反発、円安好感で買い優勢も一巡後は伸び悩む

東京株式(前引け)=
 
29日午前の日経平均株価は反発し、前日比122円66銭高の2万1153円97銭で前場を終えた。上げ幅は200円を超える場面があった。
 
朝鮮半島情勢の緊張緩和を背景として外国為替市場でドル高・円安が進んだことで買いが優勢となった。外国人投資家の買い戻しや、個人投資家の買いが全体相場に寄与した。
 
ただ、米中の貿易摩擦激化への警戒感がくすぶり、上値は重かった。中小型株には個人投資家の買いが入った。
業種別にはサービスや食料品、金融など内需系の銘柄に買いが集まっており、売買代金上位の主力株は安いものが目立つ。
市場では「買い戻しの域を出ておらず、上値では戻り待ちの売りが多い」との声も聞かれた。
 
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)は反発した。食料品や石油、ゴムなど年初来の下げがきつかった銘柄の上げが目立った。
 
前引けの東証1部の売買代金は概算で1兆1252億円、売買高は5億8728万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1175と、全体の5割強を占めた。値下がりは810、変わらずは93銘柄だった。

個別では、今期の連結純利益が従来予想を上回る見通しだと発表したJXTGが買われた。後発薬子会社を売却すると発表したエーザイも上昇した。アサヒや花王、ファストリは上げた。
ヤーマンが値上がり率トップに買われ、メンバーズも大幅高。オプトホールディング、クリーク・アンド・リバー社も値を飛ばした。
 
一方、M&Aの検討で大規模増資が懸念された武田が下落した。パナソニックや東エレク、ソニーも安い。東京海上、住友鉱、楽天、昭和電工、日本通運なども値を下げた。
 
東証2部株価指数は前日比34.28ポイント高の7177.41ポイントと反発した。値上がり銘柄数は302、値下がり銘柄数は118となった。
 
個別では、日本リーテック、グッドコムアセット、野崎印刷紙業、青山財産ネットワークスが昨年来高値を更新。ゼロ、アジア航測、サイバーステップ、KTC、松尾電機が買われた。
 
一方、信和、スーパーバッグが昨年来安値を更新。サイオス、ロックペイント、ファステップス、大和自動車交通、原田工業が売られた。

 

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