NY株式はダウとS&P500が続落。
NASDAQが反発とマチマチの動き。
コーン委員長辞任は株価的には東京市場ほどネガティブな評価ではなかった。
トランプ大統領が導入を表明した鉄鋼とアルミニウムに対する輸入関税については週内に署名される見通し。
ただカナダとメキシコなどの国は適用を除外される可能性があるとの見解もあり不透明。
日本もその適用範囲という指摘もある。
トランプ米大統領は日本時間9日午前2時に鉄鋼・アルミニウム輸入関税方針に正式署名する予定。
「結局中間選挙や補選をにらんだ飴」というのが市場の見方だ。
中小型のラッセル2000指数は大型株指数をアウトパフォームした。
ADP全米雇用レポートで民間部門雇用者数は23.5万人増で着地。
市場予想の19.5万人増を上回り依然堅調。
「トランプ大統領が掲げる鉄鋼・アルミ製品の関税計画に貿易相手国が相応の措置を取った場合、
米国での雇用は最大15万人失われる可能性がある」との見方もある。
1月の貿易収支で赤字は前月比5.0%増の566億ドルと2008年10月以来の高水準。
アナリスト予想551億ドルを上回った。
最近は一顧だにされない地区連銀経済報告(ベージュブック)。
結論は「労働市場が引き締まった状態が続き、多くの地域で賃金上昇が加速」。
利上げ観測は高まる内容との解釈だ。
債券市場は貿易戦争のリスクとFRBのタカ派的動きの可能性という材料の解釈難で小動き。
「雇用統計通過待ち」のスタンスだ。
ドル円は106円台前半。
暁のコーンショック。
大きく下落したわけではないがCMEが21700円近くで終わった後の一撃で結局マイナススタート。
前場一時200円超の下落から売りをこなして一時プラス圏に浮上。
しかし後場は一度もプラス圏がなく5日線(21323円)も下回った。
200日(21199円)が支えている構図は変わらず。
「日足は上下に小幅なひげを持つ小陽線。
3日連続のコマは売り買い勢力が拮抗状態ということ」との解釈だ。
結局、ああだこうだと言ってもトランプに翻弄されてきた構図も不変ということだろう。
しかし常に現象面が異り、視点が地球を一周するから見えにくい。
3月2日時点の裁定取引買い残は2週ぶりに減少。
前週比べて22855億円減の1兆4000億円。
昨年9月8日(1兆3742億円)以来、ほぼ半年ぶりの低水準となった。
つまり半年ごとのメジャーSQ前に裁定買い残が減少。
その後積み増すことで株価が上昇しているとも考えられる。
裁定売り残高は2週連続で増加。
前週比729億円増加の6518億円。
こちらは2016年10月28日(6647億円)以来、約1年4カ月ぶりの高水準。
時間差があるのは3月と違って米金利上昇懸念と貿易戦争懸念という材料が加わったということだろう。
コーン辞任はきっかけ。
結局はメジャーSQ前の水曜の格好の消化材料に過ぎなかったのかも知れない。
25日線(21902円)からの乖離はマイナス3.0%。
200日線はかろうじてキープ。
ボリンジャーのマイナス1σ水準(21256円)でうまいこと止まったとも言える。
騰落レシオは84.86%。
空売り比率は46.5%。
日経VIは27.39まで上昇した。
日経平均採用銘柄のEPSは1694.48円と小幅に増加。
PERは12.54倍まで低下した。
シカゴ225先物終値は大証日中比240円高の21440円。
ドル円は106円台。
2月14日安値(20950円)と3月5日安値(20937円)が2点底の形。
ならばその間の高値は2月27日の22502円。
26週線(22131円)を奪還した後にクリアできれば軟調相場は形の上ではリセットすることになる。
メジャーSQ通過以降に期待するべきタイミングとみたいところ。
結局1月第2週に3.4兆円まで積み上がった裁定買い残が2兆円減少しただけのこと。
昨年9月メジャーSQ前の1.4兆円まで裁定買い残は減少。
「そして何もなかったの如く」というような印象。
サヤ取りの裁定取引だけに、この間の株価変動に材料の有無強弱や相場勘などほとんど関係ない。
裁定買い残が減れば次は増えるしかない。
どうしてもそう見たくなる。
日経朝刊では「信用評価損率が悪化」の見出し。
前週比0.94%低下しマイナス8.86%。
「相場急落が響いた」との解釈だが1%以下の悪化に過ぎない。
あるいは、水準自体がマイナス10%に届いていない。
2月9日はマイナス10,10%だったのである。
確かに「悪化は悪化」だが、そう見せたい意図なのだろうか。
でも昨日は「株、売られすぎのサイン」と同じページでの見出しだった。
上がれば強気の見出し、下がれば弱気の見出し。
その日暮らしの締め切りに追われる記事に翻弄されていると相場の本質は見えなくなる気がする。
「中立構成」と「曖昧模糊」は違うと思うのだが・・・。
興味深かったのは日経朝刊の東芝メモリの全面カラー広告。
「冒険者求む」というのコピーだ。
「私たちは東芝メモリ。
ナノの世界を冒険し、
人類に輝く可能性を広げていく会社です。
自動運転やロボティクス、医療の革新。
爆発的に増えるデータ量に、
私たちは日本発の
三次元フラッシュメモリーで挑んでいきます」。
人材募集なのだが、相当メッセージ性が強い。
報道では「東芝メモリは売却手続き終了まで波乱含み。
3月末のクロージング目指すが、東芝の一部株主が売却反対表明。
東芝メモリ売却の一番の目的だった債務超過からの脱却に既にメド。
日米韓連合に売却せず、東芝の100%子会社のまま上場させた方が利益余地大きいとの指摘もある」。
これと合わせると、良くわかるタイミングなのだろう。
NYダウは82ドル安の24801ドルと反落。。
NASDAQは24ポイント高の7396ポイントと4日続伸。
S&P500は1ポイント安の2726ポイントと反落。
ダウ輸送株指数は26ポイント安の10408ポイント。
3市場の売買高は77.9億株。
CME円建ては大証比240円高の21440円。
ドル建ては大証比250ポイント高の21450ポイント。
225先物大証夜間取引は日中比170円高の21370円。
ドル円は105.97円。
10年国債利回りは2.875%。
◇━━━ カタリスト ━━━◇
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ビリングシステムに注目する。
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(兜町カタリスト櫻井)
