「空売り比率の35%台は明るいサイン」

NY株式は反落。
とはいえ下落幅は前日の上昇幅の半分程度。
3市場の売買高も60億株程度と薄く、方向感のない展開。
「トランプ大統領がシリアへの軍事介入の可能性を示唆。
地政学リスクが意識された」とはいえ、市場は静観モードの印象だ。
「3月のFOMC議事要旨を受けて利上げペース加速を巡る懸念が強まった」という声もある。
しかしこれも既知のこと。
何か材料を見つけようとしても新味には乏しい。
VIX(恐怖)指数は20.24まで低下した。
従来はNY主導型だった世界の株価はこのところ前日の東京市場の動向追随型にさえ見えてくる。
3月の消費者物価指数(CPI)は前月比0.1%下落。
2017年5月以来10カ月ぶりの落ち込みとなった。
背景はガソリンの値下がり。
変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアCPIは前月比0.2%上昇で市場予想と一致した。
10年債利回りは2.7826%と低下。
注目指標とされていたCPIなどほとんど影響せずシリア問題からの安全資産志向となった印象。
為替市場も同様でドルは対円で下落。
106円台後半で推移した。
 
 
SQ週の水曜日の日経平均は3ケタの下落とはいいながらもさして荒れずの展開。
シリア情勢の緊迫化、森友・加計・日報問題で政局の不透明感が増大したという背景はある。
「前日のNYダウの400ドル超の大幅高からすると冴えない動き」という指摘もある。
従来NY主導型だったものが最近は東京で材料を消化してNYが追随する格好が多いから不可解でもなかろう。
直近で買われていた内需銘柄が軒並み売られる展開はアンワインドの動きなのかも知れない。
「寄り天」の「安値引け」という不格好な展開は否めない。
しかし基本は様子見モードだ。
「シリアという遠くの戦争を気にするか、永田町という近くの争いを気にするか」という印象だ。
NY株式は反落したがシカゴ225先物終値は大証日中比25円安の21645円。
昨日終値ベースで諸々織り込んでいたかの印象で寄り付きからまた新たな解釈が始まるのだろう。
松井証券信用評価損益率速報で売り方▲11.605%。買い方▲9.244%と接近。
マザーズ銘柄ネットストック信用評価損益率で売り方▲14.64%、買い方▲14.57%と急接近。
4月6日現在のQuick調査の信用評価損率はマイナス9.73%と2週ぶりの悪化。
信用買残は348億円増の3兆5918億円。
信用売残は255億円増の7604億円。
4月6日現在の裁定買残は690億円減の1兆4665億円。
裁定売残は310億円減の9867億円。
裁定は悪さのしようがない水準だ。
ただ空売り比率は35.9%と4日ぶりに40%割れ。
これは明るいサインかも知れない。
サポートは25日線(21452円)。
ボリンジャーのプラスσ(21770円)を取れれば良しみたいな木曜。
 
日経朝刊マーケット面の見出しは「個人の株含み損拡大」の見出し。
信用評価損率は先週比0.95%悪化しているから悪化という表現は間違いではない。
しかしその率はマイナス9.73%でヒトケタ。
そもそも信用評価損率はマイナス5%で相当いいところ。
ゼロになればほぼ反落水準。
信用建玉が全部プラスというのはマレにあるかないかのこと。
10%レベルというのはむしろ健全な水準だろう。
それでも「含み損悪化」という表現は言葉のレトリック。
「個人の信用買いの平均価格は22175円」という声もある。
確かにここは重いところになるのかも知れない。
必要なのは一気に抜き去ることだ。
一方でマザーズ銘柄ネットストック信用評価損益率。
売り方▲14.64%、買い方▲14.57%と急接近。
こちらは正念場だ。
 
あまり気にはされないだろうが、FRBは金融大手への資本規制を簡素化した。
ストレステストなどを効率化するルール改正案を公表した。
リーマン・ショック後に厳しくなった金融規制の中核的措置がストレステスト。
金融危機でも十分な資本を確保できるかを見極めてきた。
トランプ政権は規制緩和を掲げており、金融大手向けではトランプ政権初の緩和だ。
世界の株価を動かしてきた大きな要素の一つは「金融規制当局VS金融機関のバトル」。
規制強化で株安、規制緩和で株高の構図が歴史だった。
小さな出来事だが大きなうねりにつながる可能性は高いと見る。
現実に米銀は利上げを追い風に出店競争に入ったとの報もある。
背景は「単なる規模拡大」ではなく「既存業界をなぎ倒すアマゾンエフェクト」への対抗。
金融業界で勝利した先にあるのは新興勢力とのバトル。
共和党のトランプ氏がアマゾンを目の敵にする遠因もココだろう。
そう考えると楽天とビックカメラの動向も単なる「ネットとリアルの融合」以上のもの。
かなり興味深く見えてくる。
「楽天が銀行を経営できても、銀行に楽天は経営できない」は言い得て妙な表現だ。
永田町でつまらない首取り合戦をやっている場合ではなかろう。
世界は常にその先を見据えているのである。
 
市場関係者からのメール。
「プロ野球阪神-広島戦
ドラフト2位・高橋遥人投手(22=亜大 背番号29)
デビュー戦で猛虎の球団史に残る快投!!
プロ初登板初先発で、強打の広島打線を圧倒。
阪神の新人投手が甲子園でプロ初登板初先発初勝利を飾ったのは、
59年の村山実以来。
左腕となれば、球団史上初の快挙。
阪神単独首位!!
今夜はメッセンジャー!!」。
ターガースとカープが強ければ株は高いというアノマリーがある。
 
NYダウは218ドル安の24189ドルと反落。
NASDAQは25ポイント安の7069ポイント。
S&P500は14ポイント安の2642ポイント。
ダウ輸送株指数は35ポイント安の10192ポイント。
3市場の売買高は60.4億株。
CME円建ては大証比25円安の21645円。
ドル建ては大証比10ポイント高の21680ポイント。
225先物大証夜間取引は日中比20円安の21840円。
ドル円は106.80円。
10年国債利回りは2.790%。
 
 
◇━━━ カタリスト ━━━◇
 
エスプール(2471)・・・動兆。
 
エスプールに注目する。
同社は物流等のアウトソーシングとコールセンター等への人材派遣が中核。
障害者雇用支援で農園販売も手がけ受注が拡大。
既存の3倍規模の品川新センターが2月より本稼働。
通販・越境ECに期待感が高い。
ツナグ・ソリューションズの応募受付受託も堅調。
民泊予約の多言語コールセンターも展開。
今11月期も2ケタの増収増益で過去最高更新見通し。

(兜町カタリスト櫻井)

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