週末のNY株式市場はハイテクセクター中心に上昇。
債券利回りが低下したことも追い風となった。
週足ではNYダウIが0.37%、NASDAQが1.35%、S&P500が0.56%上昇。
結局「力強い経済成長と緩慢な金利上昇」という適温がまだ続いているということになろうか。
「短期的であっても、米債利回りの低下は株式相場への支え」という見方。
そして「段階的な追加利上げが正当化される」の見方との同居だ。
10年国債利回りは2.868%。
21日に4年ぶりの高水準となった2.957%を下回った。
先週、過去2番目の多さだった2580億ドルという新規供給を通過したことは好感された。
焦点は27日と3月1日のパウエルFRB議長の議会証言。
就任後に株安に襲われた修正が続くかどうかが課題だ。
FRBは半期に一度の金融政策報告を議会に提出。
「国内経済の底堅さを踏まえ段階的な追加利上げが正当化される」との見方だった。
ドル円は106円台後半での推移。
最近の為替の円高の背景は「国内勢の海外債券売りに伴う資金還流=円買い」という説もある。
一方で・・・。
財務省が2月上旬に実施した総額660億ドルの四半期定例入札。
外国の投資家が全体の22%を落札した。
「米政府が予想される財政赤字拡大に対応して資金調達の必要性に迫られている。
その渦中に外国投資家が米国債投資を拡大した」という解釈。
2月の3年債入札では外国投資家が52.68億ドルを落札。
落札額は1月の33.16億万ドルから拡大。
10年債入札では外国投資家が71.35億ドルを落札。
前月の41.44億ドルから増加し2016年5月以降で最大となった。
30年債入札では外国投資家が22.83億ドルと、過去3年間で最高額を落札。
前月の落札額は12.91億ドルだった。
注目されていた「バフェット氏の手紙」。
「買収価格の高騰を受けて大型買収を避けている」がメインテーマ。
その結果約300億ドル(3兆円)の現金が増えたという。
しかしNY株式市場の水準についての言及はなく肩すかしみたいなものだった。
「後場一段高」となった週末。
週末とはいえ、売買代金は再び2兆2000億円台。
「買い方ともに攻め倦んでいる状況を象徴する」という声が聞こえた。
5日線や26週線までは届かなかった。
日経平均は週間では約172円(0.79%高)の上昇。
週足では小幅な陰線。
TOPIXは1.33%高でともに2週連続上昇。
東証マザーズ指数は3.75%高、4週ぶり上昇。
日経ジャスダック平均は4.05%高、2週連続上昇。
東証2部指数は1.83%高、2週連続上昇。
「中小型中心で大型はサッパリ」という印象だ。
騰落レシオは95.87%。
サイコロは7勝5敗で58.3%と勝ち越しに転じた。
空売り比率は41.3%と21日連続40%超だが徐々に低下。
NY株式の上昇を受けてシカゴ225先物終値は大証日中比115円高の22025円と22000円台。
「3月の第一営業日を含む週の株高アノマリー」の週。
週間ベースで過去8年連続上昇。
過去8年間では、その翌週以降の日経平均も連続して上昇したケースが多い。
「米国で例年2月から本格化する個人への税還付の勢いとそれによる米国投資家の資金需給改善の後押し」。
今年も強くなって欲しいもの。
20カ月連続高の「月の初日」の週の株高期待。
まずは12月SQ値22590円奪還が第一目標だ。
受け渡しベースでは実質3月入り。
日経朝刊「私の履歴書」の今月は良品計画の松井元会長。
同社の沿革を興味深く読んでいたが、日曜朝にハッとした。
「掛時計の製作者にどこを工夫してのですかと聞いたことがある。
答えは『駅や公園の時計をイメージした。
今、何時かがの視認性が一番大事だから』。
白い文字盤に数字と針。
無駄をそぎ落とすと本質が見えてくる」。
株式市場でもこんなことがあるような気がする。
修飾されているから見えにくくなることは多い。
本質は単純明解でなければならないということだ。
「デザイナーの名前は一切出さない。
商品の価値だけでお客様にしてもらう」。
価値と本質の神髄だろう。
あるいは・・・。
最近の臨床医は患者の表情や目を見ることなくデータだけを注視する傾向がある。
患者は人間。
でもデータだけで人間を判断する傾向というのは良いのか悪いのか。
これでは「臨床」ではなく「臨数」あるいは「臨罫線」みたいなもの。
見えないものが浮かぶ上がることもハッと気が付くこともないような気がする。
日曜朝にTV。
あるミュージシャンの言葉は「ロックはパスポート」。
これは「株式市場はパスポート」に聞こえてきた。
相場とふれあうパスポート。
人とふれあうパスポート。
そして生活していくパスポート。
何を見ても何を聞いても株と結びつけてしまう傾向は治らない病気のようなものである。
NYダウは347ドル高の25309ドルと続伸。
NASDAQは127ポイント高の7337ポイントと5日ぶりの反発。
S&P500は43ポイント高の2747ポイントと続伸。
ダウ輸送株指数は150ポイント高の10578ポイント。
3市場の売買高は60.5億株。
CME円建ては大証比115円高の22025円。
ドル建ては大証比125ポイント高の22035ポイント。
225先物大証夜間取引は日中比80円高の21990円。
ドル円は106.81円。
10年国債利回りは2.871%。
◇━━━ カタリスト ━━━◇
アンジェス(4563)・・・動兆。
アンジェスに注目する。
同社は遺伝子治療薬中心の創薬ベンチャー。
1月に製造販売承認申請を行った重症虚血肢の遺伝子治療薬に期待感。
椎間板性腰痛症や高熱圧DNAワクチン、エボラ出血熱抗血清製剤などの研究開発を行っている。
各開発プロジェクトの推進に全力をあげることで、「遺伝子医薬のグローバルリーダー」を目指している。
業績は軟調で上場継続の疑義。
しかし徐々に実用化の時代はやって来ていると見る。
遺伝子情報のデータと診断情報の国際協力推進も追い風になろうか。
(兜町カタリスト櫻井)
