「23000円台固め」

週明けのNY株式は大幅反発。
NYダウは298ドル高の25013ドルと約2カ月ぶりに2万5000ドル台を回復した。
ムニューシン米財務長官は「中国からの輸入品1500億ドル相当への関税適用を見合わせる」と表明。
中国も「米国製品500億ドル相当への報復関税を実施しない」と発表。
米中貿易戦争回避の方向を好感した。
「米中が歩み寄る姿勢を見せたことで通商問題での対立が世界経済に悪影響を与えるとの警戒感が和らいだ」との解釈だ。
中国事業の比率が高い建機のキャタピラーや航空機のボーイングなどが上昇。
機械・航空機関連のユナイテッド・テクノロジーズも上昇。
この3銘柄でNYダウを120ドルほど押し上げた。
テスラ、GE、マイクロンテクノロジーなども上昇。
一方、中国への関税適用先送りからUSスティールやAKスティールは下落。
NASDAQは3日ぶりに反発。
10年債は主要経済指標発表もなく小幅安で小動きの展開。
3.06%で終えたが引け後は3.054%水準。
ドル円は111円台前半。
 
 
週明けの日経平均は2ヵ月ぶりに23000円台を回復した。
売買エネルギーが低調なままでも可能だったところが面白い。
「場中の上昇で到達=東京主導、円安進行を伴っている、到達後も荒い動きが見られなかった。
この節目は通過点の可能性が高い」という声もある。
東京時間のNY先物がフォローした点も否定はできない。
もっとも「NY株高の先取りであったとすると火曜はNY程の飛躍的上昇は期待薄で上昇は限定的」という見方もある。
25日線からは2.7%のプラスかい離。
騰落レシオは125.26%。
120%の加熱ラインは超えてきたがむしろ140%くらいまで加速と読みたいところ。
松井証券信用評価損益率速報で売り方は▲12.902%(前日▲13.098%)。
買い方▲6.599%(前日▲6.971%)。
売り方の損切りがあったような印象だ。
マザーズ銘柄ネットストック信用評価損益率で売り方▲20.17%(前日▲18.07%)。
5月7日の▲20.58%が近づいてきた。
買い方▲14.16%(前日▲14.42%)とかい離は拡大。
空売り比率は38.4%と2日連続40%割れ。
日経平均採用銘柄のEPSは1657円(前日1640円)と増加しPERは13.88倍とむしろ低下した。
シカゴ225先物終値は大証日中比15円高の23025円。
23000円台固めの株高の火曜日となろうか。
まずは2月2~5日の2万2967円~2万3122円のマド埋めが課題。
先週までは8週続伸で上昇幅は2312円。
週間では昨年9月中旬から11月上旬にかけての9週連続以来の長さに挑戦だ。
 
 
相場の底上げに大きく寄与しているのが証券会社の自己売買部門。
11日までの週に現物株を4472億円も買い越した。
今年に入って最高の水準だ。
同部門は4月27日までの週にも4336億円を買い越し。
ゴールデンウィークの谷間も978億円買い越し。
「4月最終週から積極的な買い姿勢」との解釈。
背景は裁定買い。
11日時点は前の週から3101億円増加し2兆4825億円。
1月下旬の水準まで裁定買い残が回復した。
以下は裁定買い残の増減と証券自己部門の売買動向。
特に4月後半以降、きれいに連動している。
「海外勢の先物買い戻しで開いたスプレッドに裁定業者が買いを入れている」という見方だ。

          裁定買い残の増減  証券自己の売買動向(億円)
  01/05         1,956              989
  01/12        -4,822           -1,496
  01/19          -894            2,020
  01/26          -215                2
  02/02        -4,741           -3,270
  02/09        -6,197           -6,630
  02/16        -1,689           -2,425
  02/23           577           -2,033
  03/02        -2,286           -1,443
  03/09         1,820            1,178
  03/16          -479            2,095
  03/23        -2,019               15
  03/30         2,163              164
  04/06          -647              611
  04/13         1,244            1,258|
  04/20         1,623            1,630|
  04/27         3,588            4,336|自己の買い越し=裁定買いの構図
  05/02           431              978|
  05/11         3,101            4,473↓
 
ようやく付けた日経平均23000円。
以下は上昇下落の主役のランキング。

■日経平均採用銘柄の騰落率ランキング
【2018年の安値から5月21日まで】
 上位             下位
・東電HD(9501) △50%  ・ヤフー(4689) ▲18%
・太陽誘電(6976) △48%  ・武田(4502)  ▲16%
・板硝子(5202)  △46%  ・古河電(5801) ▲12%
・ユニファミマ(8028)  △45%  ・楽天(4755)  ▲11%
・日新製鋼(5413) △41%  ・古河機金(5715)▲8%
                          
【17年の安値から年末まで】  
 上位             下位
・東海カ(5301)  △213%  ・電通(4324)  ▲21%
・昭電工(4004)  △175%  ・大平金(5541) ▲14%
・安川電(6506)  △146%  ・楽天(4755)  ▲12%
・日製鋼(5631)  △113%  ・ガイシ(5333) ▲9%
・三井金(5706)  △ 95%  ・SUBARU(7270) ▲9%
(注)△は上昇、▲は下落。18年の安値は3月23日、17年の安値は同4月14日との比較。

(兜町カタリスト櫻井)

株ちゃんofficial xはこちら!
目次