7円安と小幅続落、シリア情勢を巡る地政学リスクで様子見ムード

12日の日経平均株価は小幅に続落し、前日比7円03銭安の2万1680円07銭で午前の取引を終えた。東証株価指数(TOPIX)は3.63ポイント安の1721.67と、ともに方向感に乏しくもみ合った。
 
前日の米株安に加え、円高傾向を受けて弱含みで取引が始まったが、その後、様子見ムードが強まった。
為替相場で、ドル・円が1ドル=106円90銭前後(11日終値107円00-01銭)と円高方向で推移していることも重しとなったとみられる。
 
市場では「地政学上の懸念からリスクを取って買いを入れにくい上、為替が極端に円高になっているわけでもないため売りも限定的」との声が聞かれた。日経平均株価は売り一巡後、狭いレンジでの取引となった。
 
売買が膨らむ状況にはなく、一部の個別株が物色される展開となった。
11日に決算発表があった小売り各社の業績予想からイオンが年初来高値をつける一方、サイゼリヤや吉野家HDが売られるなど明暗が分かれた。またシリア情勢緊迫化で原油相場が上昇し、資源株に買いが集まった。
 
東証1部の出来高は6億8481万株、売買代金は1兆299億円で、騰落銘柄数は値上がり967銘柄、値下がり996銘柄、変わらず117銘柄だった。
 
業種別株価指数(33業種)では、ガラス・土石製品、ゴム製品、石油・石炭製品の下落が目立ち、鉱業、精密機器、その他製品などが上昇した
 
個別では、前期業績は市場コンセンサス上回る着地で良品計画が大幅高とKLabの上げが目立った。エーザイやファーストリテイリングも上昇した。イオンも買い優勢となった。独フォルクスワーゲン(VW)と包括提携に向けた協議に入ると伝わった日野自が買われ、メディアドゥホールディングスが大幅高、イー・ガーディアンも値を飛ばしている。レナウンが活況高となり、システムソフト、コメダホールディングスも上昇した。
 
半面、住友鉱やJR東海が売られた。ファナック、ソニーが軟調、コマツ、JALやJXTG、SUBARUも売りに押された。サイゼリヤが急落、吉野家ホールディングス、ローソンなども大きく値を下げた。
 
 
 
東証2部株価指数は前日比13.09ポイント安の7041.65ポイントと3日続落した。
出来高4715万株。値上がり銘柄数は185、値下がり銘柄数は212となった。
 
個別では、ブルドックソース、石井食品、プロスペクト、丸尾カルシウム、ロンシール工業など17銘柄が年初来安値を更新。アイスタディ、日本パワーファスニング、カワセコンピュータサプライ、ウェルス・マネジメントが売られた。
 
一方、クレアホールディングス、東京ラヂエーター製造が年初来高値を更新。黒谷、要興業、アルメディオ、富士通フロンテック、土屋ホールディングスが買われた。

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