「行き過ぎもまた相場」

3連休明けのNYダウは458ドル(1.9%)安の23644ドルと大幅に反落。
一時758ドル安まで下落幅を拡大した場面もあった。
S&P500は58ポイント(2.23%)安の2582ポイント。
NASDAQ総合指数は193ポイント(2.74%)安の6870ポイント。
NYダウとS&P500に次いでNASDAQ総合指数も年初来騰落率がマイナスに転じた。
背景は相変わらずトランプ大統領。
ツイッターでアマゾンを厳しく批判。
課税強化や反トラスト法を使った取り締まりの可能性が意識されアマゾン株が大幅下落。
個人情報管理の規制制強化警戒からフェイスブックやアルファベットも大幅安となった。
「相場のけん引役のハイテクセクターの下落が投資家心理を冷やした」との解釈だ。
S&P500が過去2年間下値支持線となっていた200日移動平均線を下回ったことも悪材料視された。
米中貿易摩擦も相場の重荷。
中国が米国の豚肉やワインなど128品目に最大25%の報復関税を課したことも嫌気。
キャタピラーやユナイテッド・テクノロジーズが下落。
テスラのリコールも相場の足を引っ張った格好だ。
NASDAQ版の恐怖(VIX)指数のVXNは29.92まで上昇し30の大台に迫った。
「ハイテク株の不安定な値動きが目立つ4月相場入り」との声が聞こえる。
株安債券高の動きは終日続き、10年債利回りは一時2.71%まで下落(価格は上昇)した。
米ドルは対円で105円台後半に下落。
欧州株式市場は休場。
トランプ大統領が自分で蒔いた種をどう刈り取るのかが課題の春だ。
 
 
閑古鳥が鳴いた2日新甫。
3ケタの上昇を維持できず安値引け。
25日線(21492円)に跳ね返されて失速。
「先週末の上昇はお化粧?」との疑念の声もある。
懸念は売買高の低調さ。
10億株割れは今年初だし1.67兆円の売買代金も今年最低。
「名実ともに新年度入りの日にこの水準では、先が思いやられる」という声も聞こえる。
売買エネルギー的には「陰の極」だ。
一方で「期初の売り」が見られなかったことは好感。
とりあえず「月の初日の株高」は2か月連続での頓挫となった。
25日線に跳ね返されたものの200日線(21337円)からは0.2%のプラスかい離。
騰落レシオは91.36%。
松井証券信用評価損益率速報で売り方▲13.504%。
買い方▲8.536%。
マザーズ銘柄ネットストック信用評価損益率で売り方▲15.31%。
買い方▲10.54%。
買い方有利の図式だ。
空売り比率は42.3%と10日連続40%越え。
裁定買い残が1兆3321億円(前週比2019億減で3週連続減。
裁定売り残は1兆945億円(前週比1051億円増で6週連続増)。
金利の低下が買い残減少をもたらし、貿易摩擦懸念が売り残増をもたらしている構図。
もし売り残と買い残が逆転すると歴史的イベントとなる。
「月曜がだめなら火曜があるさ」と楽観出来る状態ではなかった3連休明けのNY株式。
シカゴ225先物終値は大証日中比430円安の21045円。
GLOBEX先物は同375円安の21055円で取引を再開。
5日線(21270円)ですら仰ぎ見る格好だ。
「行き過ぎもまた相場なり」となるかどうか。
 
 
◇━━━ カタリスト ━━━◇
 
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(兜町カタリスト櫻井)

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