「来年の課題」

8四半期ぶりに悪化した日銀短観で見えたことは、2018年度の設備投資計画の堅調さ。
大企業・全産業で前年度比2.3%増と市場予想の0.6%増を上回った。
「予想以上で意外感のある伸び」との解釈だ。
一方で想定為替レートは109.66円。
「4月は円高になりやすい」というアノマリーと合わせるとやや警戒感だろう。
金融機関が今年度の投資に入るには時間がかかる。
一方で輸出産業は4月に前倒しで先物の円買いがスタートする。
このタイムラグが需給的円高になりやすいということだ。
6月の短観で想定レートが変更されるとするとこれも良くない。
そして・・・。
新年度の益出しのウリというのもある。
都銀・地銀は昨年度まで10年連続で4月第1週に現物株を売り越しているのが歴史。
「年央高のシナリオならば期初に売りは出にくい」という指摘もあるが、歴史は歴史だ。
そう考えると、残念ながら弱気材料の方が多いことなる。
NYダウは昨年まで12年連続で上昇。
1950年以降4月のNYダウは平均2%の上昇率。
世界で4000億ドルの配当金が背景というのが知られている。
因みに、外国人が受け取る日本株の配当金を計算してみると・・・。
昨年3月末時点での外国人の日本株保有は174兆円。
配当利回りが2%ならば配当金総額は約3.5兆円。
この再投資は大きい。
 
覚えておきたいアノマリーは「3月最終日の日経平均は陰線(寄り値を上回れない)」。
2006年から12年連続の陰線。
2000年まででも陽線は2回だけ。
今年も陰線だったからこれは来年も課題だ。
 
昨夜の悪夢は「初日営業のマル」。
一般の方には何のことか理解できないだろう。
その昔、多くの証券会社で初日営業なるものが存在した。
受け渡しベースで翌月渡しとなる月初の3日前。
前夜から豪勢なお弁当で気合を入れて臨んだお祭りの日。
月が変わってリセットして再スタートいう意味。
さらに昔の清算取引の名残りだとされる。
大昔は月毎の決済の清算取引だったから損金も益金もまっさら。
だからお祭りになったのだろうと言われている。
ちなみに、今は売買高よりも売買代金の方が重要視される。
これは、その昔は瞬時に売買代金など計算できなかったからだろう。
毎月拷問のようにやってくるその初日営業(一日営業)の前場。
株価は停滞気味で前夜の予約など当然できていない。
前場11時まで頑張っても注文はゼロ。
ただし手数料はいくばくか出来ていると申告済み(旗と言っていた)。
埒が明かず手数料申告を上乗せして、最後の砦の顧客の会社に昼休みに向かう。
正しいか間違っているかは別にして、ある銘柄との乗換を理路整然と見事に説明。
しかし答えは「今日でなくても」。
帰社してみれば「伝票は?」。
頭を抱えて大引けまで震えながら過ごしているところで目が覚めた。
この夢は凶なのか吉なのか。
久々に昔の株屋営業に自ら触れたことになった。
ほぼ大半の方がこの繰り返しだったのだから、先輩氏たちの寿命は短かった記憶がある。

(櫻井)。

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