オーメンでもあるまいに四捨五入すればNYダウは666ドル安の週末。
2008年12月以来約9年ぶりの下落幅となった。
下落率としても約1年8カ月ぶりの大きさでトランプ政権発足以来の大幅安。
週足でもNYダウとS&P500は2016年1月以来。
NASDQは2016年2月以来の大幅な下げを記録した。
1月の米雇用統計は非農業部門の就業者数が前月比20万人増。
市場予想の18万人増を上回って着地。
1時間当たり賃金の平均は0.3%(9セント)上昇し26.74ドル。
2009年6月以来の大幅な伸びとなった。
FRBが年内の利上げペースを加速させる可能性があることが意識され米10年債利回りは2.8450%。
2014年1月以来の高水準。
「株式よりも債券への投資妙味が高まった」との解釈だ。
しかし益回りの5%台と比較して本当に有利かどうかは定かではない。
「全株式のPERが22倍台で株式の割高感が目立ってきた」という声もある。
これも本当?という気がしないでもない。
気になるのは3市場の売買高の低調さ。
20日平均が73億株だが53億株というのは売り浴びせという訳ではなかろう。
買い控えによる下落とも解釈できなくはない。
むしろ月初の雇用統計通過というイベントドリブンと考えるべきなのかも知れない。
主力銘柄がほぼ全面安となる中でアマゾンだけは逆行高となった。
ドル円は110円台を回復したのが雇用統計の救いだろう。
仮想通貨ビットコインは世界的な規制強化が懸念材料となり急落。
ビットコインは下落。
昨年は1000%を超えて上昇したが、年明け以降は約40%下落。
今週だけで約25%下落した。
週間ベースでNYダウは4.1%安、NASDAQは3.5%安、S&P500は3.9%安。
それぞれ5週ぶりの反落。
木曜は6日続落のあとにようやく反発。
しかし反落の週末となった。
前日の急騰の反動もあり、日経平均が125円安でスタート。
一時363円安まで下げ幅を拡大。
後場も戻せず211円安。
週間では約357円の下落となり、週足では4週連続陰線。
週間ベースで日経平均株価は1.5%安、TOPIXは0.8%安でともに2週続落。
東証マザーズ指数は2.0%安、2週ぶり反落。
日経ジャスダック平均は0.7%、11週ぶり反落。
東証2部指数は0.0%安、6週ぶりの反落。
泣きっ面に蜂みたいなのがファーストリテの1月月次。
国内の既存店売上高は前年同月比2.4%減。
「全般的に冬物商品の在庫が少なかったことが響いた」との解釈。
客数は5.0%減、客単価は2.6%上昇での着地となった。
大引け後のソニーは今18年3月期業績見通しを増額修正。
営業利益見通し7126億円(前期比2.7倍)は市場予想の6676億円を上回った。
素晴らしいが海外の節分の鬼がかき消してしまうのだろうか。
水曜引け後に好決算を発表した任天堂みたいな寄り天は避けたいところだ。
「間尺に合わない」あるいは「好材料が好材料として評価されない相場。
好材料が出て買い物が入りやすい銘柄を売るという理不尽な現実。
それが止むまでは、荒れ相場は収まりようがない」という市場関係者の言葉は身に染みる。
「株価は板の厚い方へ向かう」という格言もある。
25日線(23545円)からは1.2%のマイナス乖離。
200日線(20917円)からは11.39%のプラス乖離。
サイコロは4勝8敗で33.3%。
空売り比率は43.3%で7日連続の40%越え。
昨年8月の11日連続以来だ。
シカゴ225先物終値は日中比360円安の22960円と23000円割れ。
NY激落は為替の110円台が緩衝装置になった格好。
日経平均採用銘柄のPERは15.10倍でEPSは1541.35円。
15倍割れ水準は23120円。
当然ながら割れてくることになる。
前月末終値23098円と2月月足陽線基準の23486円のレンジという見方も出来ようか。
勝手雲が2月13日にねじれているのは気にかかる。
ボリンジャーのマイナス1σが23166円、マイナス2σが22788円。
「山より大きなイノシシは出ない」と考えたいところ。
需給面からは「9月8日安値19239円の安値期日まではあと1ヶ月」という思考法も可能だ。
気学では「前週末の足取りに変化を見せる日」。
加速も変化ではあるからややこしい。
火曜は「下放れすると戻すこと多し」。
水曜は「押し込んでも戻す日。悪目買い方針良し」。
木曜は「売り警戒の日、買い狙え」。
金曜は「弱体日。吹き値売り方針」。
スーパーボウルの饗宴の中で展開する東京市場という一日。
マイナス展開ながらもささやかな希望は日足陽線。
「相棒」の杉下右京のように細かいことを気にすれば・・・。
