NYダウは332ドル高、アップル買われ上場来高値

4日のNYダウ工業株30種平均は続伸し、前日比332ドル36セント高の2万4262ドル51セントで終えた。
 
北京で3、4両日に開かれた米中の閣僚級による「貿易戦争」回避に向けた交渉は目立った進展がなく、貿易摩擦の長期化を嫌気し、4日の米株式市場は売り先行でスタート。
ダウは序盤に一時150ドル超下落した。ただ、投資家心理の改善につながったのはアップル株の急伸。その後はハイテク株を中心に大幅上昇となった。
 
著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いる投資会社バークシャー・ハサウェイが1~3月期にアップル株を7500万株買い増したと報じられたことが買い材料。「バフェット氏の大規模な買い増しが、高価格帯モデル『iPhone X(テン)』の販売低迷への不安を吹き飛ばした」という。
 
4日に米労働省が発表した4月の米雇用統計は非農業部門の雇用者数が前月比16万4000人増と市場予想ほど伸びず、平均時給の伸び悩みが続いた。
一方、失業率は3.9%と17年4カ月ぶりに3%台に改善した。米景気が緩やかに拡大しても、米連邦準備理事会(FRB)は利上げを急がないと受け止められたことも、買い安心感につながった。
 
米国と中国の貿易摩擦を巡る通商交渉が長期化するとの警戒感から朝方は売りが先行した。ただ、ホワイトハウスが中国との初交渉を終えて「米中の経済関係の調整について率直に議論した」との声明を発表し、交渉が前向きに進むとの見方が広がり相場を押し上げた面もあった。
 
ナスダック総合株価指数は3日ぶりに反発し、前日比121.467ポイント高の7209.618で終えた。アップルが4%近く上昇し、アルファベット(グーグル)やフェイスブック、マイクロソフト、アマゾン・ドット・コムといった主力株も買われた。
 
セクター別では全面高となり、テクノロジー・ハード・機器やメディアの上昇が目立った。
 
個別では、ハンバーガーチェーンのシェイク・シャック(SHAK)は、通期見通しを引き上げ、大幅上昇した。市場予想を上回る増収だったうえ、最終赤字が市場予想ほど拡大しなかったインターネットラジオ局を運営するパンドラ・メディア(P)も大幅高だった。
アクションカメラのゴープロ(GPRO)は、赤字幅が予想より縮小したほか、売上高が予想を上振れ堅調推移となった。
 
一方、アパレルのVFコーポレーションには売りが優勢だった。4日に発表した四半期決算でジーンズ事業が不調だったのが嫌気された。
複写機のゼロックス(XRX)は、大株主である著名投資家カール・アイカーンらと取締役会の和解合意が失効し、先行き不透明感から下落した。
 
VIX指数は14.75と下落(前営業日15.90)。ダウ平均は米中通商協議が不調に終わったことで寄り付き後に23778ドルまで下落した。
しかし、中東の地政学リスクへの警戒感から原油価格が上昇したこと、米4月失業率が3.9%に低下したものの、平均時給は前月比+0.1%に留まったことで、一時403ドル高の24333ドルまで反発した。
VIX指数は一時10.91まで低下した。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
24,262.51+332.36
S&P500種
2,663.42+33.69
ナスダック
7,209.618+121.467
 
米10年債利回り(%)
2.9515 +0.006
米2年債利回り(%)
2.5009 +0.017
 
NY金(ドル/トロイオンス)
1,314.70+2.00
NY原油(ドル/バレル)
69.79+1.36
円・ドル
109.06 – 109.07   -0.11
 
 


【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は反発した。
6月物は前日比120円高の2万2470円で引け、2日の大阪取引所の終値に並んだ。ハイテク株主導の米株高を好感した。
朝方発表の4月の米雇用統計で非農業部門雇用者数が予想ほど伸びず、平均時給も伸び悩んだ。米利上げペースが緩やかになるとの見方が広がったことも買いを誘った。
この日の6月物の高値は2万2510円、安値は2万2160円。
 
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
22470 ( 0 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
22480 ( +10 )
( )は大阪取引所終値比
 

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100種総合株価指数は反発した。前日3日の終値に比べ64.45ポイント高の7567.14で引けた。構成銘柄の約8割が上昇した。午後には一段高となった。
 
 原油相場が上げ幅を拡大すると、石油のBPとロイヤル・ダッチ・シェルの買いも強まり、株価指数の上昇に大きく貢献した。
 
個別では、ピアソンは7%超上昇した。1~3月期の増収を受けて、同社は2018年通期で6年ぶりの黒字になるとの見通しを維持した。航空のインターナショナル・エアラインズ・グループは1~3月期の利益が75%拡大したことを受けて6%近く上がった。
BHPビリトンなど鉱業株も買われた。日用品のレキットベンキーザーとソフトウエア開発のセージ・グループの上げも目立った。
 
半面、HSBCホールディングスは午後に下げ渋った。投資の拡大などが業績を圧迫し、1~3月期の税引き前利益が市場予想に反して減少したことが売り材料となった。
ロシアの鉄鋼大手エブラズの下げも目立った。アナリストが投資判断を引き下げた資産運用のスタンダード・ライフ・アバディーンも下がった。
 

■ドイツ・フランクフルト株価指数
ドイツ株式指数(DAX)は反発した。終値は前日3日と比べて129.45ポイント高の12819.60だった。
個別では、工業用ガスのリンデは4%近く上がった。半導体のインフィニオンテクノロジーズも、複数のアナリストが株価目標を引き上げたことが好感され上昇した。航空のルフトハンザの上げも目立った。
 
下落したのは4銘柄だけだった。自動車のBMWは1~3月期の営業利益が為替の影響などで縮小したことが嫌気された。前日に大幅下落したアディダスはこの日も売られた。ミュンヘン再保険と素材メーカーのコベストロも下がった。

■フランス・パリ株価指数
CAC40(仏)5,516.05 +14.39

 

株ちゃんofficial xはこちら!
目次