ダウ続落174ドル安 1カ月ぶり2万4000ドル割れ

2日のNYダウ工業株30種平均は4日続落し、前日比174ドル07セント安の2万3924ドル98セントで終えた。2万4000ドルを下回るのは4月2日以来、1カ月ぶり。
 
アップルが前日夕に発表した2018年1~3月期決算は売上高・利益ともに同四半期として過去最高となる好決算で同社株は大幅高となった。ただ、2日午後に連邦公開市場委員会(FOMC)の声明文発表を控えて、全般的に様子見ムードが強く、ダウは軟調な展開が続いた。
ドルがユーロなど主要通貨に対し上昇し、米企業の業績が伸び悩むとの警戒感が広がった。米連邦準備理事会(FRB)が6月にも利上げするとの思惑も重荷だった。
 
注目されたFOMCでは事前予想通りに政策金利の据え置きを決定。
声明文では「前年同月比では全体の物価上昇率、食品とエネルギーを除く物価上昇率とも2%に近づいた」との文言を加え、現状を追認した。
声明文の公表直後は、想定していたより利上げに前向きな「タカ派」寄りではなかったとの見方から、ダウ平均が上昇に転じる場面があった。ただ、FRBが緩やかに利上げを続ける姿勢に変化はなかったため、買いの勢いは続かなかった。
 
米主要企業の1~3月期決算は総じて好調だが、資源高に伴う仕入れコスト増や長期金利上昇による借り入れ負担増が企業収益を圧迫するとの懸念が再び相場を下押した。
 
市場では「好決算が出ても好材料の出尽くし感から売りが出やすい地合いだ。ダウが2万4000ドルの大台を割りこんだところから売りが加速した」と指摘されていた。
 
ナスダック総合株価指数は反落し、同29.807ポイント安の7100.897で終えた。アマゾン・ドット・コムやアルファベット(グーグル)、マイクロソフトなど主力株の一角が売られた。
 
セクター別では、テクノロジー・ハード・機器や自動車・自動車部品が上昇する一方で保険や家庭用品・パーソナル用品が下落した。
 
個別では、朝方に発表した18年1~3月期決算が市場予想を大幅に下回った米ビール大手のモルソン・クアーズが15%あまりの急落。薬剤給付管理会社のCVSヘルス(CVS)は、医療保険のエトナ(AET)の買収計画について当局の調査を受けており、先行き不透明感から売られた。富士フイルムホールディングスによる買収提案を見直すと発表した事務機器のゼロックスも急落した。アナリストによる目標株価の引き下げが相次いだ写真・動画共有アプリのスナップ(SNAP)も2割超の大幅安で終えた。
 
一方、朝方発表した四半期決算が市場予想を上回ったクレジットカードのマスターカードが上昇。四半期決算が市場予想を上回る増収増益だった全地球測位システム(GPS)機器メーカーのガーミンも買われた。
 
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
23,924.98-174.07
S&P500種
2,635.67-19.13
ナスダック
7,100.897-29.807
 
米10年債利回り(%)
2.9756 0
米2年債利回り(%)
2.4923 -0.02
 
NY金(ドル/トロイオンス)
1,305.60-1.20   
NY原油(ドル/バレル)
67.81-0.12        
円・ドル
109.62 – 109.63-0.25
 
VIX指数は15.97と上昇(前営業日15.49)。
ダウ平均は、米連邦公開市場委員会(FOMC)声明で6月の利上げが示されたこと、中東の地政学リスクや米中通商協議への警戒感などから、一時前日比212ドル安の23886ドルまで下落した。
 


【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は反落した。6月物は前日比115円安の2万2425円で引け、同日の大取終値を45円下回った。
企業業績の先行き警戒感などを背景に米株とともに売られた。
米連邦準備理事会(FRB)は2日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を受け、市場予想ほど積極的な利上げペースはないとの見方から、買いが入る場面もあった。
この日の6月物安値は2万2420円、高値は2万2590円。
 
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
22425 ( -45 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
22435 ( -35 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
ロンドン株式市場で、FTSE100種総合株価指数は5日続伸した。前日1日の終値に比べ22.84ポイント高の7543.20で引けた。構成銘柄の約6割が上昇した。
欧州各国株式相場の上昇に連動した。ただ、上げ幅は午後にやや縮小した。時価総額の大きい鉱業関連株の上げが株価指数の上昇に大きく貢献した。
 
個別では、ロシアの鉄鋼大手エブラズは5%超上昇した。アングロ・アメリカンと資源商社のグレンコアの上げも目立った。
自社株の買い戻しを始めた建設資材のCRHも高くなった。ビジネスサポートのDCCと金融サービスのハーグリーブス・ランズダウンも上がった。
 
半面、バラット・ディベロップメンツなど住宅建設株は安くなった。ブックメーカーのパディパワー・ベットフェアは6%安。新たな税制などが響いて第1四半期決算が減益となったことが嫌気された。
スーパーマーケットのセインズベリーは4月30日に同業のアズダと経営統合することで合意したと発表して以来、急上昇していたが、この日は通期決算を発表し、売られた。

■ドイツ・フランクフルト株価指数
ドイツ株式指数(DAX)は4日続伸した。終値は前営業日の4月30日と比べて190.14ポイント高の12802.25だった。日中を通して徐々に上げ幅が拡大した。
 
個別では、半導体のインフィニオンテクノロジーズは4%超上昇した。米アップルが前日に好決算を発表したことが好感された。ドイツ取引所と自動車のフォルクスワーゲンの上げも目立った。
一方で、下落したのは、消費財のヘンケルと日用品のバイヤースドルフの2銘柄だけだった。

■フランス・パリ株価指数
CAC40(仏)5,529.22+8.72
 

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