NYダウ反落19ドル安、値動きが粗い展開

7日のNYダウ工業株30種平均は、前日比19ドル42セント安の2万4893ドル35セントと反落で終えた。
 
前日に大幅反発した反動から利益確定の売りが先行し、序盤に120ドル余り下落。しかし、その後は買い戻され、午前中に一時381ドル高まで上昇する乱高下の展開となった。
 
午後に入り、ダウは前日終値近辺で一進一退の動きとなったが、米議会上院の与野党執行部が2018、19会計年度予算の上限引き上げで合意したと伝わると、政府機関の閉鎖を当面回避できるとの期待から上げ幅を広げた。
 
ただ、米上院指導部が軍事費などの財政支出の予算上限を計約3000億ドル(約32兆8000億円)引き上げるとの内容に国債増発への懸念が強まり、債券売りが加速。長期金利の上昇とともに株価の割高感が意識され、ダウは引け間際に下げ足を速め、マイナス圏に沈んだ。
 
投資判断を再開したゴールドマン・サックスが目先の株価動向に慎重姿勢を示したアップルが大幅安となった。マイクロソフトも下げた。原油安を受けてシェブロンやエクソンモービルが売られたのもダウ平均を下押しした。
午後に長期金利が上昇したのをきっかけに、ダウ平均の上値が急速に重くなった。JPモルガン・チェースなど金融株の一部には買いが入ったものの、リスク選好ムードは広がりにくく、ダウ平均は取引終了間際に下げに転じた。
 
市場では「ボラティリティーの上昇がすぐに収まるとは言い切れないが、(売りが強まる)最悪期は過ぎた」との声があった。安値圏では押し目買いを入れる投資家が増えつつあるほか、いざとなれば米連邦準備理事会(FRB)が3月の利上げを見送るとの思惑も相場の支えだという。
 
ナスダック総合株価指数は反落し、前日比63.899ポイント低い7051.984で終えた。アルファベット(グーグル)やフェイスブック、アマゾン・ドット・コムなど主力株が軒並み売られた。ラム・リサーチなど半導体銘柄も軟調。一方、8日に四半期決算を発表するエヌビディアは大幅に上げた。
 
セクター別では、耐久消費財・アパレルや自動車・自動車部品が上昇する一方でエネルギーやソフトウェア・サービスが下落した。
 
個別では、写真・動画共有アプリのスナップが47%超の急伸。前日夕に発表した2017年10~12月期決算や、1日あたりの利用者数(DAU)が市場予想を上回ったのが好感された。カジノのウィン・リゾーツはセクハラ疑惑があった最高経営責任者(CEO)が6日付で辞任し、悪材料が出尽くしたとの見方が広がり大幅高で終えた。
 
一方、外食のチポトレ・メキシカン・グリルは大幅安。前日夕の四半期決算の説明会で、7~9月期まで客数の減少が続くとの見方を示したのが売りを誘った。
 
 
VIX指数は27.73と前日から低下(前営業日29.98)。反落して寄り付いたダウ平均が一時350ドル超上昇するなど、米株が底堅い動きとなり、VIX指数は連日低下した。
ただ、VIX指数の通常範囲とされる10-20の水準には回復できなかった。
ダウ平均は前日比-19.42ドルの24893.35ドルで引けた。
 
NYダウ工業株30種(ドル)
24,893.35-19.42             
S&P500種
2,681.66-13.48
ナスダック
7,051.984-63.899
 
米10年債利回り(%)
2.8321 +0.066
米2年債利回り(%)
2.1256 +0.033
 
NY金(ドル/トロイオンス)
1,314.60-14.90
NY原油(ドル/バレル)
61.73-1.66
円・ドル
109.40 – 109.41   +0.37
 


【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は反落した。3月物は前日比415円安の2万1830円で終え、大阪取引所の終値を220円上回った。

米長期金利の上昇を背景に米株式相場が下落すると下げに転じた。米株安が一服するとの期待から買われる場面もあり、値幅は900円に広がった。

この日の3月物安値は2万1450円、高値は2万2350円。
 

シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
21830 ( +220 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
21855 ( +245 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7279.42(+138.02)
FTSE100種総合株価指数は7営業日ぶりに大幅反発した。前日6日の終値に比べ138.02ポイント高の7279.42で引けた。5銘柄を除くすべての銘柄が上昇した。
 
前日の米国株が大幅反発したことを受けて、朝方から英国株も買いが先行した。午後には7日の米国株も上がって始まったことから、上げ幅を拡大した。時価総額の大きい石油株の上げが株価指数の上昇に貢献した。
 
個別では、金融株も買われ、銀行のロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)と、保険のオールド・ミューチュアルの上げが目立った。医薬品株とたばこ株の上げも目立った。
投資信託のスコティッシュ・モーゲージ・インベストメント・トラストは6%超上昇した。同社が保有する上位銘柄のアマゾンなど米国株の反発が好感された。
 
半面、鉱業のフレスニージョとランドゴールド・リソーシズ、アントファガスタは売られた。小売りのマークス・アンド・スペンサー(M&S)も軟調だった。通期決算を発表した梱包材メーカーのスマーフィット・カッパ・グループも下落した。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12590.43(+197.77)
ドイツ株式指数(DAX)は8営業日ぶりに反発した。終値は前日6日に比べて197.77ポイント高の12590.43だった。
米国株が前日に大幅反発したことから、朝方から欧州各国株式相場は上昇。7日も米国が続伸して始まったことで、欧州株はそれぞれ上げ幅を拡大した。
 
個別では、アディダスが5%超、放送大手のプロジーベンザット1メディアも4%超、それぞれ上昇した。ドイツ取引所は、複数のアナリストが株価目標を引き上げたことなどが好感され大幅高となった。下落したのは、ドイツ銀行と航空のルフトハンザの2銘柄だけだった。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5255.90(+94.09)
 

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