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NY株式市場は薄商いながら続伸。
金融、ハイテク、素材などのセクターが堅調だった。
市場は楽観論に包まれた格好。
「業績主導の相場だった。業績に勢いがあり、視界も良好だ。来年もこうした状況が続くだろう」という声が聞こえる。
S&P500は今年約20%上昇。
年間ベースでは、2013年以降で最大の上昇率となる見通し。
「力強い経済成長や好調な企業業績が支援材料となった。
税制改革を受けて来年も株価の上昇が続く」との見方だ。
3市場の売買高は42.6億株と低調。
新規失業保険申請件数は、前週から横ばいの24.5万件。
市場予想の24万件を上回ったが、労働市場は依然引き締まりの状態。
米シカゴ地区購買部協会景気指数は67.6と前月の63.9から上昇(市場予想は62.0)。
2011年3月以来の高水準をつけた。
生産が34年ぶりの高水準を記録したのが目立った格好。
新規受注も3年半ぶりの高水準となった。国債価格は上昇し、10年債利回りは2.407%まで低下。
ドルは軟調。
ユーロ/ドルは0.55%高の1.1951ドル。
一時1カ月ぶり高値をつけた。
年初来では約14%値上がりし、2003年以来の大幅な上げとなる勢いだった。
銅は4年ぶり高値。
原油価格は堅調。
ビットコインは下落。
トランプ米大統領は2018年1月中旬にも、経済政策の公約に掲げたインフラ整備の計画を公表する方針。
投資目標は10年間で総額1兆ドル(約113兆円)。
少なくとも2000億ドルを連邦政府が支出する方向で検討するとの共同電は効くかも知れない。
 
「アノマリー破りの年の瀬」という声が聞こえた木曜。
年内最終週の木曜前場まで高値圏。
今年はこのまま年越しかと思われたところに、不意打ちの下げだった印象。
過去の上昇確率72.73%の26日がマイナス。同72.22%の木曜もマイナス。
このままだと今年の「掉尾の一振」は不発ということになる。
もっとも「LME銅市況の10日続伸、4年ぶり高値。
WTI原油先物のバレル60ドル台と商品市況高は株高に向けた補強材料」という指摘もある。
果実は新年に持ち越しということになろうか。
25日線(22730円)が下のサポートという形。
12月第3週の海外投資家は6週ぶりに買い越し。
買越額は1223億円。
個人投資家は5週連続の売り越しで売越額は3340億円。
先物は海外投資家が7週ぶりに買い越し。
買越額は528億円。
前週は4334億円の売り越しだった。
現物株と合わせると1751億円の買い越しになる。
証券会社の自己売買部門は7週ぶりに売り越し。
売越額は1984億円。
前週は4756億円の買い越しだった。
松井証券信用評価損益率速報で売り方は▲16.231%(前日▲16.675%と今年の最悪記録)。
買い方▲3.313%(前日▲2.523%) とやや悪化。
空売り比率は37.1%と上昇したものの40%までは届いていない。
マザーズ銘柄ネットストック信用評価損益率で売り方▲6.39%(前日▲5.25%)。
買い方▲6.78 %(前日▲8.52%)と拮抗。
Quick調査の信用評価損率(12/22現在)は▲6.11%。
5週連続改善した。
シカゴ225先物終値は日中比10円高の22790円。
月足陽線基準22819円が当面の目標。
東証1部単純平均株価(2946円)の3000円台乗せも欲しいところだ。
後場に期待したいが薄商いが気にかかる。
12月31日には中国12月製造業PMI。
1月3日には米12月ISM製造業景況指数や12月12~13日のFOMC議事要旨の公表。
「主力株は手掛けにくい局面」という声と「買わないリスク」の声の交錯。
昨年大納会終値は19114円37銭。
3600円以上上昇した酉年はケッコウだった。
イヌの笑いにつながって欲しいもの。
 
日本証券取引所が集英社から出版した「日本経済の心臓、証券市場誕生」。
渋沢栄一翁の言葉が印象に残る。
「私は主義として絶対に投機並びにこれに類するものに手を染めね決心なので
取引所設立後にはすべて関係を断ち株主たることもこれを避けた」。
ある意味「男子の本懐」だったのかも知れない。
それにしても、当時は売買高の63%~100%が差金決済中心の清算取引。
実際に株の移転があったのは年間平均で10.7%が最大。
約90%が株式の受け渡しがない取引だったという。
今とは相当様相が異なるが、これは意外と市場の本質なのかも知れない。
明治時代の立ち合い時間中の立会場は開けっ放し。
隅にお茶飲み場があり寿司や菓子を売っていたという。
市場内に「江戸銀」という寿司屋の出前屋台もあった。
間違いなく昔日の感。
鰻は「うなぎのぼり」、天ぷらは「あがる」。
場味も加わって美味しそうだ。
 
NYダウは63ドル高の24837ドルと続伸。
史上最高値を更新した。
NASDAQは10ポイント高の6950ポイント。
S&P500は4ポイント高の2687ポイント。
ダウ輸送株指数は2ポイント安の10672ポイント。
3市場の売買高は42.6億株。
CME円建ては大証比10円高の22790円。
ドル建ては大証比45ポイント高の22825ポイント。
225先物大証夜間取引は日中比20円高の22800円。
ドル円は112.88円。
10年国債利回りは2.432%。
非公式外資系4社動向は売り320万株、買い240万株。
金額ベースは23億円の売り越し(2日ぶり)。
売りセクターは陸運・保険セクターなど。
買いセクターは自動車部品・ETFセクターなど。
売買交錯は電機セクターなど。
 
2017年
12月 3254万株買い越し 買い14日,売り7日
 
11月 4032万株買い越し 買い13日,売り7日
10月 70万株買い越し 買い12日,売り8日
9月 3228万株買い越し 買い13日,売り7日
8月 1160万株買い越し 買い14日,売り9日
7月 1500万株売り越し 買い10日,売り10日
 
(半期合計 8320万株買い越し 買い69日,売り53日)
 
6月 330万株買い越し 買い10日,売り12日
5月 4510万株買い越し 買い16日,売り4日
4月 870万株売り越し 買い9日,売り10日
3月 960万株売り越し 買い8日,売り14日
2月 3010万株買い越し 買い17日,売り3日
1月 2300万株買い越し 買い9日,売り10日
 
2016年(1億500万株売り越し 買い111日,売り134日)
 
2015年(1億1638万株買い越し 買い140日,売り103日)
 
 
◇━━━ カタリスト ━━━◇
 
カナミック(3939)・・・動兆。
 
カナミックネットワークに注目する。
同社は自治体、医師会、介護サービス事業者向けクラウドサービスが中核。
介護関連クラウドサービスは有料会員が順調に拡大。
シニア派遣のキャリアとの業務提携も拡大方向の一歩。
自社クラウドサービスに人材マッチング追加し機能拡充。
医療・介護をつなぐ地域包括ケアを実現するシステムを提供していることから、 各省庁との共同プロジェクトに参加。
ASP・SaaS・IoTクラウドコンソーシアムの「医療情報ASP・SaaS情報開示認定制度」の第1号。
株価は11月後半から「掉尾の一振」の状態。

(兜町カタリスト櫻井)

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