NYは大幅安の割には出来高が増加していない。
通常70億株台のところが53億株。
セリング・クライマックスではないという思考もあろうが、どうも不自然だ。
スキュー指数は126.4とさほど上昇していない。
本来ならば昨年9月の145とか10月の150程度はあってもおかしくはない。
NY下落の要因とされるのは金利上昇懸念。
確かに3%を伺う域となった。
しかし悪い金利上昇ではなく、景気が良いからこその上昇。
雇用統計の悪化を気にした頃と比べれば明らかにストラテジーが違ってきたということでもある。
空売り比率40%超が7日続いたが、いつまでも40%台ということはなかろう。
そして9月安値期日まであと4週間。
所詮東京市場は「炭鉱のカナリア」なのだろうか。
税制、経済、あるいはバブル崩壊処理など常にモデルケースを担ってきたのが日本。
仮想通貨のコインチェックの問題だってそんなケースの印象だ。
株式市場も成熟した後のトレンドを模索させられているのかも知れない。
日本株の位置づけは「世界の景気敏感株」。
かつては「米国の利上げ先送り観測=景気減速懸念)は毒ガスだった。
炭鉱のカナリアの日本株が最もダメージを受けた」。
「だから・・・。
世界景気の先行きに懸念が生じると真っ先にとにかく売られる」というのは過去の解釈。
今は「五里霧中の未曾有の域での未体験ゾーンの開拓」みたいなものだろう。
今度は好材料と悪材料の解釈の違いという点でのカナリア。
「上場基調の悪材料は買い」というのが鉄則。
だが、好材料がウッテ返しで悪材料になっているのが気にかかる。
そもそもカナリアは美しい声で鳴くもの。
歌を忘れたカナリアに成り下がっては行けないだろう。
日経平均株価が2万円を回復した昨年6月以降、先行き警戒感が高まるのは3回目。
「焦点となる米長期金利の上昇は好調な景気を裏付けるのか。
転機を示唆するのか」というのが証券マスコミの論調。
「3度目の正直」なのだろうか。
あるいは「2度あることは3度ある」なのだろうか。
「2度あるころとは3度ある」は偶然の産物。
「3度目の正直」は必然という考え方もある。
ベイズの定理(事象Aが起きた後での事象Bの起きる確率)では・・・。
「2度あることは3度ある」は75%の確率で起こる。
逆に「3度目の正直」は25%の確率だ。
上場企業の業績は悪くない。
約7割の企業で純利益が前年同期比増加。
18年3月期通期は2年連続で最高益更新する見通しだ。
そしてGPIF。
運用する公的年金の収益額が2017年10~12月期で6.0549億円に増加。
運用利回りは3.92%。
6四半期連続の黒字となった。
運用資産額は昨年12月末で162兆6723億円。
4~12月期の収益額は15兆6219億円。
年度で最高益となった14年度の15兆2922億円を超えた。
どう見ても景気も業績も悪くない。
それでも下がるのだから株は魑魅魍魎が支配する世界でもある。
NYダウは665ドル安の25520ドルと大幅反落。
NASDAQは144ポイント安の7240ポイントと続落。
S&P500は59ポイント安の2762ポイントと続落。
ダウ輸送株指数は232ポイント安の10687ポイント。
3市場の売買高は53.2億株。
CME円建ては大証360円安の22960円。
ドル建ては大証比340ポイント安の22980ポイント。
225先物大証夜間取引は日中比280円安の23040円。
ドル円は110.18円。
10年国債利回りは2.854%。
《押し目水準のデータ》
◆NYダウ(2月2日の終値は25520ドル)
1/3押しは 22937ドル
38.2%押しは 22395ドル
1/2押しが 21082ドル
◆日経平均(昨年6月基準)(2月2日の日経平均終値は23274円)
1/3押しは 21032円
38.2%押しは 20583円
1/2押しは 19495円
61.8%押しは 18400円
2/3押しは 17956円
★1012年末アベノミクスからの日経平均
1/3押しが 19002円
38.2%押しが 18254円
1/2押しが 16439円
61.8%押しが 14624円
下がって怖がるのは素人の域。
上がってワクワクは半人前。
下がってワクワクは一人前。
なんて・・・。
◇━━━ カタリスト ━━━◇
ナノキャリア(4571)・・・動兆。
ナノキャリアに注目する。
同社はミセル化ナノ粒子が中核。
イスラエルVBL社の腫瘍血管標的遺伝子治療薬に期待。
悪性神経膠芽腫で国内治験準備。
JCRファーマとの脳内物質到達技術、
ゼオリア社との業務提携に向けた検討も材料視。
1月18日にJPモルガンが大量保有報告書提出。
(兜町カタリスト櫻井)
