,717.43+117.47
S&P500種2,964.33+22.57
ナスダック8,091.163+84.919
NY金(ドル/トロイオンス)
1,389.30-24.40
NY原油(ドル/バレル)
59.08-0.01
円・ドル
108.40 – 108.41+0.08

 


【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は4日続伸した。
9月物は前週末比375円高の2万1680円で終え、大阪取引所の終値を90円下回った。
29日の米中首脳会談で貿易協議の再開が決まり、投資家心理が改善した。
同会談を前に米中関係の悪化による世界景気の悪化懸念が広がっていたが合意によりやや和らいだ。
ただ、米中貿易摩擦の解決は遠いとの見方が根強く、上値は重かった。
高値は2万1805円、安値は2万1525円だった。
 
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
21680 ( -90 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
21695 ( -75 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7497.50(+71.87)
FTSE100種総合株価指数は続伸した。前週末の終値に比べ71.87ポイント高の7497.50となり、4月下旬以来、約2カ月ぶりの高値水準で引けた。
週末の米中首脳会談での貿易協議の再開合意を受けて、貿易摩擦の先行き懸念が和らぎ、投資家が運用リスクを取りやすくなるとの見方から欧米の株式相場が軒並み上昇した。
FT指数は高寄り後にジリジリと値を上げ、午後1時半前にこの日の高値を付けた。ただ、終盤は利益確定売りに押された。資源株を中心に買いが広がり、構成銘柄の約8割が上昇した。
 
個別銘柄では、アラブ首長国連邦(UAE)アブダビの民間医療サービス最大手NMCヘルスケアが4.8%高。アイルランドの賭け屋フラッター・エンタテイメントと英たばこ大手ブリティッシュ・アメリカン・タバコは各4.1%高と大幅上昇した。
 
半面、リスク回避姿勢の後退で金相場は下落したことから、産金大手フレスニーヨは2.0%安、英食品・小売大手アソシエーテッド・ブリティッシュ・フーズは1.5%安、英通信大手ボーダフォンは1.1%安とふるわなかった。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12521.38(+122.58)
ドイツ株式指数(DAX)は大幅に4日続伸した。終値は前週末と比べて122.58ポイント高の12521.38だった。2018年8月下旬以来、約10カ月ぶりの高値水準で引けた。構成銘柄の約9割が上昇した。
半導体のインフィニオンテクノロジーズが大幅高となった。トランプ米大統領が中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)への制裁緩和に言及し、買い安心感につながった。一方、タイヤのコンチネンタルなど4銘柄が下落した。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5567.91(+28.94)
 

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