N Yダウ11ドル安、経済鈍化懸念

 
27日のNYダウ工業株30種平均は3日ぶりに小反落し、前日比11ドル15セント(0.0%)安の2万4311ドル19セントで終えた。
 
序盤のダウは売りが先行。朝方発表された1~3月期の米実質GDP(国内総生産)速報値は、前期比2.3%増と市場予想(2.0%増)を上回った。ただ、個人消費が1.1%増と前期(4.0%増)から急減速したほか、在庫の積み増しが寄与したさえない内容で、失望売りにつながった。
また、週末で持ち高調整や利益確定の売りが出やすかったとの指摘もあった。S&P500種株価指数が上げ、テクニカル指標の1つである50日移動平均に近づいたため、売りが出たとの指摘もあった。
 
一方で、前日の引け以降に予想を上回る決算を発表したマイクロソフトやシェブロンをはじめ、業績見通しが良好な銘柄には物色買いも入り、ダウは徐々に下げ幅を縮小。中盤以降は新規の手掛かりがない中、狭いレンジで推移した。
 
27日に韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長が会談し、朝鮮半島の非核化や終戦を目指す「板門店宣言」に署名した。北朝鮮情勢が安定に向かっていることを好感した買いもあった。
 
 
ナスダック総合株価指数は小幅に続伸し、同1.122ポイント高の7119.799で終えた。前日夕に大幅な増収増益決算と、有料会員サービス「アマゾン・プライム」の会費値上げを発表したアマゾン・ドット・コムが大幅に上げた。
 
セクター別では、小売や電気通信サービスが上昇する一方でメディアやエネルギーが下落した。
 
個別では、インテルは高値更新後に利益確定売りに押され、小幅安で終えた。コーヒーチェーンのスターバックス(SBUX)や石油精製のフィリップス66(PSX)は決算内容が嫌気され、下落した。決算資料で一部工場の操業が不安定と指摘したUSスチールは急落した。
 
一方、決算で1株利益が予想を上回った石油のシェブロンは上昇。前日夕の決算で売上高が予想ほど落ち込まなかった玩具のマテルも上げた。旅行予約サイトのエクスペディア(EXPE)は、決算内容が予想を上振れ、大幅上昇。
前日夕にTモバイルUSとの経営統合交渉が近くまとまる見通しと報じられたソフトバンクグループ傘下のスプリントが大幅上昇し、Tモバイルも上げた。携帯電話業界の再編期待からベライゾン・コミュニケーションズも高い。
 
VIX指数は15.41と低下(前営業日16.24)。米主要株価指数はマイナス圏に沈む場面を挟みつつも下落幅を縮小し、プラスへ転じる場面も見せる底堅さを維持した。
VIX指数は一時15.25と20日以来、1週間ぶりの低水準へ下落した。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
24,311.19-11.15
S&P500種2,669.91+2.97
ナスダック
7,119.799+1.122
 
米10年債利回り(%)
2.9568 -0.033
米2年債利回り(%)
2.4878 -0.004
 
NY金(ドル/トロイオンス)
1,323.40+5.50   
NY原油(ドル/バレル)
67.97-0.22
円・ドル
109.06 – 109.07-0.26
 


【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は小幅続伸した。
6月物は前日比15円高の2万2450円で引け、同日の大取終値を60円下回った。朝高で始まった後、米株の下げ局面で売りに押され、上げ幅を縮めた。
北朝鮮情勢の改善期待も相場の下支え材料になったが、週末を控えて上値を追う動きは乏しかった。
この日の6月物高値は2万2555円、安値は2万2355円。
 

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100種総合株価指数は大幅続伸した。前日26日の終値に比べ80.78ポイント高の7502.21で引けた。構成銘柄の約9割が上昇した。
 
個別では、医薬品のグラクソ・スミスクラインは、複数のアナリストが株価目標を引き上げたことなどが好感された。武田薬品工業による買収交渉が続くシャイアーも上昇した。インペリアル・ブランズなどたばこ株も堅調だった。住宅建設株と航空株も上がった。
石油株も上がり、ロイヤル・ダッチ・シェルは、アナリストらによる株価目標引き上げなども買い材料となった。
 
半面、銀行のロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)は、四半期税引き前利益が市場予想を上回り朝方には上昇したものの、その後下落に転じた。住宅ローン証券販売をめぐる米司法省からの罰金問題が未解決となっていることが売り材料となった。
 

■ドイツ・フランクフルト株価指数
ドイツ株式指数(DAX)は続伸した。終値は前日26日と比べて80.40ポイント高の12580.87だった。
個別では、化学のBASFが買われた。同社は医薬・農薬大手のバイエルから買収する種子・農薬事業の範囲を広げると発表した。バイエルも上昇した。素材メーカーのコベストロとITのSAPの上げも目立った。
一方で、ドイツ銀行は3%超下落した。複数のアナリストが株価目標を引き下げたことなどが響いた。医療機器のフレゼニウスも売られた。
 

■フランス・パリ株価指数
仏CAC40   5413.30   -30.86

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